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ボディーガード(3)本番
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日米の首脳が会談をしている。その間、僕達は警戒だ。
「無事に終わって欲しいっすね」
「そうだねえ」
「犯人は捕まえておきたいがな」
「そうっすよね!」
張り切る亀田さんに、僕と直はチラッと目を見交わした。
最初は敵意でいっぱいだったのに、実地式の模擬訓練以降は妙に愛想が良くなった。
先輩達は、
「いいやつなんですよ、単純でバカですけど」
と笑っていた。亀田さんは先輩達に、可愛がられているようだ。
まあ、僕と直は、周二の襲撃を防ぐ為に臨時でここにいるだけで、仕事に支障が無ければどうでもいいが。
「周二が狙ってると大々的に言って、実際は普通の襲撃者って事もありうるしな」
「油断禁物だねえ」
「ウス!」
僕達は、受け持ちの区域で警戒していた。
その内、会談が済んで、食事会に行く時間になったらしい。会場は一流の寿司屋だ。寿司か。羨ましい……。
ざわざわとした雰囲気と共に、緊張した空気が流れる。そして、ドアが開いて、親密さをアピールしながら、両首脳が笑顔で出て来た。
フラッシュが光り、テレビクルーが各々中継を始めたり録画したりしている。
しかしそれ以外の強烈なモノに、僕と直は一気に戦闘態勢に入る。
「霊が来た!動かないで集まって下さい!」
それを英語と日本語で言うと、最初にアメリカ人スタッフにも言っていた通りに、全員が集まって、直の結界に入る。
霊相手に戦えるSPは、日本にもアメリカにもいないという事なので、大人しくしていてくれた方がいい。
「雑魚だねえ」
「様子見か、陽動か。別口で大物か人間が来そうだな」
それを、アメリカ人通訳がアメリカ側の皆に伝え、全SPが警戒を強める。
「直、そっちは任せた。
さあ、逝こうか」
「りょうかーい」
刀を出し、数だけで来たらしい霊に斬りかかって行く。この程度は慣れたもので、たかだか20体やそこら、3分もかからない。
しかし、それはやはり囮だったようだ。ほんの少し遅れて、人間の襲撃者が現れる。アメリカ側のスタッフとして潜り込んだ若い女で、英語で何やら叫んでいたが、あっという間に日本側のSPに取り押さえられた。
「まさか、スタッフに潜り込んでいたとは……。」
それで安心しかかった大統領だったが、
「まだだ!」
と声をかけて、結界から出ないように指示する。
気配が膨らんでいく。どこかと探るまでもなく、それは気配を撒き散らしながらグングンと近付いて来る。それと同時に、実体化して行く。
それの出発地点も視えた。
インカムで指示をする。
「正面にいる神父の格好のアジア人が周二だ!まだ何か持っているかも知れない。陰陽課員はそれに備えてサポートを」
『了解です』
『了解。確保に向かう』
陰陽課1係員、2係員、外事課員からそう返事が返って来た時には、それは数メートル先で実体化して、こちらを悠然と見下ろしていた。
「何だ!?これは映画の撮影か!?」
大統領は両手を広げて肩を竦め、アメリカ人SPは銃を向ける。
日本側は、それが効かない事は知っている為、彼らにも、結界から出ない事、どうせ効かないので発砲しない事と言っている。
「銃が効かない?だったら何だ。RPG?ナパーム?」
アメリカ人らしい反応だなあ。
「霊能師です。ええっと、エクソシスト?」
映像や報告では知っているだろうが、目の前で見るのは初めてらしい。僕の刀や直の札を、興味深そうに見ている。
「ふうん。どこから連れて来られたか知らないが、祟り神の劣化版か?」
オオオォォ……!
それは冷たい気を撒き散らしながら、僕と目を合わせ、手を振り上げた。
「無事に終わって欲しいっすね」
「そうだねえ」
「犯人は捕まえておきたいがな」
「そうっすよね!」
張り切る亀田さんに、僕と直はチラッと目を見交わした。
最初は敵意でいっぱいだったのに、実地式の模擬訓練以降は妙に愛想が良くなった。
先輩達は、
「いいやつなんですよ、単純でバカですけど」
と笑っていた。亀田さんは先輩達に、可愛がられているようだ。
まあ、僕と直は、周二の襲撃を防ぐ為に臨時でここにいるだけで、仕事に支障が無ければどうでもいいが。
「周二が狙ってると大々的に言って、実際は普通の襲撃者って事もありうるしな」
「油断禁物だねえ」
「ウス!」
僕達は、受け持ちの区域で警戒していた。
その内、会談が済んで、食事会に行く時間になったらしい。会場は一流の寿司屋だ。寿司か。羨ましい……。
ざわざわとした雰囲気と共に、緊張した空気が流れる。そして、ドアが開いて、親密さをアピールしながら、両首脳が笑顔で出て来た。
フラッシュが光り、テレビクルーが各々中継を始めたり録画したりしている。
しかしそれ以外の強烈なモノに、僕と直は一気に戦闘態勢に入る。
「霊が来た!動かないで集まって下さい!」
それを英語と日本語で言うと、最初にアメリカ人スタッフにも言っていた通りに、全員が集まって、直の結界に入る。
霊相手に戦えるSPは、日本にもアメリカにもいないという事なので、大人しくしていてくれた方がいい。
「雑魚だねえ」
「様子見か、陽動か。別口で大物か人間が来そうだな」
それを、アメリカ人通訳がアメリカ側の皆に伝え、全SPが警戒を強める。
「直、そっちは任せた。
さあ、逝こうか」
「りょうかーい」
刀を出し、数だけで来たらしい霊に斬りかかって行く。この程度は慣れたもので、たかだか20体やそこら、3分もかからない。
しかし、それはやはり囮だったようだ。ほんの少し遅れて、人間の襲撃者が現れる。アメリカ側のスタッフとして潜り込んだ若い女で、英語で何やら叫んでいたが、あっという間に日本側のSPに取り押さえられた。
「まさか、スタッフに潜り込んでいたとは……。」
それで安心しかかった大統領だったが、
「まだだ!」
と声をかけて、結界から出ないように指示する。
気配が膨らんでいく。どこかと探るまでもなく、それは気配を撒き散らしながらグングンと近付いて来る。それと同時に、実体化して行く。
それの出発地点も視えた。
インカムで指示をする。
「正面にいる神父の格好のアジア人が周二だ!まだ何か持っているかも知れない。陰陽課員はそれに備えてサポートを」
『了解です』
『了解。確保に向かう』
陰陽課1係員、2係員、外事課員からそう返事が返って来た時には、それは数メートル先で実体化して、こちらを悠然と見下ろしていた。
「何だ!?これは映画の撮影か!?」
大統領は両手を広げて肩を竦め、アメリカ人SPは銃を向ける。
日本側は、それが効かない事は知っている為、彼らにも、結界から出ない事、どうせ効かないので発砲しない事と言っている。
「銃が効かない?だったら何だ。RPG?ナパーム?」
アメリカ人らしい反応だなあ。
「霊能師です。ええっと、エクソシスト?」
映像や報告では知っているだろうが、目の前で見るのは初めてらしい。僕の刀や直の札を、興味深そうに見ている。
「ふうん。どこから連れて来られたか知らないが、祟り神の劣化版か?」
オオオォォ……!
それは冷たい気を撒き散らしながら、僕と目を合わせ、手を振り上げた。
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