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襲撃
しおりを挟む「アルバス殿がいらっしゃいました♪」
「「「「ようこそ~!!!」」」」
重苦しい雰囲気とは裏腹に、アルバスの到着を知らせる声に対し返ってきたのは、その到着を待ちわびていた人達からの明るい歓迎の声だった。
ここは、ブレナン伯爵家の研究棟であり、こちらの棟は元婚約者ユーフォニア・ブレナンが統括している毒や病原体に特化した専門棟だった。
「あら、アルバス…今日は早いのね?」
そう言って、さっと前を横切っていったのはこの棟の管理者ユーフォニアだ。
彼女は、その華奢な身体をすっぽりと覆い隠すほどの長いローブを羽織っている。研究棟にいる者達は、皆このローブを羽織り研究に勤しんでいるのだ。
あの日、意を決してブレナン伯爵家に行ったときの様子が思い出された。
手紙を受け取った後、恐怖心と怒りが入り交じったなんとも言えない思いで、アルバスはブレナン家に足を踏み入れた。着くやいなや、すぐこの研究棟へと案内された。そして、その時も今回と同じように明るい声で出迎えられたのだ。正直、最初は怒りの方が勝っていたためか、『何だこいつらは?』程度にしか思っていなかった。
しかし、目の前に悠然と現われたユーフォニアの一言で一変した。
『あら、早かったわね?私の可愛いモルモットちゃん♪』
『いっぱい集めてくれたのかしら?』
『さぁ、皆!楽しい楽しい採取の時間よ~!!準備始めてちょうだい!』
そうユーフォニアが言えば、普段根暗な研究員達のそれはそれはワクワクしたような嬉しそうな声が研究棟いっぱいに轟いたのだ。
流石のアルバスも、あの時だけは完全に腰が引けてしまった。
しかし、研究肌の者達はそんなことは気にしない。
パンッ!っと薄手の手袋を嵌めたユーフォニアは、未だドキドキが収まらないアルバスに対し次々と指示をだした。
『ねぇ、一番直近で女を抱いた日はいつ?その時の状況を、できるだけ細かく報告して。
それと、相手の名前を知っているならそれも報告して。
一度の射精の料も調べておく必要があるわね…。
あ、ビットさん!そこのビーカー下さい!!』
『ん?これですかい?どーぞ』
『ありがとうございます』
そう言って、ビットと呼ばれた中年の研究員からビーカーを受け取ると、そのままアルバスへと差し出した。
そして、一言。
『だして』
『・・・・・』
意味は、分かりたくないが…わかる。嫌と言うほど、分かる。
アルバスは、羞恥心を堪えながらも
ユーフォニアからビーカーを受け取った。
『わかった。‥手洗いはどちらに?』
『手洗い?ここで良いわよ?』
『いっ、いや、流石にここでは…』
『今更何言ってるの?貴方、外でも平気でしてたじゃない。見られることなんて平気でしょ?』
『っ!?お前…何で知って『見てたから』』
『‥え!?』
まさか、自分の情事を婚約者に見られていたなんて…
言葉にならないまま立ち尽くすアルバスに対し、ユーフォニアは今更何を言ってるんだと言わんばかりに、大きな溜息をついた。そして、ゆっくりと諭すようにしてアルバスへ言った。
『ねぇ、アルバス。
今すぐ、自分で服を脱ぎ抜くのか、
今すぐ、私に脱がされて魔法で搾り取られるか、
貴方が決めて』
そう言われ、アルバスが真っ先に想像した一番の理想は、ユーフォニアに脱がされて彼女の身体をオカズに彼女の手で抜く!という流れだった。しかし、これは絶対に無理だ。直ぐさま、煩悩をかき消すかのように頭を振った。
そして、自分で抜く方法を選んだ。
「「「「ようこそ~!!!」」」」
重苦しい雰囲気とは裏腹に、アルバスの到着を知らせる声に対し返ってきたのは、その到着を待ちわびていた人達からの明るい歓迎の声だった。
ここは、ブレナン伯爵家の研究棟であり、こちらの棟は元婚約者ユーフォニア・ブレナンが統括している毒や病原体に特化した専門棟だった。
「あら、アルバス…今日は早いのね?」
そう言って、さっと前を横切っていったのはこの棟の管理者ユーフォニアだ。
彼女は、その華奢な身体をすっぽりと覆い隠すほどの長いローブを羽織っている。研究棟にいる者達は、皆このローブを羽織り研究に勤しんでいるのだ。
あの日、意を決してブレナン伯爵家に行ったときの様子が思い出された。
手紙を受け取った後、恐怖心と怒りが入り交じったなんとも言えない思いで、アルバスはブレナン家に足を踏み入れた。着くやいなや、すぐこの研究棟へと案内された。そして、その時も今回と同じように明るい声で出迎えられたのだ。正直、最初は怒りの方が勝っていたためか、『何だこいつらは?』程度にしか思っていなかった。
しかし、目の前に悠然と現われたユーフォニアの一言で一変した。
『あら、早かったわね?私の可愛いモルモットちゃん♪』
『いっぱい集めてくれたのかしら?』
『さぁ、皆!楽しい楽しい採取の時間よ~!!準備始めてちょうだい!』
そうユーフォニアが言えば、普段根暗な研究員達のそれはそれはワクワクしたような嬉しそうな声が研究棟いっぱいに轟いたのだ。
流石のアルバスも、あの時だけは完全に腰が引けてしまった。
しかし、研究肌の者達はそんなことは気にしない。
パンッ!っと薄手の手袋を嵌めたユーフォニアは、未だドキドキが収まらないアルバスに対し次々と指示をだした。
『ねぇ、一番直近で女を抱いた日はいつ?その時の状況を、できるだけ細かく報告して。
それと、相手の名前を知っているならそれも報告して。
一度の射精の料も調べておく必要があるわね…。
あ、ビットさん!そこのビーカー下さい!!』
『ん?これですかい?どーぞ』
『ありがとうございます』
そう言って、ビットと呼ばれた中年の研究員からビーカーを受け取ると、そのままアルバスへと差し出した。
そして、一言。
『だして』
『・・・・・』
意味は、分かりたくないが…わかる。嫌と言うほど、分かる。
アルバスは、羞恥心を堪えながらも
ユーフォニアからビーカーを受け取った。
『わかった。‥手洗いはどちらに?』
『手洗い?ここで良いわよ?』
『いっ、いや、流石にここでは…』
『今更何言ってるの?貴方、外でも平気でしてたじゃない。見られることなんて平気でしょ?』
『っ!?お前…何で知って『見てたから』』
『‥え!?』
まさか、自分の情事を婚約者に見られていたなんて…
言葉にならないまま立ち尽くすアルバスに対し、ユーフォニアは今更何を言ってるんだと言わんばかりに、大きな溜息をついた。そして、ゆっくりと諭すようにしてアルバスへ言った。
『ねぇ、アルバス。
今すぐ、自分で服を脱ぎ抜くのか、
今すぐ、私に脱がされて魔法で搾り取られるか、
貴方が決めて』
そう言われ、アルバスが真っ先に想像した一番の理想は、ユーフォニアに脱がされて彼女の身体をオカズに彼女の手で抜く!という流れだった。しかし、これは絶対に無理だ。直ぐさま、煩悩をかき消すかのように頭を振った。
そして、自分で抜く方法を選んだ。
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