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居場所
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俺のフェアリーも真理のウィッチも明彦のノームも、3機共試作機で、ダイレクトリンクを採用している。このダイレクトリンクは合う合わないがあるらしく、今の所、実用レベルで合うのがテストで判明しているのは全パイロットの1パーセントらしい。その希少な能力を3人共持っていたのは珍しい偶然だと氷川さんが言っていた。
「その能力も、使いこなせてなければ無駄だけどな」
相変わらずだ。
あすかに移っても、氷川さんと雨宮さんは一緒について来た。3機の担当だかららしい。
「突っ込むばかに慎重すぎるスナイパーに器用貧乏な便利屋」
「上手い事言うなあ」
「明彦、感心してる場合じゃない」
「今1人、ウィッチ向きのやつがいてな。迷ってるんだがなあ」
「え!?」
「まあ、この先のデータ次第だな。
はい、お疲れさん」
俺達は衝撃を受けながら、廊下に出た。
「そりゃあ、いつまでもこのメンバーのままいられる保証は無いとは思ってたけど」
このメンバーがやりやすいのは事実だ。
「データ次第って言ってたな」
明彦が深刻な顔をする。
「うん。とにかくがんばってみるよ、ボク」
真理は、強張った笑みを浮かべた。
シミュレーターでの訓練に、先輩達とは違う3機と当たった。
タイプは俺達とも先輩達とも同じ、接近戦、狙撃手、オールラウンダーだ。そして機体は、ハニービーのカスタムタイプだった。
明彦と向こうの近接戦闘タイプはすぐに電磁ナイフでやり合い、膠着状態にもつれ込んだ。そして距離を取ってきた後、向こうは伸縮性のある槍を振り回し始めた。
『うわわわあ!』
「アキ、距離を取って左後方25度、下32度へ急加速。マサトはそのまま右へ移動、こいつを落とせ」
『わかったぁ』
2人が動き出し、俺は目の前の、自分に似たヤツをライフルでおちょくっておいて、急発進の後急に曲がってうろたえたところを撃墜、そのままエリアを大回りに突っ切った。
『やったーーうわ!』
『ギャッ!』
向こうの前衛は真理がドンピシャで落としたのだが、向こうのスナイパーが明彦を狙って来たらしい。
幸い性能に助けられて撃墜判定は食らわなかったが、バランスを崩して真理にぶつかって行き、もつれて流れて行く。
見た光景だなあと懐かしく思っている暇はない。向こうのスナイパーが撃って来た地点を中心にライフルをばらまいて撃ちながら接近し、ジグザグに射線を外して避けながら急接近し、ライフルを電磁ブレードに持ち替えて斬りつけ、仕留める。
『終了』
声がかかってコクピットがシミュレーターに戻る。
俺達は外に出て、指導係と6人で解析ルームに移る。
「悪い。俺の指示ミスだったな」
「ううん。ボクがノーガードだったんだよぉ」
「オレも根性が足りなかったな」
いや、根性では攻撃を受けきれないぞ。
椅子に座ると、ヒデ、ユウ、タカが解説に入る。
「狙っている間、警戒が疎かになりすぎだ、マサト」
「アキが体を張って撃墜を止めたのは、今回は良かったで」
「ミギリは、最後、中距離まで詰めたところでビットを活用できれば尚良かったな」
神妙に指導係の反省点を聴く。
「わかったか」
「はい」
ようやく終わって外に出ると、隣からも3人出て来た。20代初めと半ば、もう1人は30過ぎだろうか。
どうやら、今の対戦相手らしい。
「ああ、どうも」
向こうの20代半ばの男とヒデが挨拶をする。
「知り合いかな?」
「防大の同期だよ」
「噂の学兵トリオ、やってくれるなあ。あの誘導にはまんまとはまった」
「攻撃を弾くコーティングでなければ、俺が2機を仕留めてましたーー!」
一番若そうなのが言うと、向こうのリーダーとヒデは苦笑し、30過ぎのが軽く小突いた。
「結果が全てだよ。敵に、同じ性能の機体で尋常に勝負しろとか言うつもりか?」
「・・・すいません」
「まあ、性能差に助けられたのはこちらの反省点だよ。向こうも同じなら、また結果が変わるさ。それなら、ひたすら技量を磨き続けた方の勝ちだ」
お互いにそう言って、別れた。
向こうの若いやつが、振り返って鋭い目で見ていた事が印象に残った。
食堂で、昼食を摂る。
「テストも終わったし、万歳だな!」
「夏休みとかはないけどねぇ」
「それより俺は、ねばとろから解放されて嬉しい」
あすかでは、嫌いな食材が必ず出て来て泣きそうだったのだ。
「何でそんなに嫌なんだ?」
「・・・ねばねばでとろとろだから?後、ピリッと舌がするところとか」
「意外だなあ。砌が偏食が多いの」
言いながら食べていると、後ろから声がした。
「本当に子供なんだなあ」
振り返ると、さっきの3人組だった。
「ああ、悪い。そういう意味じゃないんだ。ただ、学兵だろ?なんとなく、ピンと来なくて」
30過ぎの男が笑う。
「子供にこんな事させて、悪いな。まあ、死なないようにがんばってくれ」
リーダーが言うのに、一応、
「いえ。ありがとうございます」
と言っておく。
「もし俺達があの機体に乗っていたら、もっと上手く、もっと早くやれてました」
若いのが言う。
「そう言っても、あれは乗り手を選ぶからな。無理なものは無理だ、長田」
長田というらしい。
「俺は、ダイレクトリンクの適性がギリギリ適性値です」
俺達は氷川さんが言っていたもう1人が彼だと分かった。
「まあまあ、長田。負けて悔しいのはわかるが、こんな所で熱くなってどうする」
「はい。すみません」
「じゃあ、行くよ」
彼らは空になったトレイを持って、立ち上がった。
俺達は、それを見送って、食事に戻った。
「・・・負けてられないな!」
「そうだな」
味噌汁が、辛くなった気がした。
どうもその翌日から、真理の様子がおかしくなった。考え込む事が多々あり、我に返ると、いつも通りにこにこするのだが。
長田さんの事だろうかとは思うが、どうしたらいいのかわからない。
それで、久々の休日は、3人でかける事にした。前はちょくちょく、でかけたものだ。
「どこに行く?」
決まって意見が割れ、じゃんけんか順番になるのだ。
「ゲームセンター!」
「シューティングだろ?これだけ毎日やってるのに、まだやりたいのか明彦」
俺と真理は呆れかえった。しかしじゃんけんに強い明彦に勝てず、ゲームセンターに向かった。
「何で休日まで訓練なんだ」
言いながら、ハニービーでノリブ殲滅を目指す。ハニービーもノリブも、遅くて苛々した。
と、何の因果か長田がいた。
「あ・・・」
クレーンゲームで取ったと思しき景品を持っている。
「ああ!いいな!ぱんだちゃんクッション!」
長田が俺達に鋭い目を向けるのにもお構いなしに、明彦が景品を指さす。
「え?」
「すいません。こいつ、そういうの好きなんで・・・」
俺は代わりに謝っておいた。いつもならこういう時は、真っ先に真理が謝るんだが・・・。
不審に思った俺は、チラリと真理を見た。真理は妙に真面目な顔付きで、長田さんを見ていた。
長田さんもそれに気付いたのか、首を傾けて、言った。
「君が、スナイパー?」
「はい」
「賭けをしないか。それで対戦して、君が勝ったらこれをあげよう。俺が勝ったら・・・俺がもらおうか。あの機体を」
緊張が満ちる。
「長田さんーー」
「いいですよぉ」
「真理!」
「さあ、がんばるよぉ」
真理はにこにこと笑った。口元だけで。
「どどどうしよう、砌。オレのせい?」
慌てる明彦を宥め、真理に目を向ける。
「タイミングだろ、単なる。
おい、真理。ぱんだ、頼んだぞ」
「うん」
真理は笑って、ゲーム機の前に座った。
お互いに向かい合った筐体に座り、対戦モードを選択。
そして、始まった。
障害物を盾にしながらの攻防。お互いの盾がどんどん小さく削れて行って、やがて剥き出しになる。そうなると互いに相手の背後に回り込んでの撃ち合いになだれ込み、2機でグルグルとらせんの渦を描く。
実戦なら、内臓がよじれ、視界が暗く狭くなって行き、頭が痛くなって来るところだ。
そこで真理は回転を変えた。変えつつ、撃つ。
それを辛うじて避けた長田さんだが、避けた先に真理の放ったミサイルが吸い込まれて行き、勝負はついた。
「ボクは今まで、争うのが嫌いだった。ケンカするくらいならボクが謝って折れればいいと思ってたんだ。でも、渡せないよぉ。ボクの居場所を」
真理は、おっとりと笑った。
その後の訓練が終わって、俺は先輩達にコソッと呼ばれた。
「マサト、何かあったのか。妙に良くなってるけど」
「ゲームで、勝ったんですよ」
「ゲーム?」
「単なるきっかけでしょうけどね」
ぱんだちゃんクッションは、明彦の宝物として部屋にある。
「その能力も、使いこなせてなければ無駄だけどな」
相変わらずだ。
あすかに移っても、氷川さんと雨宮さんは一緒について来た。3機の担当だかららしい。
「突っ込むばかに慎重すぎるスナイパーに器用貧乏な便利屋」
「上手い事言うなあ」
「明彦、感心してる場合じゃない」
「今1人、ウィッチ向きのやつがいてな。迷ってるんだがなあ」
「え!?」
「まあ、この先のデータ次第だな。
はい、お疲れさん」
俺達は衝撃を受けながら、廊下に出た。
「そりゃあ、いつまでもこのメンバーのままいられる保証は無いとは思ってたけど」
このメンバーがやりやすいのは事実だ。
「データ次第って言ってたな」
明彦が深刻な顔をする。
「うん。とにかくがんばってみるよ、ボク」
真理は、強張った笑みを浮かべた。
シミュレーターでの訓練に、先輩達とは違う3機と当たった。
タイプは俺達とも先輩達とも同じ、接近戦、狙撃手、オールラウンダーだ。そして機体は、ハニービーのカスタムタイプだった。
明彦と向こうの近接戦闘タイプはすぐに電磁ナイフでやり合い、膠着状態にもつれ込んだ。そして距離を取ってきた後、向こうは伸縮性のある槍を振り回し始めた。
『うわわわあ!』
「アキ、距離を取って左後方25度、下32度へ急加速。マサトはそのまま右へ移動、こいつを落とせ」
『わかったぁ』
2人が動き出し、俺は目の前の、自分に似たヤツをライフルでおちょくっておいて、急発進の後急に曲がってうろたえたところを撃墜、そのままエリアを大回りに突っ切った。
『やったーーうわ!』
『ギャッ!』
向こうの前衛は真理がドンピシャで落としたのだが、向こうのスナイパーが明彦を狙って来たらしい。
幸い性能に助けられて撃墜判定は食らわなかったが、バランスを崩して真理にぶつかって行き、もつれて流れて行く。
見た光景だなあと懐かしく思っている暇はない。向こうのスナイパーが撃って来た地点を中心にライフルをばらまいて撃ちながら接近し、ジグザグに射線を外して避けながら急接近し、ライフルを電磁ブレードに持ち替えて斬りつけ、仕留める。
『終了』
声がかかってコクピットがシミュレーターに戻る。
俺達は外に出て、指導係と6人で解析ルームに移る。
「悪い。俺の指示ミスだったな」
「ううん。ボクがノーガードだったんだよぉ」
「オレも根性が足りなかったな」
いや、根性では攻撃を受けきれないぞ。
椅子に座ると、ヒデ、ユウ、タカが解説に入る。
「狙っている間、警戒が疎かになりすぎだ、マサト」
「アキが体を張って撃墜を止めたのは、今回は良かったで」
「ミギリは、最後、中距離まで詰めたところでビットを活用できれば尚良かったな」
神妙に指導係の反省点を聴く。
「わかったか」
「はい」
ようやく終わって外に出ると、隣からも3人出て来た。20代初めと半ば、もう1人は30過ぎだろうか。
どうやら、今の対戦相手らしい。
「ああ、どうも」
向こうの20代半ばの男とヒデが挨拶をする。
「知り合いかな?」
「防大の同期だよ」
「噂の学兵トリオ、やってくれるなあ。あの誘導にはまんまとはまった」
「攻撃を弾くコーティングでなければ、俺が2機を仕留めてましたーー!」
一番若そうなのが言うと、向こうのリーダーとヒデは苦笑し、30過ぎのが軽く小突いた。
「結果が全てだよ。敵に、同じ性能の機体で尋常に勝負しろとか言うつもりか?」
「・・・すいません」
「まあ、性能差に助けられたのはこちらの反省点だよ。向こうも同じなら、また結果が変わるさ。それなら、ひたすら技量を磨き続けた方の勝ちだ」
お互いにそう言って、別れた。
向こうの若いやつが、振り返って鋭い目で見ていた事が印象に残った。
食堂で、昼食を摂る。
「テストも終わったし、万歳だな!」
「夏休みとかはないけどねぇ」
「それより俺は、ねばとろから解放されて嬉しい」
あすかでは、嫌いな食材が必ず出て来て泣きそうだったのだ。
「何でそんなに嫌なんだ?」
「・・・ねばねばでとろとろだから?後、ピリッと舌がするところとか」
「意外だなあ。砌が偏食が多いの」
言いながら食べていると、後ろから声がした。
「本当に子供なんだなあ」
振り返ると、さっきの3人組だった。
「ああ、悪い。そういう意味じゃないんだ。ただ、学兵だろ?なんとなく、ピンと来なくて」
30過ぎの男が笑う。
「子供にこんな事させて、悪いな。まあ、死なないようにがんばってくれ」
リーダーが言うのに、一応、
「いえ。ありがとうございます」
と言っておく。
「もし俺達があの機体に乗っていたら、もっと上手く、もっと早くやれてました」
若いのが言う。
「そう言っても、あれは乗り手を選ぶからな。無理なものは無理だ、長田」
長田というらしい。
「俺は、ダイレクトリンクの適性がギリギリ適性値です」
俺達は氷川さんが言っていたもう1人が彼だと分かった。
「まあまあ、長田。負けて悔しいのはわかるが、こんな所で熱くなってどうする」
「はい。すみません」
「じゃあ、行くよ」
彼らは空になったトレイを持って、立ち上がった。
俺達は、それを見送って、食事に戻った。
「・・・負けてられないな!」
「そうだな」
味噌汁が、辛くなった気がした。
どうもその翌日から、真理の様子がおかしくなった。考え込む事が多々あり、我に返ると、いつも通りにこにこするのだが。
長田さんの事だろうかとは思うが、どうしたらいいのかわからない。
それで、久々の休日は、3人でかける事にした。前はちょくちょく、でかけたものだ。
「どこに行く?」
決まって意見が割れ、じゃんけんか順番になるのだ。
「ゲームセンター!」
「シューティングだろ?これだけ毎日やってるのに、まだやりたいのか明彦」
俺と真理は呆れかえった。しかしじゃんけんに強い明彦に勝てず、ゲームセンターに向かった。
「何で休日まで訓練なんだ」
言いながら、ハニービーでノリブ殲滅を目指す。ハニービーもノリブも、遅くて苛々した。
と、何の因果か長田がいた。
「あ・・・」
クレーンゲームで取ったと思しき景品を持っている。
「ああ!いいな!ぱんだちゃんクッション!」
長田が俺達に鋭い目を向けるのにもお構いなしに、明彦が景品を指さす。
「え?」
「すいません。こいつ、そういうの好きなんで・・・」
俺は代わりに謝っておいた。いつもならこういう時は、真っ先に真理が謝るんだが・・・。
不審に思った俺は、チラリと真理を見た。真理は妙に真面目な顔付きで、長田さんを見ていた。
長田さんもそれに気付いたのか、首を傾けて、言った。
「君が、スナイパー?」
「はい」
「賭けをしないか。それで対戦して、君が勝ったらこれをあげよう。俺が勝ったら・・・俺がもらおうか。あの機体を」
緊張が満ちる。
「長田さんーー」
「いいですよぉ」
「真理!」
「さあ、がんばるよぉ」
真理はにこにこと笑った。口元だけで。
「どどどうしよう、砌。オレのせい?」
慌てる明彦を宥め、真理に目を向ける。
「タイミングだろ、単なる。
おい、真理。ぱんだ、頼んだぞ」
「うん」
真理は笑って、ゲーム機の前に座った。
お互いに向かい合った筐体に座り、対戦モードを選択。
そして、始まった。
障害物を盾にしながらの攻防。お互いの盾がどんどん小さく削れて行って、やがて剥き出しになる。そうなると互いに相手の背後に回り込んでの撃ち合いになだれ込み、2機でグルグルとらせんの渦を描く。
実戦なら、内臓がよじれ、視界が暗く狭くなって行き、頭が痛くなって来るところだ。
そこで真理は回転を変えた。変えつつ、撃つ。
それを辛うじて避けた長田さんだが、避けた先に真理の放ったミサイルが吸い込まれて行き、勝負はついた。
「ボクは今まで、争うのが嫌いだった。ケンカするくらいならボクが謝って折れればいいと思ってたんだ。でも、渡せないよぉ。ボクの居場所を」
真理は、おっとりと笑った。
その後の訓練が終わって、俺は先輩達にコソッと呼ばれた。
「マサト、何かあったのか。妙に良くなってるけど」
「ゲームで、勝ったんですよ」
「ゲーム?」
「単なるきっかけでしょうけどね」
ぱんだちゃんクッションは、明彦の宝物として部屋にある。
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