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天才武闘少女
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キヨはいつも通りに戻った――すなわち、篁文と紗希には当たりがきつい態度に。
「河田。わけでもあるのか?」
ショウがそのあまりの態度を不審に思って訊く。
「いえ、何も」
「ないとは誰も思わんぞ。
待てよ。篁文は古武道の……」
キヨがピクリと反応し、ショウは当たりか、と思った。
「子供の頃に挫折したとかいう、例の相手か」
キヨは憮然とした顔を、隠そうともせず、頷いた。
キヨは子供の頃、天才武闘少女と呼ばれていた。近所の古武道の道場に通っていたがそこではすぐに敵なしとなり、近隣の道場の者とやりあっても負ける事は無かった。それで、天才と呼ばれ、オリンピックに種目があれば金メダル確実なのにと言われた。
そんなある日、全国大会があった。
どうせキヨが連覇だろうと、キヨも周囲も確信していた。
が、2回戦で当たったのは、中学生のキヨよりも5つほど年下の男子だった。冷静とか平静とか言えば聞こえがいいが、やる気が大して感じられるでも無く、キヨは、嫌々師匠に言われて出て来たクチだと思った。
ところが、やってみると、彼にあっけなく敗れてしまったのだった。
油断した、マグレだ。そう思ったが、彼はその後も淡々と勝ち続け、とうとう優勝までしてしまったのだ。
天才少年の登場に会場はわき、天才少女は脇にやられた。
屈辱だったが、それ以上の屈辱を味わう事になろうとは。
表彰式の後、ごちゃごちゃする会場を師匠と合流しようと進んで行くと、師匠が別の老人と話していた。
「綾瀬さん、ありがとうございました。
いやあ、それにしても篁文君は凄い。天才とはああいうものをいうのだろうねえ。無理に試合に出てもらって申し訳ない。
うちの河田が天狗になっていたので、どうにかしないといけないと思いましてねえ。真面目さが災いして視野も狭い」
「いやいや、気にせんでください。篁文も、こういう事を経験しておくのもいいものですよ」
「河田にもいい薬になりました」
そこに篁文と女の子が近付いて来て、2人は別れ、篁文達とその老人が急ぎ足で駐車場に向かった。キヨは、迷わず篁文達の後を追った。
「篁文、すごかったね!おめでとう!」
「ありがとう。
そんな事より、流星群、見えるかなあ」
キヨは耳を疑った。そんな事より?流星群?
「天気も良さそうだし、大丈夫だろう」
「篁文は星の事しか興味無いの?もう!」
「紗希ちゃんはバーベキューで頭がいっぱいだろ?」
「篁文!」
篁文と紗希と呼ばれた子は老人の周りをグルグルと追いかけ合って、それを老人は笑って眺めながら歩いて行った。
キヨは俯いて、怨嗟のように続けた。
「年下の、それ一筋に打ち込んで来たわけでもない子に負けたんです。天才と持ち上げられていた私が。
それ以来、負けるのが怖くなって、受験を理由に古武道も辞めてしまいました。
でも、あの子は今も一生懸命やっていると思っていたのに、篁文にとっては単なる片手間。趣味だそうです。あの紗希って子と楽しく遊ぶのが、修練よりも大事なんですよ」
ショウは、最後の辺りで、内心首を傾けた。
最初は天才少女が天才少年に負けて挫折したという話だったのに、最後は、私怨だろうか。
「嫉妬?」
思わず呟いたショウの言葉に、キヨはうっすらを笑った。
「ええ。あの才能に嫉妬し、羨望したというのに」
いや、そうじゃなく――と言うのははばかられて、ショウは咳払いをした。
「まあ、人生の目標は色々だろうからな。皆がお前と同じなわけはない」
「……はい」
「それはそれ、思い出として、今は仲間だろう。それも、異世界生物への対処は先輩で、頼もしいじゃないか」
「はい」
「紗希も自分にできる事を一生懸命やってるし、周りもそれで明るくなってる。いい子だろ?」
「………………はい」
「お前は強い。昔の事にこだわるな」
「はい」
キヨを行かせ、ショウは溜め息をついた。
そこで、それに気付いてギョッとした。
「ウッ。沢松2佐に紗希にドルメ。どうして」
給湯室で、3人が体を小さくしていたのだった。
「吾輩は喉が渇いたので、水を飲もうと思ったのである」
「俺はお茶を淹れに」
「私はコップを洗おうかと……」
ショウは呻いた。
「いつから?」
「昔語りの少し前?」
「うむ。ショウが、『ちょっといいか』と言った辺りであるな」
「最初ですよね」
「そうとも言うな」
ショウは頭を抱えたくなった。
「あの、紗希」
「すみません。篁文は小さい頃からおじいちゃんっ子で、おじいちゃんに古武道も教わってたんです。でも、古武道は好きだったんですけど、その、体を鍛える手段程度で。この日は珍しくおじいちゃんに大会に出ろって言われて、面倒臭がりながら出たような記憶が……」
小さくなる紗希に、ショウと沢松が慌てる。
「いや、謝る事はないよ。うん。紗希も篁文も悪くない」
「そうそう」
「強くなったと思っていたらある日負ける。よくある事であるよ。それを乗り越えた者だけが、真に強くなれるである」
「あの、この事は」
「勿論、誰にも言わないですし、聞いたそぶりは出しません。ね?」
「うむ。誓うである」
「そうか。小さい頃に、3人は出会っていたんだなあ」
沢松が何かを想像するように笑って言い、
「奇蹟ですね」
とショウも笑う。
「篁文の子供の頃はどんな感じだったのであるか?今みたいに風格があるというか、そういう目付きであったのかな?」
「子供の頃はかわいいものだったわよ。幼稚園に行く前は女の子みたいに。小学校の途中くらいかな?目付きが悪くなってきたのって。
今度小さい頃の写真、持って来ようか」
「見たいである!」
「女の子みたいにかわいい篁文……想像ができない……」
その時、次元震とは別のサイレンが鳴り、アナウンスが入った。
『アクシル側より侵入者。警備員以外は、建物から出ないで下さい』
そしてすぐに、次元震のサイレンも鳴り出す。
『次元震を感知しました』
ドルメとショウは、部屋へ行きかけていたのを、急いで引き返す。
これが新たな混乱の幕開けだった。
「河田。わけでもあるのか?」
ショウがそのあまりの態度を不審に思って訊く。
「いえ、何も」
「ないとは誰も思わんぞ。
待てよ。篁文は古武道の……」
キヨがピクリと反応し、ショウは当たりか、と思った。
「子供の頃に挫折したとかいう、例の相手か」
キヨは憮然とした顔を、隠そうともせず、頷いた。
キヨは子供の頃、天才武闘少女と呼ばれていた。近所の古武道の道場に通っていたがそこではすぐに敵なしとなり、近隣の道場の者とやりあっても負ける事は無かった。それで、天才と呼ばれ、オリンピックに種目があれば金メダル確実なのにと言われた。
そんなある日、全国大会があった。
どうせキヨが連覇だろうと、キヨも周囲も確信していた。
が、2回戦で当たったのは、中学生のキヨよりも5つほど年下の男子だった。冷静とか平静とか言えば聞こえがいいが、やる気が大して感じられるでも無く、キヨは、嫌々師匠に言われて出て来たクチだと思った。
ところが、やってみると、彼にあっけなく敗れてしまったのだった。
油断した、マグレだ。そう思ったが、彼はその後も淡々と勝ち続け、とうとう優勝までしてしまったのだ。
天才少年の登場に会場はわき、天才少女は脇にやられた。
屈辱だったが、それ以上の屈辱を味わう事になろうとは。
表彰式の後、ごちゃごちゃする会場を師匠と合流しようと進んで行くと、師匠が別の老人と話していた。
「綾瀬さん、ありがとうございました。
いやあ、それにしても篁文君は凄い。天才とはああいうものをいうのだろうねえ。無理に試合に出てもらって申し訳ない。
うちの河田が天狗になっていたので、どうにかしないといけないと思いましてねえ。真面目さが災いして視野も狭い」
「いやいや、気にせんでください。篁文も、こういう事を経験しておくのもいいものですよ」
「河田にもいい薬になりました」
そこに篁文と女の子が近付いて来て、2人は別れ、篁文達とその老人が急ぎ足で駐車場に向かった。キヨは、迷わず篁文達の後を追った。
「篁文、すごかったね!おめでとう!」
「ありがとう。
そんな事より、流星群、見えるかなあ」
キヨは耳を疑った。そんな事より?流星群?
「天気も良さそうだし、大丈夫だろう」
「篁文は星の事しか興味無いの?もう!」
「紗希ちゃんはバーベキューで頭がいっぱいだろ?」
「篁文!」
篁文と紗希と呼ばれた子は老人の周りをグルグルと追いかけ合って、それを老人は笑って眺めながら歩いて行った。
キヨは俯いて、怨嗟のように続けた。
「年下の、それ一筋に打ち込んで来たわけでもない子に負けたんです。天才と持ち上げられていた私が。
それ以来、負けるのが怖くなって、受験を理由に古武道も辞めてしまいました。
でも、あの子は今も一生懸命やっていると思っていたのに、篁文にとっては単なる片手間。趣味だそうです。あの紗希って子と楽しく遊ぶのが、修練よりも大事なんですよ」
ショウは、最後の辺りで、内心首を傾けた。
最初は天才少女が天才少年に負けて挫折したという話だったのに、最後は、私怨だろうか。
「嫉妬?」
思わず呟いたショウの言葉に、キヨはうっすらを笑った。
「ええ。あの才能に嫉妬し、羨望したというのに」
いや、そうじゃなく――と言うのははばかられて、ショウは咳払いをした。
「まあ、人生の目標は色々だろうからな。皆がお前と同じなわけはない」
「……はい」
「それはそれ、思い出として、今は仲間だろう。それも、異世界生物への対処は先輩で、頼もしいじゃないか」
「はい」
「紗希も自分にできる事を一生懸命やってるし、周りもそれで明るくなってる。いい子だろ?」
「………………はい」
「お前は強い。昔の事にこだわるな」
「はい」
キヨを行かせ、ショウは溜め息をついた。
そこで、それに気付いてギョッとした。
「ウッ。沢松2佐に紗希にドルメ。どうして」
給湯室で、3人が体を小さくしていたのだった。
「吾輩は喉が渇いたので、水を飲もうと思ったのである」
「俺はお茶を淹れに」
「私はコップを洗おうかと……」
ショウは呻いた。
「いつから?」
「昔語りの少し前?」
「うむ。ショウが、『ちょっといいか』と言った辺りであるな」
「最初ですよね」
「そうとも言うな」
ショウは頭を抱えたくなった。
「あの、紗希」
「すみません。篁文は小さい頃からおじいちゃんっ子で、おじいちゃんに古武道も教わってたんです。でも、古武道は好きだったんですけど、その、体を鍛える手段程度で。この日は珍しくおじいちゃんに大会に出ろって言われて、面倒臭がりながら出たような記憶が……」
小さくなる紗希に、ショウと沢松が慌てる。
「いや、謝る事はないよ。うん。紗希も篁文も悪くない」
「そうそう」
「強くなったと思っていたらある日負ける。よくある事であるよ。それを乗り越えた者だけが、真に強くなれるである」
「あの、この事は」
「勿論、誰にも言わないですし、聞いたそぶりは出しません。ね?」
「うむ。誓うである」
「そうか。小さい頃に、3人は出会っていたんだなあ」
沢松が何かを想像するように笑って言い、
「奇蹟ですね」
とショウも笑う。
「篁文の子供の頃はどんな感じだったのであるか?今みたいに風格があるというか、そういう目付きであったのかな?」
「子供の頃はかわいいものだったわよ。幼稚園に行く前は女の子みたいに。小学校の途中くらいかな?目付きが悪くなってきたのって。
今度小さい頃の写真、持って来ようか」
「見たいである!」
「女の子みたいにかわいい篁文……想像ができない……」
その時、次元震とは別のサイレンが鳴り、アナウンスが入った。
『アクシル側より侵入者。警備員以外は、建物から出ないで下さい』
そしてすぐに、次元震のサイレンも鳴り出す。
『次元震を感知しました』
ドルメとショウは、部屋へ行きかけていたのを、急いで引き返す。
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