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第19話 カリファ大神木
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「カリファ大神木?」
甘い果実にかぶりつきながら、俺は首をかしげた。レオンさんがうなずく。
「ここからさらに奥地に、聖森林を守護する巨大な御神木があるという話です」
「ああ。その話なら俺も聞いたことがある。けど、ほとんど誰も見たことがないって」
「その通りです。文献にわずかに残る記述によると、その大きさは天をも貫くほどでありながら、周囲は聖なる力に覆われて、常人には見えないとか」
「確かに、王都の高所から見渡しても、それっぽい樹はないからなあ」
言いながら、またかぷり。とりわけ甘党ではない俺も、たまには無性に甘いものを食べたくなるものだ。
――レオンさん一家が新しい研究所を構えてから、五日。
今日、俺たちはレオンさんとともに、カリファ聖森林の奥地へとやってきていた。
理由はいくつかある。
ひとつは、知識を深めること。聖森林の奥地にはまだまだ珍しい植物がたくさんある。専門家のレオンさんに教えてもらいながら植物図鑑をめくるのは、時間を忘れるほど楽しいことだった。
ふたつめは、レオンさんの依頼であること。イリス姫も気にしていたが、ここ最近、森全体で動物たちの姿が少なくなっている。レオンさんはその原因を調査したいという。
みっつめ。これも個人的なことだが、俺たちの次の楽園を創ることだ。
これまでオルランシアの聖地で寝泊まりしていたが、そこだけを基点にしているとどうしても探索範囲が限られてしまう。
勇者パーティの賢者、アリアみたいに、一瞬で転移できる魔法があるならともかく、徒歩だと厳しい。
カリファの聖森林にやってきて、およそ十日。
奥地探索のために、そろそろ次の拠点を創りたいところだった。
――そして今。
レオンさんの研究所から数キロ離れた場所に、ちょうどよい洞窟を見つけて、そこでくつろいでいる。
研究所と同じように、斜面にぽっかりと空いた洞窟だ。奥行きは浅く、大きな自然のテントのような形状をしている。周囲よりやや隆起した場所で、見晴らしが良い。耳を澄ませば川のせせらぎが聞こえてくるほど、水場も近い。
俺は【楽園創造者】の力で、軽く環境を整えた。食料確保用の樹、絨毯代わりの草地、ハンモックの形にした蔓、花のベッドなどだ。
見た目がやたらファンシーなのは、レオンさんの一人娘、アンの希望だった。
初めて【楽園創造者】の力を見せたときには、ずいぶんと驚かれたものだ。
「うわあっ! お兄ちゃんすごい! まるでおとぎ話の世界みたい!」
「ほれ、そこのベッド使ってみな。柔らかくて、良い匂いがするから」
「うん。わほーいっ!」
喜声を上げながらベッドにダイブした少女。ここまでの旅の疲れを微塵も見せなかった。タフな子だった。
今は、さすがにはしゃぎ疲れたのか花のベッドの上で寝息を立てている。
娘の様子を見たレオンさんが、話題を変え、すまなそうに言う。
「娘がご迷惑をかけましたね。ラクター君」
「いや、いいさ。子どもはあれくらい元気な方がいい。むしろ、俺の方が無理を言ったと心配していたんだ」
レオンさんの知識を俺は重宝している。旅に同行してもらえると非常に心強い。
だが、彼が研究所を出るということは、アンをひとりにしてしまうということだ。それではいけないと、レオンさんはアンを連れて旅についてきてくれた。申し訳ないと思うのはこちらの方だ。
幸い、ここまで何事もない。これは神獣オルランシアのリーダー、リーニャの存在が大きかった。
その功労者の獣人少女は、ハンモックの上で寝息を立てている。気に入ったらしい。
俺は微笑みながら、果実の最後の一口を食べ終えた。
「ところでレオンさん。さっき言ってたカリファ大神木の話。もしかして本当に探し出すつもりかい?」
「いつかは、と思っています」
そう言って、レオンさんは周囲を見回した。
まだ雑な作りの『楽園』を見る彼の瞳は、輝いていた。
「ラクター君の創り出した楽園を見ていると、その夢もきっと叶うのではないかと思うのです」
「それほど立派なものじゃないよ。ここの楽園は。まだ、ね」
苦笑する。
――アルマディアによると、今の俺のレベルは9。最大GPは170ということだ。
この拠点を形にするのに、30ほどGPを使っている。ま、最初の頃を思うとずいぶん効率よく【楽園創造】できるようになってきた。
後は少しずつ、ここを住みやすい場所に変えていけばいい。小屋を建てるのもいいだろう。外敵から身を守るために強固な塀を創ってもいいだろう。息苦しくならないように、花や緑を増やしてもいいだろう。
時間も体力も必要だが、『思いのままにできる空間』がここにある。
自由な選択肢、束縛のない時間――これこそスローライフの醍醐味なのだろうなと思う。
ふと。
レオンさんが微笑みを引っ込め、声を潜めた。
「カリファ大神木を探す理由は、知的好奇心だけではないんです。ここまで旅をしてきて、森全体に明らかな異変が起きています。もし、聖森林のすべてを守護する大神木に万が一のことがあれば、ことは我々だけの問題にとどまりません」
「そうだな」
俺はうなずいた。うなずきながら、勇者パーティの面々の顔を思い出していた。
アルマディア、と俺は心の中で呼びかける。女神の返事はすぐにきた。
『カリファ大神木について、ですね。ラクター様』
――ああ、そうだ。お前の方で、なにかわかることがあるか?
『大神木は、それ自体が神に近い存在です。大神木を護るため、大精霊が宿っているとも聞きます。ただ……申し訳ありません。今の私にはこれ以上のことはわかりません』
――やっぱり、カリファ大神木とお前は、系統が違うのか?
『そうですね。それに私は今、ラクター様にすべてを捧げています。私自身が女神として行使できる権能には、大きな制限があるのです』
――そうか。……悪い。俺に宿ったせいだな。
『謝る必要などありません。私は、あなたと共に在ることをいささかも後悔していません』
きっぱりと断言され、俺は少し面食らった。
『ラクター様がお望みならば、大神木から流れ出す神力をたどることはできますよ』
――本当か? ぜひ頼む。
『承りました』
「レオンさん」と俺は声をかける。
「どうやら思ったよりも早く、カリファ大神木にたどり着けそうだよ」
「本当ですか!? さすがラクター君だ」
手放しで褒めてくる研究者に、俺は「ひとりの力じゃないさ」と首を振って応えた。
甘い果実にかぶりつきながら、俺は首をかしげた。レオンさんがうなずく。
「ここからさらに奥地に、聖森林を守護する巨大な御神木があるという話です」
「ああ。その話なら俺も聞いたことがある。けど、ほとんど誰も見たことがないって」
「その通りです。文献にわずかに残る記述によると、その大きさは天をも貫くほどでありながら、周囲は聖なる力に覆われて、常人には見えないとか」
「確かに、王都の高所から見渡しても、それっぽい樹はないからなあ」
言いながら、またかぷり。とりわけ甘党ではない俺も、たまには無性に甘いものを食べたくなるものだ。
――レオンさん一家が新しい研究所を構えてから、五日。
今日、俺たちはレオンさんとともに、カリファ聖森林の奥地へとやってきていた。
理由はいくつかある。
ひとつは、知識を深めること。聖森林の奥地にはまだまだ珍しい植物がたくさんある。専門家のレオンさんに教えてもらいながら植物図鑑をめくるのは、時間を忘れるほど楽しいことだった。
ふたつめは、レオンさんの依頼であること。イリス姫も気にしていたが、ここ最近、森全体で動物たちの姿が少なくなっている。レオンさんはその原因を調査したいという。
みっつめ。これも個人的なことだが、俺たちの次の楽園を創ることだ。
これまでオルランシアの聖地で寝泊まりしていたが、そこだけを基点にしているとどうしても探索範囲が限られてしまう。
勇者パーティの賢者、アリアみたいに、一瞬で転移できる魔法があるならともかく、徒歩だと厳しい。
カリファの聖森林にやってきて、およそ十日。
奥地探索のために、そろそろ次の拠点を創りたいところだった。
――そして今。
レオンさんの研究所から数キロ離れた場所に、ちょうどよい洞窟を見つけて、そこでくつろいでいる。
研究所と同じように、斜面にぽっかりと空いた洞窟だ。奥行きは浅く、大きな自然のテントのような形状をしている。周囲よりやや隆起した場所で、見晴らしが良い。耳を澄ませば川のせせらぎが聞こえてくるほど、水場も近い。
俺は【楽園創造者】の力で、軽く環境を整えた。食料確保用の樹、絨毯代わりの草地、ハンモックの形にした蔓、花のベッドなどだ。
見た目がやたらファンシーなのは、レオンさんの一人娘、アンの希望だった。
初めて【楽園創造者】の力を見せたときには、ずいぶんと驚かれたものだ。
「うわあっ! お兄ちゃんすごい! まるでおとぎ話の世界みたい!」
「ほれ、そこのベッド使ってみな。柔らかくて、良い匂いがするから」
「うん。わほーいっ!」
喜声を上げながらベッドにダイブした少女。ここまでの旅の疲れを微塵も見せなかった。タフな子だった。
今は、さすがにはしゃぎ疲れたのか花のベッドの上で寝息を立てている。
娘の様子を見たレオンさんが、話題を変え、すまなそうに言う。
「娘がご迷惑をかけましたね。ラクター君」
「いや、いいさ。子どもはあれくらい元気な方がいい。むしろ、俺の方が無理を言ったと心配していたんだ」
レオンさんの知識を俺は重宝している。旅に同行してもらえると非常に心強い。
だが、彼が研究所を出るということは、アンをひとりにしてしまうということだ。それではいけないと、レオンさんはアンを連れて旅についてきてくれた。申し訳ないと思うのはこちらの方だ。
幸い、ここまで何事もない。これは神獣オルランシアのリーダー、リーニャの存在が大きかった。
その功労者の獣人少女は、ハンモックの上で寝息を立てている。気に入ったらしい。
俺は微笑みながら、果実の最後の一口を食べ終えた。
「ところでレオンさん。さっき言ってたカリファ大神木の話。もしかして本当に探し出すつもりかい?」
「いつかは、と思っています」
そう言って、レオンさんは周囲を見回した。
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「ラクター君の創り出した楽園を見ていると、その夢もきっと叶うのではないかと思うのです」
「それほど立派なものじゃないよ。ここの楽園は。まだ、ね」
苦笑する。
――アルマディアによると、今の俺のレベルは9。最大GPは170ということだ。
この拠点を形にするのに、30ほどGPを使っている。ま、最初の頃を思うとずいぶん効率よく【楽園創造】できるようになってきた。
後は少しずつ、ここを住みやすい場所に変えていけばいい。小屋を建てるのもいいだろう。外敵から身を守るために強固な塀を創ってもいいだろう。息苦しくならないように、花や緑を増やしてもいいだろう。
時間も体力も必要だが、『思いのままにできる空間』がここにある。
自由な選択肢、束縛のない時間――これこそスローライフの醍醐味なのだろうなと思う。
ふと。
レオンさんが微笑みを引っ込め、声を潜めた。
「カリファ大神木を探す理由は、知的好奇心だけではないんです。ここまで旅をしてきて、森全体に明らかな異変が起きています。もし、聖森林のすべてを守護する大神木に万が一のことがあれば、ことは我々だけの問題にとどまりません」
「そうだな」
俺はうなずいた。うなずきながら、勇者パーティの面々の顔を思い出していた。
アルマディア、と俺は心の中で呼びかける。女神の返事はすぐにきた。
『カリファ大神木について、ですね。ラクター様』
――ああ、そうだ。お前の方で、なにかわかることがあるか?
『大神木は、それ自体が神に近い存在です。大神木を護るため、大精霊が宿っているとも聞きます。ただ……申し訳ありません。今の私にはこれ以上のことはわかりません』
――やっぱり、カリファ大神木とお前は、系統が違うのか?
『そうですね。それに私は今、ラクター様にすべてを捧げています。私自身が女神として行使できる権能には、大きな制限があるのです』
――そうか。……悪い。俺に宿ったせいだな。
『謝る必要などありません。私は、あなたと共に在ることをいささかも後悔していません』
きっぱりと断言され、俺は少し面食らった。
『ラクター様がお望みならば、大神木から流れ出す神力をたどることはできますよ』
――本当か? ぜひ頼む。
『承りました』
「レオンさん」と俺は声をかける。
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