7 / 77
第7話 獣耳リーニャの忠誠
しおりを挟む
神獣族オルランシアの少女、リーニャ。
女神の眷属だというから、てっきりホワイトウルフのような種族かと思っていた。まさか人化できるとは……。
こちらをじっと見つめてくるリーニャの瞳。黄金色だ。
お尻まで伸びるサラサラの銀髪に、同じく銀色の体毛をした獣耳。よく見ると、耳には魔石のイヤリングのような装飾品が付けられていた。
汚れた麻のトップスにショートパンツ。まるで囚人のような格好。
年齢は十五、六歳くらい。もっとも、相手は神獣。実年齢はわからない。
しなやかかつスレンダーな体型で、見るからに身体能力が高そう。
「主様?」
こくりと可愛らしく首を傾げるリーニャ。
俺は視線を逸らした。神獣の人化……やっぱりとんでもなく美人になるんだな。
っていうか。主様って何だ。
相手は神獣、どう考えても俺の方が格下だろうに。
『リーニャ。私がわかりますか? アルマディアです』
ふと、俺の中の女神が語りかけた。
どうやら眷属相手なら声が聞こえるらしく、リーニャが少し驚いた顔でうなずく。
「わかるよ。女神様の匂い。やっぱり主様の中にいたんだね。よかった、会えて」
『私もです。あなたが生きていて本当によかった。……教えてください。あなたたちに、何があったのですか?』
するとリーニャはうつむき、ぽつりぽつりと話し始めた。
「母様から、次のリーダーを譲り受けた直後だった。リーニャたちの聖地に、いきなり人間たちがやってきて……いろいろ、盗っていったの」
『どんな人間たちでしたか?』
「ツンツン頭の男ひとりに女ふたり。すごく嫌な匂いなのに、すごく強かった。母様や仲間の皆でも歯が立たないくらい」
リーニャは唇を噛む。
アルマディアが耳打ちするように教えてくれる。代替わりの際はとても大きな力を使うので、リーニャの母もリーニャ自身も一時的に弱ってしまうのだと。
偶然か、それとも狙われていたか。とにかく、その『とんでもなく強い人間』に襲われ、リーニャたちは敗れた。
ツンツン頭の男ひとりと女ふたり――もはや、名前を思い出すのも腹立たしい。
それでも勇者か、あいつらは……!
「弱ってたリーニャを仲間の皆が逃がしてくれた。けど、途中で別の人間たちに捕まった。最近、森を荒らし回ってる悪い人間たち。でもそのときは神獣の姿だったから、人間たちの隙を見てヒトの姿になって、逃げ出した。服は、あいつらの巣で拾った」
母様が、人間の姿になるときは服を着なきゃいけませんって言ってたから、とリーニャは告げた。金色の瞳が揺れていた。
「リーニャ、皆を助けたかった。だから戻った。けどもう遅かった……。どうしたらいいのかわからなくなって落ち込んでいたら」
そこで、俺を見る。
「聖地が、蘇るのを感じた」
ずり、と俺の方に寄ってくる。
「聖地が、前よりずっと力に溢れてた。女神様の匂いもした。『ああ、女神様が来てくれたんだ』って思ったら、力の真ん中に、主様がいた」
俺の頬にリーニャの手が触れる。顔が近づく。
「聖地が主様を受け入れていた。主様からは女神様の匂いもした。だからリーニャ、これからはこの人に仕えるんだって思ったの」
息づかいがすぐそこに聞こえる。
そのまま俺の胸元に顔を埋め、くんくんと匂いを嗅ぐ。
「リーニャの主様。イイ匂い……」
「ちょ……っと待ってくれ」
展開が突然すぎてついていけなかったが、とりあえずはリーニャを押し戻す。このままだとマズいと思った。いろいろと。
『リーニャ。この方はラクター・パディントン様。私の力を受け継いだ人間です。ラクター様に仕えるというあなたの決断、私は支持します。これからはラクター様を支え、厄災を防ぐ壁となってください。頼みましたよ』
「はい」
またギュッと抱きついてくるリーニャ。見た目はすらりとしているが、元が神獣なだけあって力がとんでもなく強い。
まるで猫のように顔を擦り付けながら、うっとりした口調で彼女は言った。
「よろしくです。リーニャの主様」
……何という展開か。
俺はただ、神獣族オルランシアたちの帰る場所を作りたかっただけなのに。
とはいえ、一族でひとりになってしまったリーニャをここに放置するのも忍びない。
俺は返事の代わりに、リーニャの頭をゆっくりと撫でた。
獣耳が動き、気持ち良さそうに左右に広がる。銀色の尻尾が、俺の手の動きに合わせてゆっくりと動く。
撫で心地は格別だった。
スキンシップの激しい、甘えたがりな妹を持った気分だ。
そのまましばらく撫でて続けていると――。
「……ッ!」
突然、リーニャの獣耳と尻尾が鋭く立った。
俺から離れると、崖とは反対方向の草むらを睨む。前傾姿勢を取り、今にも飛びかかりそうな様子で警戒心を剥き出しにする。
草むらをかき分けて現れたのは――あの野盗たちだった。
「ようやく見つけたぜ、獣っ子ちゃんよ」
下卑た笑いを浮かべるスキンヘッド。
「へっ。女に化けられるなら先に言えって。断然、使い道が増えたってもんだ。もう逃げられねえぞ。大人しく俺たちの奴隷に――」
そのとき、奴らは俺に気付いた。
一瞬、苦々しい表情になったものの、俺が満足に動けないことを悟ると途端に嘲笑した。
「おい小僧。さっきの借りは、この女でチャラにしてやる。大人しくそこで見てな。この獣娘は俺たちのモンだ」
「リーニャ、お前たちのモノじゃない。口の利き方に気をつけろ」
挑発的とも言えるリーニャの警告。
一気に険悪になった空気をものともせず、さらにリーニャは言い放つ。
「お前たち、主様より下。女神様より下。リーニャより下。下のモノが上のモノに逆らうの、許されない」
「はあっ!? なんだとこの女! おい、いいからやっちまうぞ、コイツら!」
野盗たちが武器を振りかざす。
その瞬間には、リーニャが動いていた。
『オルランシアの一族は、際立って高い身体能力と耐久力でカリファの聖森林を護り続けてきました。勇者クラスならともかく――』
女神アルマディアが告げる。
『只人に、オルランシアの長は止められません』
砕ける剣。
空に舞う野盗たちの身体。
まるで光跡写真のように、銀の髪と金の瞳が縦横無尽に駆け巡る。
速い。そして強い!
気絶して動かなくなった野盗たちを見下ろしながら、リーニャは告げた。
「序列を守らない奴、リーニャ許さない。リーニャの主人は、主様だけ」
女神の眷属だというから、てっきりホワイトウルフのような種族かと思っていた。まさか人化できるとは……。
こちらをじっと見つめてくるリーニャの瞳。黄金色だ。
お尻まで伸びるサラサラの銀髪に、同じく銀色の体毛をした獣耳。よく見ると、耳には魔石のイヤリングのような装飾品が付けられていた。
汚れた麻のトップスにショートパンツ。まるで囚人のような格好。
年齢は十五、六歳くらい。もっとも、相手は神獣。実年齢はわからない。
しなやかかつスレンダーな体型で、見るからに身体能力が高そう。
「主様?」
こくりと可愛らしく首を傾げるリーニャ。
俺は視線を逸らした。神獣の人化……やっぱりとんでもなく美人になるんだな。
っていうか。主様って何だ。
相手は神獣、どう考えても俺の方が格下だろうに。
『リーニャ。私がわかりますか? アルマディアです』
ふと、俺の中の女神が語りかけた。
どうやら眷属相手なら声が聞こえるらしく、リーニャが少し驚いた顔でうなずく。
「わかるよ。女神様の匂い。やっぱり主様の中にいたんだね。よかった、会えて」
『私もです。あなたが生きていて本当によかった。……教えてください。あなたたちに、何があったのですか?』
するとリーニャはうつむき、ぽつりぽつりと話し始めた。
「母様から、次のリーダーを譲り受けた直後だった。リーニャたちの聖地に、いきなり人間たちがやってきて……いろいろ、盗っていったの」
『どんな人間たちでしたか?』
「ツンツン頭の男ひとりに女ふたり。すごく嫌な匂いなのに、すごく強かった。母様や仲間の皆でも歯が立たないくらい」
リーニャは唇を噛む。
アルマディアが耳打ちするように教えてくれる。代替わりの際はとても大きな力を使うので、リーニャの母もリーニャ自身も一時的に弱ってしまうのだと。
偶然か、それとも狙われていたか。とにかく、その『とんでもなく強い人間』に襲われ、リーニャたちは敗れた。
ツンツン頭の男ひとりと女ふたり――もはや、名前を思い出すのも腹立たしい。
それでも勇者か、あいつらは……!
「弱ってたリーニャを仲間の皆が逃がしてくれた。けど、途中で別の人間たちに捕まった。最近、森を荒らし回ってる悪い人間たち。でもそのときは神獣の姿だったから、人間たちの隙を見てヒトの姿になって、逃げ出した。服は、あいつらの巣で拾った」
母様が、人間の姿になるときは服を着なきゃいけませんって言ってたから、とリーニャは告げた。金色の瞳が揺れていた。
「リーニャ、皆を助けたかった。だから戻った。けどもう遅かった……。どうしたらいいのかわからなくなって落ち込んでいたら」
そこで、俺を見る。
「聖地が、蘇るのを感じた」
ずり、と俺の方に寄ってくる。
「聖地が、前よりずっと力に溢れてた。女神様の匂いもした。『ああ、女神様が来てくれたんだ』って思ったら、力の真ん中に、主様がいた」
俺の頬にリーニャの手が触れる。顔が近づく。
「聖地が主様を受け入れていた。主様からは女神様の匂いもした。だからリーニャ、これからはこの人に仕えるんだって思ったの」
息づかいがすぐそこに聞こえる。
そのまま俺の胸元に顔を埋め、くんくんと匂いを嗅ぐ。
「リーニャの主様。イイ匂い……」
「ちょ……っと待ってくれ」
展開が突然すぎてついていけなかったが、とりあえずはリーニャを押し戻す。このままだとマズいと思った。いろいろと。
『リーニャ。この方はラクター・パディントン様。私の力を受け継いだ人間です。ラクター様に仕えるというあなたの決断、私は支持します。これからはラクター様を支え、厄災を防ぐ壁となってください。頼みましたよ』
「はい」
またギュッと抱きついてくるリーニャ。見た目はすらりとしているが、元が神獣なだけあって力がとんでもなく強い。
まるで猫のように顔を擦り付けながら、うっとりした口調で彼女は言った。
「よろしくです。リーニャの主様」
……何という展開か。
俺はただ、神獣族オルランシアたちの帰る場所を作りたかっただけなのに。
とはいえ、一族でひとりになってしまったリーニャをここに放置するのも忍びない。
俺は返事の代わりに、リーニャの頭をゆっくりと撫でた。
獣耳が動き、気持ち良さそうに左右に広がる。銀色の尻尾が、俺の手の動きに合わせてゆっくりと動く。
撫で心地は格別だった。
スキンシップの激しい、甘えたがりな妹を持った気分だ。
そのまましばらく撫でて続けていると――。
「……ッ!」
突然、リーニャの獣耳と尻尾が鋭く立った。
俺から離れると、崖とは反対方向の草むらを睨む。前傾姿勢を取り、今にも飛びかかりそうな様子で警戒心を剥き出しにする。
草むらをかき分けて現れたのは――あの野盗たちだった。
「ようやく見つけたぜ、獣っ子ちゃんよ」
下卑た笑いを浮かべるスキンヘッド。
「へっ。女に化けられるなら先に言えって。断然、使い道が増えたってもんだ。もう逃げられねえぞ。大人しく俺たちの奴隷に――」
そのとき、奴らは俺に気付いた。
一瞬、苦々しい表情になったものの、俺が満足に動けないことを悟ると途端に嘲笑した。
「おい小僧。さっきの借りは、この女でチャラにしてやる。大人しくそこで見てな。この獣娘は俺たちのモンだ」
「リーニャ、お前たちのモノじゃない。口の利き方に気をつけろ」
挑発的とも言えるリーニャの警告。
一気に険悪になった空気をものともせず、さらにリーニャは言い放つ。
「お前たち、主様より下。女神様より下。リーニャより下。下のモノが上のモノに逆らうの、許されない」
「はあっ!? なんだとこの女! おい、いいからやっちまうぞ、コイツら!」
野盗たちが武器を振りかざす。
その瞬間には、リーニャが動いていた。
『オルランシアの一族は、際立って高い身体能力と耐久力でカリファの聖森林を護り続けてきました。勇者クラスならともかく――』
女神アルマディアが告げる。
『只人に、オルランシアの長は止められません』
砕ける剣。
空に舞う野盗たちの身体。
まるで光跡写真のように、銀の髪と金の瞳が縦横無尽に駆け巡る。
速い。そして強い!
気絶して動かなくなった野盗たちを見下ろしながら、リーニャは告げた。
「序列を守らない奴、リーニャ許さない。リーニャの主人は、主様だけ」
4
お気に入りに追加
2,055
あなたにおすすめの小説

ザコ魔法使いの僕がダンジョンで1人ぼっち!魔獣に襲われても石化した僕は無敵状態!経験値が溜まり続けて気づいた時には最強魔導士に!?
さかいおさむ
ファンタジー
戦士は【スキル】と呼ばれる能力を持っている。
僕はスキルレベル1のザコ魔法使いだ。
そんな僕がある日、ダンジョン攻略に向かう戦士団に入ることに……
パーティに置いていかれ僕は1人ダンジョンに取り残される。
全身ケガだらけでもう助からないだろう……
諦めたその時、手に入れた宝を装備すると無敵の石化状態に!?
頑張って攻撃してくる魔獣には申し訳ないがダメージは皆無。経験値だけが溜まっていく。
気づけば全魔法がレベル100!?
そろそろ反撃開始してもいいですか?
内気な最強魔法使いの僕が美女たちと冒険しながら人助け!

隠して忘れていたギフト『ステータスカスタム』で能力を魔改造 〜自由自在にカスタマイズしたら有り得ないほど最強になった俺〜
桜井正宗
ファンタジー
能力(スキル)を隠して、その事を忘れていた帝国出身の錬金術師スローンは、無能扱いで大手ギルド『クレセントムーン』を追放された。追放後、隠していた能力を思い出しスキルを習得すると『ステータスカスタム』が発現する。これは、自身や相手のステータスを魔改造【カスタム】できる最強の能力だった。
スローンは、偶然出会った『大聖女フィラ』と共にステータスをいじりまくって最強のステータスを手に入れる。その後、超高難易度のクエストを難なくクリア、無双しまくっていく。その噂が広がると元ギルドから戻って来いと頭を下げられるが、もう遅い。
真の仲間と共にスローンは、各地で暴れ回る。究極のスローライフを手に入れる為に。

異世界に召喚されたが「間違っちゃった」と身勝手な女神に追放されてしまったので、おまけで貰ったスキルで凡人の俺は頑張って生き残ります!
椿紅颯
ファンタジー
神乃勇人(こうのゆうと)はある日、女神ルミナによって異世界へと転移させられる。
しかしまさかのまさか、それは誤転移ということだった。
身勝手な女神により、たった一人だけ仲間外れにされた挙句の果てに粗雑に扱われ、ほぼ投げ捨てられるようなかたちで異世界の地へと下ろされてしまう。
そんな踏んだり蹴ったりな、凡人主人公がおりなす異世界ファンタジー!

(完結)魔王討伐後にパーティー追放されたFランク魔法剣士は、超レア能力【全スキル】を覚えてゲスすぎる勇者達をザマアしつつ世界を救います
しまうま弁当
ファンタジー
魔王討伐直後にクリードは勇者ライオスからパーティーから出て行けといわれるのだった。クリードはパーティー内ではつねにFランクと呼ばれ戦闘にも参加させてもらえず場美雑言は当たり前でクリードはもう勇者パーティーから出て行きたいと常々考えていたので、いい機会だと思って出て行く事にした。だがラストダンジョンから脱出に必要なリアーの羽はライオス達は分けてくれなかったので、仕方なく一階層づつ上っていく事を決めたのだった。だがなぜか後ろから勇者パーティー内で唯一のヒロインであるミリーが追いかけてきて一緒に脱出しようと言ってくれたのだった。切羽詰まっていると感じたクリードはミリーと一緒に脱出を図ろうとするが、後ろから追いかけてきたメンバーに石にされてしまったのだった。

勇者PTを追放されたので獣娘たちに乗り換えて楽しく生きる
まったりー
ファンタジー
勇者を支援する為に召喚され、5年の間ユニークスキル【カードダス】で支援して来た主人公は、突然の冤罪を受け勇者PTを追放されてしまいました。
そんな主人公は、ギルドで出会った獣人のPTと仲良くなり、彼女たちの為にスキルを使う事を決め、獣人たちが暮らしやすい場所を作る為に奮闘する物語です。

クラス転移して授かった外れスキルの『無能』が理由で召喚国から奈落ダンジョンへ追放されたが、実は無能は最強のチートスキルでした
コレゼン
ファンタジー
小日向 悠(コヒナタ ユウ)は、クラスメイトと一緒に異世界召喚に巻き込まれる。
クラスメイトの幾人かは勇者に剣聖、賢者に聖女というレアスキルを授かるが一方、ユウが授かったのはなんと外れスキルの無能だった。
召喚国の責任者の女性は、役立たずで戦力外のユウを奈落というダンジョンへゴミとして廃棄処分すると告げる。
理不尽に奈落へと追放したクラスメイトと召喚者たちに対して、ユウは復讐を誓う。
ユウは奈落で無能というスキルが実は『すべてを無にする』、最強のチートスキルだということを知り、奈落の規格外の魔物たちを無能によって倒し、規格外の強さを身につけていく。
これは、理不尽に追放された青年が最強のチートスキルを手に入れて、復讐を果たし、世界と己を救う物語である。
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

無能な勇者はいらないと辺境へ追放されたのでチートアイテム【ミストルティン】を使って辺境をゆるりと開拓しようと思います
長尾 隆生
ファンタジー
仕事帰りに怪しげな占い師に『この先不幸に見舞われるが、これを持っていれば幸せになれる』と、小枝を500円で押し売りされた直後、異世界へ召喚されてしまうリュウジ。
しかし勇者として召喚されたのに、彼にはチート能力も何もないことが鑑定によって判明する。
途端に手のひらを返され『無能勇者』というレッテルを貼られずさんな扱いを受けた上に、一方的にリュウジは凶悪な魔物が住む地へ追放されてしまう。
しかしリュウジは知る。あの胡散臭い占い師に押し売りされた小枝が【ミストルティン】という様々なアイテムを吸収し、その力を自由自在に振るうことが可能で、更に経験を積めばレベルアップしてさらなる強力な能力を手に入れることが出来るチートアイテムだったことに。
「ミストルティン。アブソープション!」
『了解しましたマスター。レベルアップして新しいスキルを覚えました』
「やった! これでまた便利になるな」
これはワンコインで押し売りされた小枝を手に異世界へ突然召喚され無能とレッテルを貼られた男が幸せを掴む物語。
~ワンコインで買った万能アイテムで幸せな人生を目指します~
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる