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【2】わたくしの身体をお使い下さい
しおりを挟む挙動不審になった私に気づいたのか、女神カナディア様――何となく私の名前と似てる――が説明してくれた。
カナディア様は女神になったばかりの新米で、私が初めての『お仕事』らしい。
女神様のお仕事は、死んだ魂を安息の地まで導くこと。その他にも、新しい世界への生まれ変わり――いわゆる転生もお仕事内容に含まれる。
おや、ぞくぞくするキーワードではないですか。
たぶん変な笑いを浮かべていた私に、女神様は嫌な顔ひとつしない。マジで神。
――でも、ひとつ気になったことが。
カナディア様のお話だと、どうやら私が死ぬのは本当はもう少しだけ先だったという。カナディア様とは別の神様のミスで、ぽっくり逝ってしまったと。なんじゃいそれは。
で、ミスした当の神様は気まずいのか上の処分を恐れてか、新米のカナディア様に私を押しつけたとか。
もちろん、真の女神(情報源、私)であるカナディア様が他人をあしざまに言うことはない。話の内容から、私がそう認識しただけだ。
けど、状況的に間違いないと思う。
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私的には今すぐミスした野郎を引っ張り出して、カナディア様に土下座させたい。さもなくば上司を出せ。
ひとり憤慨する私に、カナディア様は言った。
「まだ力も経験もないわたくしには、カナデ様を元の世界に送り返すことができません。せめてものお詫びに、わたくしの身体をお使い下さい」
「……へ?」
「わたくしは神界にこの身を捧げることで女神となることができました。肉体は、わたくしが生きていた世界で封印され、健在です。どうか、ご自由にお使い下さい。幸い、生きていくには不自由ない環境が揃っております」
……なん、だと?
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