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大商人への道
355ー1 禍を転じて福と為す(2)ー1
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卒業式を終えた俺は、急いで学園都市に戻り遅れた予定をこなしていく。
学園都市に就職する卒業生は、そのまま学園都市に移動するか、9月10日までに来ることになっている。
他領の高学院卒業生や一般人就職者も、9月12日が正式な仕事始めである。
新婚の4組には、いろいろと準備もあるだろうから3週間のお休みをとってもらった。
高学院から引き抜いた教授は8月末まで、覇王探求部会メンバーは8月25日までに移動するよう指示を出してある。
正直言って時間が足らない。もちろんお金も足らない。
人手も足らないが、7月末に卒業した学園都市高学院のメンバーが、8月から働き始めているので何とか対応できている。
話は遡るが、被災者用のアパートは7月中旬に全て完成し、家を失くした被災者の皆さんは引越しを終えた。
仕事が潤沢にあるので、被災者の中には自力で先に借家を借りた者も多くいて、8月から働く学園都市高学院の卒業生の住む場所が確保できた。
それでもまだ、これから就職する職員のアパートも必要だから、いつもの妖精持ち主要メンバーが、7月中旬に魔力増幅ポーションを飲みながら頑張った。
更地になった被災地に4棟ほど独身者用アパートを建て、中心地を火災から守るため、消火用の水を確保する溜め池を造っておいた。
この2度目のアパート建設時に、俺はアエラボ商会に新しく建設部門を立ち上げた。
学園都市には、残念ながらアパートを建てる資金がなかったからだ。
だから職員アパートは、アエラボ商会が土地を学園都市から購入し、家主として貸し出す。
勿論、頑張ってくれた仲間には、しっかり賃金を支払っている。
そして俺は、資材集めと魔獣の様子を確認するため、ランドルに乗って各地を飛び回った。
大容量のマジックバッグが新しく必要になったので、試しにブラックドラゴンの雄の翼で作ったら、ごっそり魔力を吸い取られた。
……でも、収納できる量は・・・無限かもしれない。
王都の復興も途中なので、林業が盛んな隣国コッタリカ王国へ行き、アエラボ商会として大量に木材を購入した。
現金払いで大量購入だから、当然しっかり値切ったけどさ。
気付けばアエラボ商会は、どんどん大きくなっている。
マジックバッグ部門のドバイン運送は、寝る間がない程の忙しさは相変わらずで、全領地及びニルギリ公国に支店を出店済みである。
建設部門は学園都市を中心に動くので、商業ギルドから人員をお借りした。
余談だが、この素晴らしい建設魔法陣の権利は、3分の1を考案者のマサルーノが、残りはアエラボ商会が持っている。
何せ建設するには、魔力量が100を越えている妖精持ちの人間が10人は必要なので、建設依頼があればアエラボ商会が人員を揃えるしかない。
覇王学園と勇者学園の入試は8月20日で、卒業式で留守だった俺とラリエスに代わり、ボンテンクとログドル王子が取り仕切ってくれた。
翌21日の面接には、なんとか俺とラリエスも間に合ったが、予想以上の人数に時間配分が大変だった。
9月1日は学園都市高学院の入試だ。
休む暇など何処にもないが、副学院長になったエリザーテさんが言っていた通り、願書は定員の4倍近く届いている。
……身分に関係なく受験できるので、3分の1は平民のようで嬉しいが、今回の厄災で受験できなくなる者も多いだろう。
ばたばたと過ごしていると、いつの間にか9月も半分が過ぎていた。
覇王・勇者学園・学園都市高学院の合格者も発表し、何とか寮も確保できた。
俺とラリエスを支えてくれる仲間や教員や職員も揃い、学園都市は本格稼働を開始した。
冒険者ギルドと商業ギルド、他のギルドも上手く稼働しているようで、住民の暮らしは安定してきた。
そんな中、冒険者ギルド王都支部から、不可解な報告が届いた。
最近は、大きな魔獣の氾濫も起こらず安堵していたのだが・・・
その内容は、カラ魔石に魔力を充填させるため、Aランク冒険者がティー山脈とセイロン山でいつも通り魔術具を起動させたが、何故かこれまでのように魔力が充填できないというものだった。
学園都市に就職する卒業生は、そのまま学園都市に移動するか、9月10日までに来ることになっている。
他領の高学院卒業生や一般人就職者も、9月12日が正式な仕事始めである。
新婚の4組には、いろいろと準備もあるだろうから3週間のお休みをとってもらった。
高学院から引き抜いた教授は8月末まで、覇王探求部会メンバーは8月25日までに移動するよう指示を出してある。
正直言って時間が足らない。もちろんお金も足らない。
人手も足らないが、7月末に卒業した学園都市高学院のメンバーが、8月から働き始めているので何とか対応できている。
話は遡るが、被災者用のアパートは7月中旬に全て完成し、家を失くした被災者の皆さんは引越しを終えた。
仕事が潤沢にあるので、被災者の中には自力で先に借家を借りた者も多くいて、8月から働く学園都市高学院の卒業生の住む場所が確保できた。
それでもまだ、これから就職する職員のアパートも必要だから、いつもの妖精持ち主要メンバーが、7月中旬に魔力増幅ポーションを飲みながら頑張った。
更地になった被災地に4棟ほど独身者用アパートを建て、中心地を火災から守るため、消火用の水を確保する溜め池を造っておいた。
この2度目のアパート建設時に、俺はアエラボ商会に新しく建設部門を立ち上げた。
学園都市には、残念ながらアパートを建てる資金がなかったからだ。
だから職員アパートは、アエラボ商会が土地を学園都市から購入し、家主として貸し出す。
勿論、頑張ってくれた仲間には、しっかり賃金を支払っている。
そして俺は、資材集めと魔獣の様子を確認するため、ランドルに乗って各地を飛び回った。
大容量のマジックバッグが新しく必要になったので、試しにブラックドラゴンの雄の翼で作ったら、ごっそり魔力を吸い取られた。
……でも、収納できる量は・・・無限かもしれない。
王都の復興も途中なので、林業が盛んな隣国コッタリカ王国へ行き、アエラボ商会として大量に木材を購入した。
現金払いで大量購入だから、当然しっかり値切ったけどさ。
気付けばアエラボ商会は、どんどん大きくなっている。
マジックバッグ部門のドバイン運送は、寝る間がない程の忙しさは相変わらずで、全領地及びニルギリ公国に支店を出店済みである。
建設部門は学園都市を中心に動くので、商業ギルドから人員をお借りした。
余談だが、この素晴らしい建設魔法陣の権利は、3分の1を考案者のマサルーノが、残りはアエラボ商会が持っている。
何せ建設するには、魔力量が100を越えている妖精持ちの人間が10人は必要なので、建設依頼があればアエラボ商会が人員を揃えるしかない。
覇王学園と勇者学園の入試は8月20日で、卒業式で留守だった俺とラリエスに代わり、ボンテンクとログドル王子が取り仕切ってくれた。
翌21日の面接には、なんとか俺とラリエスも間に合ったが、予想以上の人数に時間配分が大変だった。
9月1日は学園都市高学院の入試だ。
休む暇など何処にもないが、副学院長になったエリザーテさんが言っていた通り、願書は定員の4倍近く届いている。
……身分に関係なく受験できるので、3分の1は平民のようで嬉しいが、今回の厄災で受験できなくなる者も多いだろう。
ばたばたと過ごしていると、いつの間にか9月も半分が過ぎていた。
覇王・勇者学園・学園都市高学院の合格者も発表し、何とか寮も確保できた。
俺とラリエスを支えてくれる仲間や教員や職員も揃い、学園都市は本格稼働を開始した。
冒険者ギルドと商業ギルド、他のギルドも上手く稼働しているようで、住民の暮らしは安定してきた。
そんな中、冒険者ギルド王都支部から、不可解な報告が届いた。
最近は、大きな魔獣の氾濫も起こらず安堵していたのだが・・・
その内容は、カラ魔石に魔力を充填させるため、Aランク冒険者がティー山脈とセイロン山でいつも通り魔術具を起動させたが、何故かこれまでのように魔力が充填できないというものだった。
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