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天の導き
324ー2 激流(2)ー2
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ブラックドラゴンはというと、フラフラして上手く飛行できないものの死んではいなかった。
こんな街中で戦闘を繰り広げることはできないので、わざと様子を見て追加攻撃は控える。
……ラリエスが言っていた通り、翼に穴が空いても尻尾が焼け落ちても、しぶとく生きているんだな。
ブラックドラゴンはなんとか逃げようとするが、徐々に落下し始め、遂には王都を囲む堀を過ぎ街を出た所で地面に着地した。
「アコル様、左翼の穴が塞がり始めました!」
エイトがブラックドラゴンの左翼を指さしながら、驚愕の表情で叫んだ。
……信じたくなかったが、本当に再生できるんだ・・・
着地したブラックドラゴンは、直ぐに体の向きを変え、俺たちに向かって炎の攻撃を開始する。
弱っているせいか炎の勢いも威力も大したことはないので、少し離れている俺たちには届かない。それでも、まだ攻撃できることは脅威だ。
……こんなに生命力が強いということは、最初に遭遇したブラックドラゴンは、翼に穴をあけ落下させたはずだけど、もしかしたら死んでないのか?
つい先日、エイトがシルバードラゴンの守護妖精と契約した。
名前はシルバーで、年齢は420歳。珍しい雌雄同体だ。
見た目はうちのユテやトワと同じようにドラゴンっぽくて、体の大きさを手のひらサイズから1.5メートルくらいの大きさに変えられる。
大きくなったシルバーは、尻尾がしゅるんと縮み、手は人間と同じように5本指になり、顔も普通の妖精のように人に似た感じに変化できる。
翼も大きくなり、エイトを抱えて飛ぶことができる。
エイトが一緒だと、攻撃型妖精にチェンジ可能だ。
シルバーの情報によると、ブラックドラゴンには守護妖精は居ないらしい。
一度に5個くらいの卵を産み繁殖力は強いが、10年近く空を飛べないので生存率は高くない。
オスは音の攻撃で魔獣を洗脳し炎の攻撃をするが、メスはどちらもできない。
それでもメスの方が圧倒的に強いのは、メスが同族のオスだけを洗脳できるからだと聞いた。
即ち、オスはメスの指示に従い、子供を守るため邪魔者を排除している、又は、新たな巣を作るための準備をさせられているってことだろうか?
……だが、まるでゲームのように魔獣やグレードラゴンを使って、人間を襲わせる必要はないはずだ。
「エイト、新しく契約したシルバーと、昨日試した【風の刃】は使えそうか?」
『アコル様、使えます! 絶対にブラックドラゴンを倒します!』
シルバーが、エイトのポケットの中から飛び出し大きな声で叫ぶ。
「たぶん大丈夫です。よしシルバー、仲間の仇をとるぞ!」
『了解!』
2人はランドルの籠から飛び降りると、ブラックドラゴンに向かって一緒に並んで走りだす。
エイトの肩には、最初の契約妖精であるトラジャ君が乗っていて、大魔法に備えてスタンバイしている。
ブラックドラゴンに対し、深い恨みを抱いていたシルバーは、長いことこの瞬間を夢に見ていたらしいから、気合も半端ない。
エイトと契約してからすっかり魔力も体力も取り戻し、懸命に魔法攻撃を練習してきた。
シルバーはエイトに魔力を貸すのではなく、一緒に攻撃をするスタイルが好きらしい。かなり特異な妖精だ。
同じドラゴンの守護妖精でも、俺のユテはそんなに攻撃魔法は得意じゃない。
でもシルバードラゴンの守護妖精は、魔力量が多くても瞬間移動ができない。
ランドルが、エイトたちを援護するように弱いファイヤーボールをブラックドラゴンに向けて放ち、意識をこちらに向けてくれる。
ギョエェー!と威嚇するように鳴いたブラックドラゴンは、狙い通り体をランドルに向け直す。
その瞬間を待っていたエイトとシルバーは、ブラックドラゴン目掛けて、ウインドカッターの上位魔法である【風の刃】を放った。
3メートル級の巨大エアーカッターが、無数に乱舞しながら飛んでいく。
こんな街中で戦闘を繰り広げることはできないので、わざと様子を見て追加攻撃は控える。
……ラリエスが言っていた通り、翼に穴が空いても尻尾が焼け落ちても、しぶとく生きているんだな。
ブラックドラゴンはなんとか逃げようとするが、徐々に落下し始め、遂には王都を囲む堀を過ぎ街を出た所で地面に着地した。
「アコル様、左翼の穴が塞がり始めました!」
エイトがブラックドラゴンの左翼を指さしながら、驚愕の表情で叫んだ。
……信じたくなかったが、本当に再生できるんだ・・・
着地したブラックドラゴンは、直ぐに体の向きを変え、俺たちに向かって炎の攻撃を開始する。
弱っているせいか炎の勢いも威力も大したことはないので、少し離れている俺たちには届かない。それでも、まだ攻撃できることは脅威だ。
……こんなに生命力が強いということは、最初に遭遇したブラックドラゴンは、翼に穴をあけ落下させたはずだけど、もしかしたら死んでないのか?
つい先日、エイトがシルバードラゴンの守護妖精と契約した。
名前はシルバーで、年齢は420歳。珍しい雌雄同体だ。
見た目はうちのユテやトワと同じようにドラゴンっぽくて、体の大きさを手のひらサイズから1.5メートルくらいの大きさに変えられる。
大きくなったシルバーは、尻尾がしゅるんと縮み、手は人間と同じように5本指になり、顔も普通の妖精のように人に似た感じに変化できる。
翼も大きくなり、エイトを抱えて飛ぶことができる。
エイトが一緒だと、攻撃型妖精にチェンジ可能だ。
シルバーの情報によると、ブラックドラゴンには守護妖精は居ないらしい。
一度に5個くらいの卵を産み繁殖力は強いが、10年近く空を飛べないので生存率は高くない。
オスは音の攻撃で魔獣を洗脳し炎の攻撃をするが、メスはどちらもできない。
それでもメスの方が圧倒的に強いのは、メスが同族のオスだけを洗脳できるからだと聞いた。
即ち、オスはメスの指示に従い、子供を守るため邪魔者を排除している、又は、新たな巣を作るための準備をさせられているってことだろうか?
……だが、まるでゲームのように魔獣やグレードラゴンを使って、人間を襲わせる必要はないはずだ。
「エイト、新しく契約したシルバーと、昨日試した【風の刃】は使えそうか?」
『アコル様、使えます! 絶対にブラックドラゴンを倒します!』
シルバーが、エイトのポケットの中から飛び出し大きな声で叫ぶ。
「たぶん大丈夫です。よしシルバー、仲間の仇をとるぞ!」
『了解!』
2人はランドルの籠から飛び降りると、ブラックドラゴンに向かって一緒に並んで走りだす。
エイトの肩には、最初の契約妖精であるトラジャ君が乗っていて、大魔法に備えてスタンバイしている。
ブラックドラゴンに対し、深い恨みを抱いていたシルバーは、長いことこの瞬間を夢に見ていたらしいから、気合も半端ない。
エイトと契約してからすっかり魔力も体力も取り戻し、懸命に魔法攻撃を練習してきた。
シルバーはエイトに魔力を貸すのではなく、一緒に攻撃をするスタイルが好きらしい。かなり特異な妖精だ。
同じドラゴンの守護妖精でも、俺のユテはそんなに攻撃魔法は得意じゃない。
でもシルバードラゴンの守護妖精は、魔力量が多くても瞬間移動ができない。
ランドルが、エイトたちを援護するように弱いファイヤーボールをブラックドラゴンに向けて放ち、意識をこちらに向けてくれる。
ギョエェー!と威嚇するように鳴いたブラックドラゴンは、狙い通り体をランドルに向け直す。
その瞬間を待っていたエイトとシルバーは、ブラックドラゴン目掛けて、ウインドカッターの上位魔法である【風の刃】を放った。
3メートル級の巨大エアーカッターが、無数に乱舞しながら飛んでいく。
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