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笑顔と涙
305ー2 魔術具起動(2)ー2
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◇◇ ゴールドカード持ち冒険者 赤のダイキリ ◇◇
そして2時間半後、賢者妖精ロルフ様が、信じたくない知らせを覇王軍本部に運んでこられた。
その知らせを受け、俺たちSランク冒険者3人は、作戦本部である図書室に呼び出された。
「覇王様から知らせが来た。
龍山に向かったブラックドラゴンは、グレードラゴン12頭を洗脳し、洗脳されたグレードラゴンは3頭の小グループに分かれ、東西南北に飛び去った。
西に向かった3頭は、早ければ2時間後に王都を襲う。
北に向かった3頭は覇王様が討伐された。東に向かった3頭を討伐するため、覇王様は現在マギ領に向かわれている。
南のサナへ領やマリード領、コルラド領にも危険が迫っている」
作戦本部で指揮を執るハシム殿が、最悪の事態になってしまったと説明した。
「同時襲撃・・・国内全ての領地をグレードラゴンが襲うということか。
勇者様は? ラリエス君は王都に戻ることはできないのでしょうか?」
青い顔で確認するのは、医療班を率いているリーマス王子だ。
「ラリエス君は、ティー山脈から溢れた体調7メートルを超える亀の変異種と戦っている。
亀の群は、リドミウムの森の魔獣を襲い、新たな魔獣の氾濫を引き起こした。また、数頭が森を抜け町や村を襲撃しているので戻れない」
ハシム殿は勇者も苦戦しているようだと言い、覇王様はこのメンバーと古代魔術具で王都を守れと命令されたと告げた。
王都に向かったグレードラゴンは3頭。
ブラックドラゴンの倍近い巨体が3頭・・・しかも洗脳され正気を失っている。
……最悪だ。魔術具がダメなら、あれを討伐できるのは俺たちしかいない。
作戦本部の図書室に、沈黙が広がる。
半数は絶望を感じ、半数は戦う手段を考え頭をフル稼働させる。
洗脳された魔獣は、町の破壊を目的としているので甚大な被害となるだろう。
「まあ、炎の攻撃をしないだけマシです。
今回は消火活動じゃないから、魔法部の学生は日頃の訓練を実戦で試せます。
この日の為に魔法陣を改良し、補助具も用意しました。腕がなりますね」
不敵な笑みを浮かべ強気な発言をしたのは、この場に居る唯一の覇王軍メンバーであるトゥーリス君だ。
「そうだな。1頭は魔法部の突撃隊に任せてもらおう」と副学院長が言えば、「では、覇王探求部会の古代魔術具隊も1頭担当します」と、ログドル王子が胸を張る。
……これが覇王の仲間なんだ。絶望的な状況にも怯んだりしない。
「残る1頭は、剣聖のプライドに懸けて、私に任せてください。覇王直伝の剣技をお見せしよう」
最強冒険者のリーダーである俺は、学生や技術者に負けじと請け負い、ニヤリと笑って、剣聖と言われる者に相応しい剣を抜いてみせる。
「それじゃあ俺に、古代魔術具隊の護衛を任せてもらおう。風の影響を受けないよう、自慢の魔法陣で防護壁を展開しよう」
俺に続いて前に出たのはギレムットだ。
肩に妖精のカリン君を乗せ、オリジナル魔法陣の紙を取り出し皆に見せる。
妖精と力を合わせ、大魔法である防御魔法に挑戦するようだ。
「地上に落ちたら俺に任せてもらおうか。一瞬でグレードラゴンを6等分してみせるぞ」
腕を組み、ちょっと悪人顔で宣言するのは黒のハーキムだ。
ボンテンク君直伝の【風の刃】は、本当にドラゴンの胴体を切り裂くだろう。
今回は、間違いなく命を懸けた戦いになる。
最上位ランクの冒険者である俺たちが、持てる力を出し尽くしても、生き残れるかどうか分からない。
戦う準備を始めて30分後、再び賢者妖精ロルフ様がやって来た。
そして2時間半後、賢者妖精ロルフ様が、信じたくない知らせを覇王軍本部に運んでこられた。
その知らせを受け、俺たちSランク冒険者3人は、作戦本部である図書室に呼び出された。
「覇王様から知らせが来た。
龍山に向かったブラックドラゴンは、グレードラゴン12頭を洗脳し、洗脳されたグレードラゴンは3頭の小グループに分かれ、東西南北に飛び去った。
西に向かった3頭は、早ければ2時間後に王都を襲う。
北に向かった3頭は覇王様が討伐された。東に向かった3頭を討伐するため、覇王様は現在マギ領に向かわれている。
南のサナへ領やマリード領、コルラド領にも危険が迫っている」
作戦本部で指揮を執るハシム殿が、最悪の事態になってしまったと説明した。
「同時襲撃・・・国内全ての領地をグレードラゴンが襲うということか。
勇者様は? ラリエス君は王都に戻ることはできないのでしょうか?」
青い顔で確認するのは、医療班を率いているリーマス王子だ。
「ラリエス君は、ティー山脈から溢れた体調7メートルを超える亀の変異種と戦っている。
亀の群は、リドミウムの森の魔獣を襲い、新たな魔獣の氾濫を引き起こした。また、数頭が森を抜け町や村を襲撃しているので戻れない」
ハシム殿は勇者も苦戦しているようだと言い、覇王様はこのメンバーと古代魔術具で王都を守れと命令されたと告げた。
王都に向かったグレードラゴンは3頭。
ブラックドラゴンの倍近い巨体が3頭・・・しかも洗脳され正気を失っている。
……最悪だ。魔術具がダメなら、あれを討伐できるのは俺たちしかいない。
作戦本部の図書室に、沈黙が広がる。
半数は絶望を感じ、半数は戦う手段を考え頭をフル稼働させる。
洗脳された魔獣は、町の破壊を目的としているので甚大な被害となるだろう。
「まあ、炎の攻撃をしないだけマシです。
今回は消火活動じゃないから、魔法部の学生は日頃の訓練を実戦で試せます。
この日の為に魔法陣を改良し、補助具も用意しました。腕がなりますね」
不敵な笑みを浮かべ強気な発言をしたのは、この場に居る唯一の覇王軍メンバーであるトゥーリス君だ。
「そうだな。1頭は魔法部の突撃隊に任せてもらおう」と副学院長が言えば、「では、覇王探求部会の古代魔術具隊も1頭担当します」と、ログドル王子が胸を張る。
……これが覇王の仲間なんだ。絶望的な状況にも怯んだりしない。
「残る1頭は、剣聖のプライドに懸けて、私に任せてください。覇王直伝の剣技をお見せしよう」
最強冒険者のリーダーである俺は、学生や技術者に負けじと請け負い、ニヤリと笑って、剣聖と言われる者に相応しい剣を抜いてみせる。
「それじゃあ俺に、古代魔術具隊の護衛を任せてもらおう。風の影響を受けないよう、自慢の魔法陣で防護壁を展開しよう」
俺に続いて前に出たのはギレムットだ。
肩に妖精のカリン君を乗せ、オリジナル魔法陣の紙を取り出し皆に見せる。
妖精と力を合わせ、大魔法である防御魔法に挑戦するようだ。
「地上に落ちたら俺に任せてもらおうか。一瞬でグレードラゴンを6等分してみせるぞ」
腕を組み、ちょっと悪人顔で宣言するのは黒のハーキムだ。
ボンテンク君直伝の【風の刃】は、本当にドラゴンの胴体を切り裂くだろう。
今回は、間違いなく命を懸けた戦いになる。
最上位ランクの冒険者である俺たちが、持てる力を出し尽くしても、生き残れるかどうか分からない。
戦う準備を始めて30分後、再び賢者妖精ロルフ様がやって来た。
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