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指導者たち
147ー1 隊服入札イベントー1
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城の天守から魔鳥が飛び去って一週間後、何の被害もなかった下級地区にある商業ギルド王都支部前広場は、大勢の人で賑わっていた。
本日高学院は外出可能な休日で、大多数の学生や覇王講座に参加している者、教師や職員までも隊服の投票をするため集まっている。
「覇王講座は【魔法攻撃講座】を残すのみとなり、【妖精学講座】では30人が妖精と契約した。
【危機管理指導講座】では、他の班と競わせることにより真剣に学ばざるを得ず、最終日の実践対決では王立高学院のチームが勝利した。
あとは受講者が自領で実践してくれることを願うのみだ」
来賓席と書かれた特等席に座って、ちょっと自慢気に語るのは学院長である。
学院長は時間を作って各講座に潜入し、ペナルティ加算名簿をちらつかせながら、態度の悪い受講者や、講師に対して暴言を吐いたり、あからさまに不真面目な者に、容赦なくペナルティを科していった。
「毎日貼り出される成績表に一喜一憂する大人たちは、まるで学生の頃に戻ったような顔をしておった。
ペナルティ加算者の貼り出しは、一週間もするとほぼ必要なくなった。
あと少しで罰金だったヘイズ領の者たちが、魔獣の氾濫で領地に帰ってしまったのは残念だったな」
副学院長のマキアート教授は、ちょっと悔しそうに言う。
主に【魔法攻撃講座】の採点担当だった教授は、厳しい採点で成績を評価していた。
【魔法攻撃講座】の卒業条件は、Bランク冒険者が使える攻撃を2つマスターするか、魔力量を15プラスさせるかのどちらかを達成しなければならず、まだ半分以上の受講者が残っている。
条件をクリアしているのに任意で残って己を鍛えている者は、Bランク冒険者になって、B級一般魔術師資格の取得を目指している者たちだった。
冒険者なんてとバカにしていた各領地の魔術師たちも、【魔獣討伐専門部隊・魔法部】のエリートたちが躍起になっている姿を見れば、冒険者登録をしなければ損だと思うように変化していった。
「そう言えば、私は古代魔法陣の改良版を2つ覚え、Aランク冒険者の攻撃をマスターし、魔力量が17上がりましたが、3つの古代魔法をマスターされた学院長は、どのくらい魔力量が増えたのですか?」
学院長の隣に座って質問する王立高学院特別部隊のハシム顧問は、40歳でもこれだけ魔力量が増えるとは思っていなかったと言いながら嬉しそうだ。
「ハハハ、まあなんとか20ですハシム殿。
学院長が学生を守れなくてどうするんです? ってアコル様が脅すもんだから必死ですよ。
私の手元にはもう初代覇王様が残された魔術書はありませんが、王族で持っている者が公開した上級魔法は、使えて当たり前だって・・・ハーッ、それはもう鬼のように」
学院長は大きな溜息を吐きながら、俺の指導について愚痴を言う。
「誰が鬼なんですか学院長?」と、俺は背後から声を掛ける。
「あれ、アコル様、着替えは済まれたのですか?」と学院長は笑って誤魔化した。
「おぉーっ、お似合いですアコル様!」と、ハシム殿は俺の隊服姿を見て褒めた。
「ちょっと地味じゃないかな」とマキアート教授は、俺が着ているえんじ色の隊服を見て微妙な顔をした。
「ウッ……残念ながら、私に合うサイズがこれしかなかったんです」って、俺がちょっとやさぐれ気味に言うと、「ああぁ」って3人は納得したように呟いて、俺から視線を逸らした。
……俺は成長期で、これから身長も伸びるんだよ!
「皆様お待たせしました。これより【王立高学院特別部隊】の依頼を受け、王都中の仕立て屋が腕によりをかけて作った隊服を、本物の【王立高学院特別部隊】の学生の皆さんが着て登場します。
国民のために救済活動で頑張っている皆さんに拍手をお願いします」
司会進行は商業ギルド本部のサブギルマスだ。
簡易ステージを作り、王都支部前広場を囲むように屋台を出し、溢れんばかりの人の波と観客を見て満足そうな顔をしたサブギルマスは、ステージに登場してきた学生たちに拍手をおくる。
観客たちは割れんばかりの拍手をしながら、次々と登場してくる学生たちと隊服に目が釘付けになる。
「キャー、かっこいい!」とか「素敵!」とあちらこちらから華やいだ声が上がる。
庶民にとって王立高学院の学生はエリートであり、貴族であり、憧れの存在である。
その中でも【王立高学院特別部隊】は、王都民から絶大な評価と信頼を得ており大人気だった。
また、【王立高学院特別部隊】は、子供たちにとってヒーローでありヒロインであり、貴族なのに弱者を助ける英雄のような存在となっていた。
基本的に高位貴族であるほど美男美女だ。普段の制服姿もまあまあだけど、数種類の練りに練ったデザインの隊服は、学生たちを普段よりもずっと格好良く見せていた。
「午前中に【王立高学院特別部隊】の皆さんの投票は終わっています。
【王立高学院特別部隊】の活動寄付金として、銅貨5枚(500円)を払って投票用紙を買った方は、学生さんが手に持っている番号札を見て、気に入った隊服の番号を記入し投票箱に入れてください。
締め切り時間は30分後です」
再び大きな声で、サブギルマスが5箇所に設置されている投票箱を指さす。
学生たちはやや恥ずかしそうにしながらも、自分が着ている隊服に投票してもらおうと笑顔を向けたり手を振ったりする。
中には気に入った男子学生にお菓子を渡す少女がいたり、女子学生に花束を渡す男性もいた。
……みんな格好いいし、美人だからモテモテだな。
隊服のデザイン画は全部で4種類だったけど、其々の店がそれにプラスして、素敵なボタンをつけたり、ポケットに縁取りしたり、紋章の刺繡糸をカラフルにしたりと工夫し、色を自由でよいと変更したので、同じデザインでも違って見えた。
会場は完全にお祭り騒ぎになっている。
王都では年に3回、春を喜ぶ【妖精祭り】3月・【収穫祭】10月・【国王の誕生祭】があるけど、最近暗い話題の多かった王都民は、今回の参加型イベント開催をとても楽しみにしていた。
もしかしたら、覇王様にお会いできるかもしれないと期待して。
「結果発表は、入札金額と厳正な開票結果を元に、二日後の正午、商業ギルド本部と支部の掲示板で発表します。
コホン、これより、覇王様が【覇王軍任命式】を行われます。皆は礼をとりお迎えするように」
投票時間終了後サブギルマスは、王都民に知らせていなかったサプライズイベントの開催を、厳粛な感じで告げた。
「ワーッ!」と大歓声が上がり、人々は歓喜する。
「キャーッ、覇王様よ」とか「覇王様にお会いできるなんて」とか「来て良かった!」と喜びながら、ステージの前に皆が移動し始める。
「覇王様の御前で、ケガ人を出すわけにはまいりません。
騒がず落ち着いて、子供は前に座り、女性やお年寄りはその後ろに立ってください。決して後ろから押したりしないようお願いします」
サブギルマスは落ち着くよう注意し、王都支部のギルド職員は、混乱しないよう人々を誘導していく。
後ろの人たちからも見えるよう、ステージは少し高めに設置されていた。
本日高学院は外出可能な休日で、大多数の学生や覇王講座に参加している者、教師や職員までも隊服の投票をするため集まっている。
「覇王講座は【魔法攻撃講座】を残すのみとなり、【妖精学講座】では30人が妖精と契約した。
【危機管理指導講座】では、他の班と競わせることにより真剣に学ばざるを得ず、最終日の実践対決では王立高学院のチームが勝利した。
あとは受講者が自領で実践してくれることを願うのみだ」
来賓席と書かれた特等席に座って、ちょっと自慢気に語るのは学院長である。
学院長は時間を作って各講座に潜入し、ペナルティ加算名簿をちらつかせながら、態度の悪い受講者や、講師に対して暴言を吐いたり、あからさまに不真面目な者に、容赦なくペナルティを科していった。
「毎日貼り出される成績表に一喜一憂する大人たちは、まるで学生の頃に戻ったような顔をしておった。
ペナルティ加算者の貼り出しは、一週間もするとほぼ必要なくなった。
あと少しで罰金だったヘイズ領の者たちが、魔獣の氾濫で領地に帰ってしまったのは残念だったな」
副学院長のマキアート教授は、ちょっと悔しそうに言う。
主に【魔法攻撃講座】の採点担当だった教授は、厳しい採点で成績を評価していた。
【魔法攻撃講座】の卒業条件は、Bランク冒険者が使える攻撃を2つマスターするか、魔力量を15プラスさせるかのどちらかを達成しなければならず、まだ半分以上の受講者が残っている。
条件をクリアしているのに任意で残って己を鍛えている者は、Bランク冒険者になって、B級一般魔術師資格の取得を目指している者たちだった。
冒険者なんてとバカにしていた各領地の魔術師たちも、【魔獣討伐専門部隊・魔法部】のエリートたちが躍起になっている姿を見れば、冒険者登録をしなければ損だと思うように変化していった。
「そう言えば、私は古代魔法陣の改良版を2つ覚え、Aランク冒険者の攻撃をマスターし、魔力量が17上がりましたが、3つの古代魔法をマスターされた学院長は、どのくらい魔力量が増えたのですか?」
学院長の隣に座って質問する王立高学院特別部隊のハシム顧問は、40歳でもこれだけ魔力量が増えるとは思っていなかったと言いながら嬉しそうだ。
「ハハハ、まあなんとか20ですハシム殿。
学院長が学生を守れなくてどうするんです? ってアコル様が脅すもんだから必死ですよ。
私の手元にはもう初代覇王様が残された魔術書はありませんが、王族で持っている者が公開した上級魔法は、使えて当たり前だって・・・ハーッ、それはもう鬼のように」
学院長は大きな溜息を吐きながら、俺の指導について愚痴を言う。
「誰が鬼なんですか学院長?」と、俺は背後から声を掛ける。
「あれ、アコル様、着替えは済まれたのですか?」と学院長は笑って誤魔化した。
「おぉーっ、お似合いですアコル様!」と、ハシム殿は俺の隊服姿を見て褒めた。
「ちょっと地味じゃないかな」とマキアート教授は、俺が着ているえんじ色の隊服を見て微妙な顔をした。
「ウッ……残念ながら、私に合うサイズがこれしかなかったんです」って、俺がちょっとやさぐれ気味に言うと、「ああぁ」って3人は納得したように呟いて、俺から視線を逸らした。
……俺は成長期で、これから身長も伸びるんだよ!
「皆様お待たせしました。これより【王立高学院特別部隊】の依頼を受け、王都中の仕立て屋が腕によりをかけて作った隊服を、本物の【王立高学院特別部隊】の学生の皆さんが着て登場します。
国民のために救済活動で頑張っている皆さんに拍手をお願いします」
司会進行は商業ギルド本部のサブギルマスだ。
簡易ステージを作り、王都支部前広場を囲むように屋台を出し、溢れんばかりの人の波と観客を見て満足そうな顔をしたサブギルマスは、ステージに登場してきた学生たちに拍手をおくる。
観客たちは割れんばかりの拍手をしながら、次々と登場してくる学生たちと隊服に目が釘付けになる。
「キャー、かっこいい!」とか「素敵!」とあちらこちらから華やいだ声が上がる。
庶民にとって王立高学院の学生はエリートであり、貴族であり、憧れの存在である。
その中でも【王立高学院特別部隊】は、王都民から絶大な評価と信頼を得ており大人気だった。
また、【王立高学院特別部隊】は、子供たちにとってヒーローでありヒロインであり、貴族なのに弱者を助ける英雄のような存在となっていた。
基本的に高位貴族であるほど美男美女だ。普段の制服姿もまあまあだけど、数種類の練りに練ったデザインの隊服は、学生たちを普段よりもずっと格好良く見せていた。
「午前中に【王立高学院特別部隊】の皆さんの投票は終わっています。
【王立高学院特別部隊】の活動寄付金として、銅貨5枚(500円)を払って投票用紙を買った方は、学生さんが手に持っている番号札を見て、気に入った隊服の番号を記入し投票箱に入れてください。
締め切り時間は30分後です」
再び大きな声で、サブギルマスが5箇所に設置されている投票箱を指さす。
学生たちはやや恥ずかしそうにしながらも、自分が着ている隊服に投票してもらおうと笑顔を向けたり手を振ったりする。
中には気に入った男子学生にお菓子を渡す少女がいたり、女子学生に花束を渡す男性もいた。
……みんな格好いいし、美人だからモテモテだな。
隊服のデザイン画は全部で4種類だったけど、其々の店がそれにプラスして、素敵なボタンをつけたり、ポケットに縁取りしたり、紋章の刺繡糸をカラフルにしたりと工夫し、色を自由でよいと変更したので、同じデザインでも違って見えた。
会場は完全にお祭り騒ぎになっている。
王都では年に3回、春を喜ぶ【妖精祭り】3月・【収穫祭】10月・【国王の誕生祭】があるけど、最近暗い話題の多かった王都民は、今回の参加型イベント開催をとても楽しみにしていた。
もしかしたら、覇王様にお会いできるかもしれないと期待して。
「結果発表は、入札金額と厳正な開票結果を元に、二日後の正午、商業ギルド本部と支部の掲示板で発表します。
コホン、これより、覇王様が【覇王軍任命式】を行われます。皆は礼をとりお迎えするように」
投票時間終了後サブギルマスは、王都民に知らせていなかったサプライズイベントの開催を、厳粛な感じで告げた。
「ワーッ!」と大歓声が上がり、人々は歓喜する。
「キャーッ、覇王様よ」とか「覇王様にお会いできるなんて」とか「来て良かった!」と喜びながら、ステージの前に皆が移動し始める。
「覇王様の御前で、ケガ人を出すわけにはまいりません。
騒がず落ち着いて、子供は前に座り、女性やお年寄りはその後ろに立ってください。決して後ろから押したりしないようお願いします」
サブギルマスは落ち着くよう注意し、王都支部のギルド職員は、混乱しないよう人々を誘導していく。
後ろの人たちからも見えるよう、ステージは少し高めに設置されていた。
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