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貴族たちの願望
104ー2 交錯する思惑 マギ公爵領(3)ー2
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興味本位で大事な会議に出るのはご遠慮願いたい。
「君は学生かな?」
「はい、俺は王立高学院特別部隊に所属する魔法部の学生ですギルマス。
冒険者ランクはCですが、魔法攻撃には多少自信があります。
俺もチェルシー先輩も、Sランク冒険者のアコルから、魔法攻撃を伝授されています」
「はっ? アコルから?」
良く知っている規格外の少年、アコルの名前が出てきて驚いた。
そう言えばアコルは王立高学院に入学し、王立高学院特別部隊なるものを作ったと、王都支部のダルトンが手紙で知らせてきていた。
「もしもAランク冒険者の数が足りないようなら、俺とチェルシー先輩は王立高学院特別部隊として参加するので、変異種を任せてもらえませんか?」
……はあ? 変異種を任せて欲しい? いやいや無理だから、死ぬぞ。
俺は呆れたというか、世間知らずにも程がある少年を見て、ああ、これは魔術師だから変異種も倒せると思っているボンボンなんだと判断した。
この場に居た者も全員、ムッとした表情で少年を軽く睨む。
ちゃっちゃと追い出して会議を始めようと思ったが、あのアコルから魔法攻撃を伝授されたと言ったことを思い出し止めた。
「トラジャ君、出ておいで。チェルシー先輩もどうぞ」と、エイトという名前らしい少年は、チェルシーちゃんの隣に立ち、誰かの名を呼んだ。
すると、ふわりと優雅に飛びながら、男の子の妖精が姿を現した。
「はあ?」と俺は思わず声が出て、皆も驚いて目を見張る。
すると今度はチェルシーちゃんが立ち上がり「ミント君」と名を呼んだ。
……な、何だこれは? 俺は夢でも見てるのか? 妖精が2人だと!
「俺たち王立高学院特別部隊は、救済活動もしていますが、本来はドラゴンと戦うためアコルが作った組織です。
妖精と契約している学生や教師は他にも数人います。
まだ駆け出しですが、攻撃に特化した魔法の練習もしています。
先日魔力量が100を超えたので、契約妖精との連携をとる訓練も兼ね、変異種と戦わせてください」
「私も王立高学院特別部隊として戦います。私もミント君と力を合わせて頑張ります」
どうやら冗談や遊びではなく、2人は本気で変異種を倒す気だ。
アコルの奴、いったいどんな学院生活をしてるんだよ!
妖精と連携するって、覇王軍の真似か? 俺の常識が崩れていくような気がするんだが、気のせいだよな?
「分かった。そこまで言うなら実力を見せてもらおう! その前に確認するが二人とも貴族だよな? 命を懸けても大丈夫なのか?」
「勿論ですわ」と、チェルシーちゃんが即答する。うん、そんな気がしてた。
「勿論です。貴族として領主の子息として、出来ることをするのは当然のことです。俺の名はエイト・アルベルト・マギですから」
「「「 はあ? マギ! 」」」と全員の声が揃った。
そこからの時間は驚きの連続で、2人に見せられた攻撃魔法は想像を遥かに超えていた。
マギ公爵の子息エイト君は、ドラゴントルネードで冒険者ギルドの古いレンガの倉庫を吹き飛ばし、これに火を加えたらドラゴンファイヤートルネードになりますと言って、ギルドの建物まで破壊するのかとビビるほどの攻撃魔法を見せつけ実力を示した。
この世の終わりかってくらい緊張してギルドに集まってきていた奴等は、日が暮れた演習場に赤々と燃える炎の竜巻を見て絶句した。
演習場の地面や備品は、きっと大変なことになっている気がするが、暗いから深く考えるのは止めよう。そんなものはスノーウルフを倒してからでいい。
しばらく呆けていた見学人は、これなら変異種に勝てるのではないかと思い、徐々に笑顔になり、仕舞いには拳を突き上げて大歓声となった。
……いや、俺も思わずニヤリとしたよ。もしかしたらもしかするんじゃねえかと思ってさ。
だって、化け物みたいな目の前の学生は、この町の領主の娘と、このマギ領の公爵の子息だぜ。
妖精と契約できるのは、レイム公爵家とサナへ侯爵家の専売特許みたいなものだったのに、アコルの奴、長い歴史を簡単に打ち破り、マギ領の貴族にまで妖精と契約させやがった!
それがマギ領にとって、いや、冒険者ギルド龍山支部にとって、どんだけ心強いかってことだよ。
……なんてことしてるんだよ! 上位貴族の学生まで冒険者登録させ、王立高学院特別部隊で鍛えてドラゴンに備えるなんて、お前は本当に何者なんだアコル?
そして翌朝、太陽が昇る少し前にスノーウルフは活動を開始した。
町の住民にはスノーウルフが討伐できるまで、決して家から出るなと昨夜の内から指示を出し、役場の人間は町を巡回し、登山口に近い場所に家が在る者たちを集会所に避難させた。
俺を先頭に龍山に向かう冒険者の数は40人。ギルドと町を守る為に残した冒険者は30人。
登山口の手前には、高さ5メートルの頑丈な石壁が4キロに渡って続いている。この生命線を越えさせる訳にはいかない。
何せ今回は、2人の学生に命運を託すから、せめて変異種以外のスノーウルフは、ベテラン冒険者の意地とプライドに懸けて討伐せねばならない。
斥候の報告では、山を下りてきた群の数は半分の10頭で、リーダーである変異種は少し遅れて付いてきているらしい。
俺たちは町を守る壁を背に、登山口まで500メートルの地点で迎え撃つ。
「いいかお前ら! ヤツラの跳躍力は半端ねえぞ。むやみに突っ込まず、飛んだところを狙ってエアーカッターを放て!
上手く腹に当てた奴には報奨金を上乗せしてやる。思う存分戦いやがれ!」
俺は皆を鼓舞するように大声で叫び、マジックバッグの中から大鉈を取り出す。
チェルシーちゃんから聞いたアコルの戦い方を参考に、跳躍した腹を狙う作戦でいく。
ビビりには絶対に無理な作戦だが、女の子の前で無様な姿は曝せねえと、ベテランが腕をまくる。
そして気付けば、10頭のスノーウルフを殲滅し、残っていた10頭は山を登って逃げていった。
変異種はチェルシーちゃんの電撃で動きを止められ、エイト君のドラゴンファイヤートルネードで炭になった。
「あああぁぁーっ! 毛皮が、肉が、牙まで・・・何も残ってなーい!」と叫んだエイト君は崩れ落ち、地面を叩きながら悔し涙を流している。
なんでもアコルに見せたかったらしい。
証拠の戦利品は残らなかったが、2人のランクはCからCBへとアップし、ひとり金貨5枚を稼いだ。
冒険者ギルド龍山支部で、王立高学院特別部隊の人気が爆上がりしたのは言うまでもない。
そして、この時の2人の活躍の実話は、半年後に子供用の絵本になり大人気の話となる。
「君は学生かな?」
「はい、俺は王立高学院特別部隊に所属する魔法部の学生ですギルマス。
冒険者ランクはCですが、魔法攻撃には多少自信があります。
俺もチェルシー先輩も、Sランク冒険者のアコルから、魔法攻撃を伝授されています」
「はっ? アコルから?」
良く知っている規格外の少年、アコルの名前が出てきて驚いた。
そう言えばアコルは王立高学院に入学し、王立高学院特別部隊なるものを作ったと、王都支部のダルトンが手紙で知らせてきていた。
「もしもAランク冒険者の数が足りないようなら、俺とチェルシー先輩は王立高学院特別部隊として参加するので、変異種を任せてもらえませんか?」
……はあ? 変異種を任せて欲しい? いやいや無理だから、死ぬぞ。
俺は呆れたというか、世間知らずにも程がある少年を見て、ああ、これは魔術師だから変異種も倒せると思っているボンボンなんだと判断した。
この場に居た者も全員、ムッとした表情で少年を軽く睨む。
ちゃっちゃと追い出して会議を始めようと思ったが、あのアコルから魔法攻撃を伝授されたと言ったことを思い出し止めた。
「トラジャ君、出ておいで。チェルシー先輩もどうぞ」と、エイトという名前らしい少年は、チェルシーちゃんの隣に立ち、誰かの名を呼んだ。
すると、ふわりと優雅に飛びながら、男の子の妖精が姿を現した。
「はあ?」と俺は思わず声が出て、皆も驚いて目を見張る。
すると今度はチェルシーちゃんが立ち上がり「ミント君」と名を呼んだ。
……な、何だこれは? 俺は夢でも見てるのか? 妖精が2人だと!
「俺たち王立高学院特別部隊は、救済活動もしていますが、本来はドラゴンと戦うためアコルが作った組織です。
妖精と契約している学生や教師は他にも数人います。
まだ駆け出しですが、攻撃に特化した魔法の練習もしています。
先日魔力量が100を超えたので、契約妖精との連携をとる訓練も兼ね、変異種と戦わせてください」
「私も王立高学院特別部隊として戦います。私もミント君と力を合わせて頑張ります」
どうやら冗談や遊びではなく、2人は本気で変異種を倒す気だ。
アコルの奴、いったいどんな学院生活をしてるんだよ!
妖精と連携するって、覇王軍の真似か? 俺の常識が崩れていくような気がするんだが、気のせいだよな?
「分かった。そこまで言うなら実力を見せてもらおう! その前に確認するが二人とも貴族だよな? 命を懸けても大丈夫なのか?」
「勿論ですわ」と、チェルシーちゃんが即答する。うん、そんな気がしてた。
「勿論です。貴族として領主の子息として、出来ることをするのは当然のことです。俺の名はエイト・アルベルト・マギですから」
「「「 はあ? マギ! 」」」と全員の声が揃った。
そこからの時間は驚きの連続で、2人に見せられた攻撃魔法は想像を遥かに超えていた。
マギ公爵の子息エイト君は、ドラゴントルネードで冒険者ギルドの古いレンガの倉庫を吹き飛ばし、これに火を加えたらドラゴンファイヤートルネードになりますと言って、ギルドの建物まで破壊するのかとビビるほどの攻撃魔法を見せつけ実力を示した。
この世の終わりかってくらい緊張してギルドに集まってきていた奴等は、日が暮れた演習場に赤々と燃える炎の竜巻を見て絶句した。
演習場の地面や備品は、きっと大変なことになっている気がするが、暗いから深く考えるのは止めよう。そんなものはスノーウルフを倒してからでいい。
しばらく呆けていた見学人は、これなら変異種に勝てるのではないかと思い、徐々に笑顔になり、仕舞いには拳を突き上げて大歓声となった。
……いや、俺も思わずニヤリとしたよ。もしかしたらもしかするんじゃねえかと思ってさ。
だって、化け物みたいな目の前の学生は、この町の領主の娘と、このマギ領の公爵の子息だぜ。
妖精と契約できるのは、レイム公爵家とサナへ侯爵家の専売特許みたいなものだったのに、アコルの奴、長い歴史を簡単に打ち破り、マギ領の貴族にまで妖精と契約させやがった!
それがマギ領にとって、いや、冒険者ギルド龍山支部にとって、どんだけ心強いかってことだよ。
……なんてことしてるんだよ! 上位貴族の学生まで冒険者登録させ、王立高学院特別部隊で鍛えてドラゴンに備えるなんて、お前は本当に何者なんだアコル?
そして翌朝、太陽が昇る少し前にスノーウルフは活動を開始した。
町の住民にはスノーウルフが討伐できるまで、決して家から出るなと昨夜の内から指示を出し、役場の人間は町を巡回し、登山口に近い場所に家が在る者たちを集会所に避難させた。
俺を先頭に龍山に向かう冒険者の数は40人。ギルドと町を守る為に残した冒険者は30人。
登山口の手前には、高さ5メートルの頑丈な石壁が4キロに渡って続いている。この生命線を越えさせる訳にはいかない。
何せ今回は、2人の学生に命運を託すから、せめて変異種以外のスノーウルフは、ベテラン冒険者の意地とプライドに懸けて討伐せねばならない。
斥候の報告では、山を下りてきた群の数は半分の10頭で、リーダーである変異種は少し遅れて付いてきているらしい。
俺たちは町を守る壁を背に、登山口まで500メートルの地点で迎え撃つ。
「いいかお前ら! ヤツラの跳躍力は半端ねえぞ。むやみに突っ込まず、飛んだところを狙ってエアーカッターを放て!
上手く腹に当てた奴には報奨金を上乗せしてやる。思う存分戦いやがれ!」
俺は皆を鼓舞するように大声で叫び、マジックバッグの中から大鉈を取り出す。
チェルシーちゃんから聞いたアコルの戦い方を参考に、跳躍した腹を狙う作戦でいく。
ビビりには絶対に無理な作戦だが、女の子の前で無様な姿は曝せねえと、ベテランが腕をまくる。
そして気付けば、10頭のスノーウルフを殲滅し、残っていた10頭は山を登って逃げていった。
変異種はチェルシーちゃんの電撃で動きを止められ、エイト君のドラゴンファイヤートルネードで炭になった。
「あああぁぁーっ! 毛皮が、肉が、牙まで・・・何も残ってなーい!」と叫んだエイト君は崩れ落ち、地面を叩きながら悔し涙を流している。
なんでもアコルに見せたかったらしい。
証拠の戦利品は残らなかったが、2人のランクはCからCBへとアップし、ひとり金貨5枚を稼いだ。
冒険者ギルド龍山支部で、王立高学院特別部隊の人気が爆上がりしたのは言うまでもない。
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