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高学院 1年生
52ー2 アコル、喧嘩を売る(3)ー2
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昼食時間ギリギリで高学院に戻った俺は、ご飯を急いで食べて学院長の執務室に向かうことにした。
本来なら講義を受けているはずの学生が、堂々と学院長の執務室のドアをノックするのは常識外かもしれない。なんてことを考えたら笑えた。
自分の頭の中に描いている救済活動を遂行させるため、俺は予定通り王族を脅そうと「アコルです」と声を掛け、学院長の執務室に入室した。
そこには、頭を抱えた学院長とトーマス王子(第三王子)、ルフナ王子(第六王子)、リーマス王子(第五王子)、マキアート教授が居た。
テーブルの上には、俺が提出した【魔術師制度改革案】と【高学院大改革案】と【クラス対抗戦】に関する書類が置いてある。
どうやら学院長もトーマス王子も、重い腰を上げたようだ。
その書類を完全に無視して、初めてお会いしたリーマス王子に挨拶をして、部屋の隅に置いてあった椅子を持って、ルフナ王子の隣にちゃっかりと座った。
「難題の元凶が来たぞ」とマキアート教授が俺を睨む。
「先程呼び出したら、特別事由欠席届を出して外出したとカモン教授に言われたが、お前は何処に行っていたんだアコル」
呆れたような顔をして訊ねる学院長に、俺も呆れたような顔と声で答える。
「何処にって、冒険者ギルドに決まってるじゃないですか。ドラゴンが襲撃してきたのに、他に何処に行くって言うんです?」
「な、何故それを? 冒険者ギルドから招集が来たのか?」
「いいえトーマス王子、うちの可愛いエクレアが教えてくれたんですよ。妖精には特別なネットワークがあるようですから。
それに、冒険者としても、モンブラン商会の商会員としても、ドラゴンの襲撃で被災した人たちの救済をどうするのか、早急に考える必要があるでしょう?
王族であれば、当然、具体的な救済内容を考えられていると思いますが、微力ながら私も出来ることをしようと努力していたんです」
当然でしょうという顔をして、俺は極上の笑顔を皆さんに向けた。
「・・・・・」
執務室に居た五人は、キョトンとした表情で俺を見る二人と、ばつの悪そうな顔で視線を逸らす者とに分かれた。
どちらも被災者の救済なんて、全く考えていなかったことがまる分かりだ。
「僕たちは、アコルが出した魔法師制度改革案とかクラス替え、クラス対抗戦について苦慮していたんだけど、アコルは冒険者ギルドに行っていたのか?」
「そうですよルフナ王子。私は冒険者で、魔獣の上位種や変異種を単独で討伐できる証として、ブラックカードを持っています。
ドラゴンの話と、襲撃された街の様子を確認するため、ギルドマスターと話し合いをしてきました」
「ブラックカード? それって、Sランク冒険者が持っているというアレ?」
「そうですね、残念ながら私はまだASランクですが、来年にはSランクかな」
色々と秘密にしてきたことを、俺はさらりとルフナ王子に暴露していく。
人は弱者に対して尊大になり、見下す傾向があるが、身分差があっても強者だと分かると、頭ごなしに意見を否定され難くなる。
だから意図して自分を曝け出す。
そしてこの場をリードするため、俺はとっておきの奥の手を出すことにした。
「エクレア」と、うちの自慢の子を呼び出す。
ふわりふわりと飛びながら、可愛くて愛らしい姿を現すと、初めて会うルフナ王子とリーマス王子の周りをくるりと回り、俺の肩に着地して挨拶を始めた。
二人はキラキラと瞳を輝かせ、エクレアの動きを追うよに視線を向ける。
「初めましてリーマス王子、ルフナ王子。私はアコルの契約妖精でエクレアと言います。よろしくね。
ねえアコル、少し皆さんとお話ししてもいいかしら?」
「いいよエクレア。できたら妖精との契約について少し教えてくれる?」
「分かったわアコル。
リーマス王子は命【緑】の適性が多いから、きっと可愛い女の子の妖精との契約出来るわ。
学院の庭に薬草園を作ってお世話したら、きっと近付いてきてくれるわね。
妖精と契約出来たら、薬草作りもポーション作りも、今よりもっと簡単にできるようになるわ。
リーマス王子は、自分で作った薬やポーションで、多くの人を助ける素晴らしい力を持っているわ。
それにルフナ王子は、知【紫】の適性が高いから、私の友達の女の子の妖精を紹介したいわ。
でも、そのためには図書館に通って、妖精を守る姿勢を見せなきゃ……そうねえ、妖精を守るために、ドラゴンや魔獣と戦う方法を調べたりするといいかもね。
友達になったら、彼女は本を読んでくれるし、自分の知識を教えてくれるかもしれないわ。
契約出来たら、とっても可愛い姿を、毎日見ることが出来るわ。
あら、トーマス王子、命の適性が全く伸びていないのね。
光【黄】と命【緑】の適性を伸ばすには、困っている人を助けたり、ケガ人の手当をしたり、飢えた人に食料を分け与えたりすると、その行いを知った高位の妖精が認めて協力してくれるかもしれないわ。
トーマス王子は、将来多くの人の上に立つことになるから、契約する妖精も高位の方がいいと思うわ。簡単じゃないけど頑張ってね。
そうそう学院長、オペラと契約したいなら、音楽で被災者を癒してあげたりするといいんじゃない。
それとマキアート教授、アコルが補助部屋で生活してるから、たくさんの妖精が研究室を守ってくれてるの。姿が見えなくても、みんなマキアート教授が大好きだわ」
……素晴らしい! 完璧だよエクレア。そんなに可愛い声で希望を与えるなんて、本当に頼れるパートナーだね。ありがとう。俺の頼みを聞いてくれて。
五人はエクレアを崇めるように見ながら、「私が多くの人を助ける力を持っている?」とか「本を読んでくれて、可愛い姿を毎日見れる?」とか「多くの人の上に立つ? 高位の妖精と契約するために人を助ける?」とか「癒しの音楽」ってブツブツ呟いてる。
マキアート教授も「そう言えば時々、風もないのにカーテンが揺れたりする。あれは、幽霊じゃなくて妖精だったんだ! そうかそうか、私のことが大好きかぁ」って、ニヤニヤと嬉しそうだ。
「で、何の話だったかなアコル?」と、思い出したように学院長が訊く。
さあ、ここからが本番。
冒険者ギルトとモンブラン商会で話した内容を実現させるためのプレゼンテーションを始めよう。
絶対に了承させて、学生たちをドラゴンに襲撃された町レブラクトに連れていく。
誰にも現実逃避なんてさせない。これは現実で、高学院がドラゴンに襲撃されるのは明日かもしれないと、恐怖を刷り込まねばならない。
生きるためには戦うしかないと意識を変えさせる。
そして、自分には与えられた役割分担があり、その使命を果たさなければ負けるのだと、これからの訓練と対抗戦で身をもって学んでもらう。
本来なら講義を受けているはずの学生が、堂々と学院長の執務室のドアをノックするのは常識外かもしれない。なんてことを考えたら笑えた。
自分の頭の中に描いている救済活動を遂行させるため、俺は予定通り王族を脅そうと「アコルです」と声を掛け、学院長の執務室に入室した。
そこには、頭を抱えた学院長とトーマス王子(第三王子)、ルフナ王子(第六王子)、リーマス王子(第五王子)、マキアート教授が居た。
テーブルの上には、俺が提出した【魔術師制度改革案】と【高学院大改革案】と【クラス対抗戦】に関する書類が置いてある。
どうやら学院長もトーマス王子も、重い腰を上げたようだ。
その書類を完全に無視して、初めてお会いしたリーマス王子に挨拶をして、部屋の隅に置いてあった椅子を持って、ルフナ王子の隣にちゃっかりと座った。
「難題の元凶が来たぞ」とマキアート教授が俺を睨む。
「先程呼び出したら、特別事由欠席届を出して外出したとカモン教授に言われたが、お前は何処に行っていたんだアコル」
呆れたような顔をして訊ねる学院長に、俺も呆れたような顔と声で答える。
「何処にって、冒険者ギルドに決まってるじゃないですか。ドラゴンが襲撃してきたのに、他に何処に行くって言うんです?」
「な、何故それを? 冒険者ギルドから招集が来たのか?」
「いいえトーマス王子、うちの可愛いエクレアが教えてくれたんですよ。妖精には特別なネットワークがあるようですから。
それに、冒険者としても、モンブラン商会の商会員としても、ドラゴンの襲撃で被災した人たちの救済をどうするのか、早急に考える必要があるでしょう?
王族であれば、当然、具体的な救済内容を考えられていると思いますが、微力ながら私も出来ることをしようと努力していたんです」
当然でしょうという顔をして、俺は極上の笑顔を皆さんに向けた。
「・・・・・」
執務室に居た五人は、キョトンとした表情で俺を見る二人と、ばつの悪そうな顔で視線を逸らす者とに分かれた。
どちらも被災者の救済なんて、全く考えていなかったことがまる分かりだ。
「僕たちは、アコルが出した魔法師制度改革案とかクラス替え、クラス対抗戦について苦慮していたんだけど、アコルは冒険者ギルドに行っていたのか?」
「そうですよルフナ王子。私は冒険者で、魔獣の上位種や変異種を単独で討伐できる証として、ブラックカードを持っています。
ドラゴンの話と、襲撃された街の様子を確認するため、ギルドマスターと話し合いをしてきました」
「ブラックカード? それって、Sランク冒険者が持っているというアレ?」
「そうですね、残念ながら私はまだASランクですが、来年にはSランクかな」
色々と秘密にしてきたことを、俺はさらりとルフナ王子に暴露していく。
人は弱者に対して尊大になり、見下す傾向があるが、身分差があっても強者だと分かると、頭ごなしに意見を否定され難くなる。
だから意図して自分を曝け出す。
そしてこの場をリードするため、俺はとっておきの奥の手を出すことにした。
「エクレア」と、うちの自慢の子を呼び出す。
ふわりふわりと飛びながら、可愛くて愛らしい姿を現すと、初めて会うルフナ王子とリーマス王子の周りをくるりと回り、俺の肩に着地して挨拶を始めた。
二人はキラキラと瞳を輝かせ、エクレアの動きを追うよに視線を向ける。
「初めましてリーマス王子、ルフナ王子。私はアコルの契約妖精でエクレアと言います。よろしくね。
ねえアコル、少し皆さんとお話ししてもいいかしら?」
「いいよエクレア。できたら妖精との契約について少し教えてくれる?」
「分かったわアコル。
リーマス王子は命【緑】の適性が多いから、きっと可愛い女の子の妖精との契約出来るわ。
学院の庭に薬草園を作ってお世話したら、きっと近付いてきてくれるわね。
妖精と契約出来たら、薬草作りもポーション作りも、今よりもっと簡単にできるようになるわ。
リーマス王子は、自分で作った薬やポーションで、多くの人を助ける素晴らしい力を持っているわ。
それにルフナ王子は、知【紫】の適性が高いから、私の友達の女の子の妖精を紹介したいわ。
でも、そのためには図書館に通って、妖精を守る姿勢を見せなきゃ……そうねえ、妖精を守るために、ドラゴンや魔獣と戦う方法を調べたりするといいかもね。
友達になったら、彼女は本を読んでくれるし、自分の知識を教えてくれるかもしれないわ。
契約出来たら、とっても可愛い姿を、毎日見ることが出来るわ。
あら、トーマス王子、命の適性が全く伸びていないのね。
光【黄】と命【緑】の適性を伸ばすには、困っている人を助けたり、ケガ人の手当をしたり、飢えた人に食料を分け与えたりすると、その行いを知った高位の妖精が認めて協力してくれるかもしれないわ。
トーマス王子は、将来多くの人の上に立つことになるから、契約する妖精も高位の方がいいと思うわ。簡単じゃないけど頑張ってね。
そうそう学院長、オペラと契約したいなら、音楽で被災者を癒してあげたりするといいんじゃない。
それとマキアート教授、アコルが補助部屋で生活してるから、たくさんの妖精が研究室を守ってくれてるの。姿が見えなくても、みんなマキアート教授が大好きだわ」
……素晴らしい! 完璧だよエクレア。そんなに可愛い声で希望を与えるなんて、本当に頼れるパートナーだね。ありがとう。俺の頼みを聞いてくれて。
五人はエクレアを崇めるように見ながら、「私が多くの人を助ける力を持っている?」とか「本を読んでくれて、可愛い姿を毎日見れる?」とか「多くの人の上に立つ? 高位の妖精と契約するために人を助ける?」とか「癒しの音楽」ってブツブツ呟いてる。
マキアート教授も「そう言えば時々、風もないのにカーテンが揺れたりする。あれは、幽霊じゃなくて妖精だったんだ! そうかそうか、私のことが大好きかぁ」って、ニヤニヤと嬉しそうだ。
「で、何の話だったかなアコル?」と、思い出したように学院長が訊く。
さあ、ここからが本番。
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絶対に了承させて、学生たちをドラゴンに襲撃された町レブラクトに連れていく。
誰にも現実逃避なんてさせない。これは現実で、高学院がドラゴンに襲撃されるのは明日かもしれないと、恐怖を刷り込まねばならない。
生きるためには戦うしかないと意識を変えさせる。
そして、自分には与えられた役割分担があり、その使命を果たさなければ負けるのだと、これからの訓練と対抗戦で身をもって学んでもらう。
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