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サンタさん、トレジャーハンターになる
5 母様の再婚
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「サンタナリアの職業は【過去】だ」
「はあ?【過去】って何ですの? もしかして一般職ではなくホスディーと同じ専門職なのですか?」
間抜けな私が専門職を授かったと信じたオバサンは、ギリギリと音が鳴るんじゃないかと思う程に奥歯を噛み締める。
「で、ですが【過去】なんて、役に立ちそうな気がしませんが、具体的な仕事内容は何なのですか義父様?」
今度は祈るような視線をお爺様に向け、詳しい仕事内容を質問する。
「シンシア、これ以上訊くでない。サンタナリアが不憫ではないか」
お爺様はそう言うと、ブスッと不機嫌な顔をして私から視線を逸らした。
その途端、悔しそうに歪んでいたオバサンの表情は、明るく希望に満ちたものに変わった。
……お爺様、グッジョブ!
『分かり易いのう。人の不幸をこうもあからさまに喜ぶとは』
『まあ、私が家を出る2年後くらいまで、ぬか喜びさせてあげるわ。さあ、家に帰ったら魔法の練習を本格的に始めるわよサーク爺』
『おうよ、基本はマスターしたから、これからは応用じゃ』
職業選別を受けてから、オバサンの嫌がらせが増えた。
間抜けな子を演じていても、ここは母様の実家で、祖父母は私たちに優しいから、屋敷の花瓶を私が割っただの、従姉のナリスティアの服を破いただのと、言い掛かりをつけては追い出そうとする。
でもお爺様は、証拠がないから私を犯人とは断定できないと庇ってくれる。
このオバサン、自分は専門職の【宝飾】持ちで、母様が中位職なのがずっと気に入らなかったらしく、唯一母様に対抗できる実家の爵位をひけらかして、母様をぎゃふんと言わせることにしたようだ。
「実家は伯爵家でしょう。だからお付き合いも多くて、再婚相手を探している男爵様から誰か紹介して欲しいと父が頼まれたみたいなの。
なんでも昨年、夫人を事故で亡くされたらしいの。
男爵様は43歳と少し年上だけど、再婚なんだから15歳差くらい年齢的には問題ないでしょう? ルクナさんには幸せになって欲しいわ」
夕食後のお茶の時間、祖父母やいとこまでもが揃ったダイニングで、さも母様の将来を心配している風を装い、オバサンは再婚しろと勧めてきた。
……そうきたか・・・なんとしてでも追い出したいのね。
「そうねえ、ルクナに再婚する意思があるなら考えた方がいいでしょうけど、私はこのままファイト家に居てもいいと思っているわ」
お婆様は母様の方を向いて、ナイスなフォローをしてくれる。
「そうだな、前の結婚みたいに金で苦労はさせたくないな」
「あら義父様、それなら義父様の資産から持参金を持たせて差し上げればよろしいではないですか」
……うわー、このオバサン、祖父母がいい顔をしてないのに無視?
……しかも、ファイト子爵家の資産じゃなくて、お爺様の個人資産から持参金を出せって?
「まあ義姉様ったら、そんなに私のことを考えてくださっていたのですね。
ですが私は来年、王立能力学園時代の友人を頼って、王都に出るつもりなんです。まだ確定ではないので、決まったら報告しますわ」
おーっ、母様がしっかり反論しながら、珍しく嫌味を入れてるわ。
オバサンが卒業したのは王立高学園で、母様が卒業したのは王立能力学園。
学校の格は能力学園の方が上で、卒業生の多くは上位貴族や王族が多いのよね。
あらあら、オバサンったらカップを持つ手がわなわなと震えてるわよ。
「そ、そうなの。でも、再婚もせず子供を育てるのは大変よ。
男爵様も少しは待って頂けるでしょうけど、決まったら早く教えてね」
「王都には弟のカーレイルも住んでいるから、仕事を探せば食べていけるわ」
今夜の母様は強気だ。
まだ会ったことはないけど、母様の弟のカーレイル叔父さんは、職業が専門職【武術】で、今は王宮の警備部で働いているみたい。
先月、可愛い女の子が生まれたばかりで、年明けには祖父母がお祝いしに王都へ行くと言っていた。
カーレイル叔父さんの家には、私と1つ違いの2歳の男の子ヒアルくんも居る。
ファイト子爵家には全員で7人の孫がおり、現時点で後継者は決定していない。
因みにオバサンの夫であるアイガー伯父さんも、今は王都で働いている。
その後もオバサンは、母様に再婚話を何度か持ってきた。
どれもこれも15歳以上年上の貴族ばかりで、明らかに嫌がらせだと分かる貧乏な男爵とか、中には55歳の伯爵の側室って話まであった。
『人の幸せなんて、個人個人で違うもんじゃ。あの女は爵位と金がなければ生きていけない人間じゃろうて。
自分の力で生きていこうとする者と、人の力で生きるのが当然だと思う者の価値観は根底から違う。
まあ、自分の力で生きようとする者の方が強く、一般的に前向きじゃ』
『ふ~ん、だったらオバサンは、ファイト子爵家が貧乏になったら不幸のどん底に落ちて、アイガー伯父さんが死んだりしたら生きていけないわね』
そんな会話をサーク爺としていると、あまりにも一生懸命に私たちを追い出そうとするオバサンが、なんだか憐れに思えるようになった。
年が明ける頃には、母様は王都に移り住むと決め、再婚をする気はないとオバサンの提案を突っぱねた。
そして母様は、カーレイル叔父さんちの出産祝いをするためと、王都で生活する下準備をするために、祖父母と一緒に王都へ行くことになった。
バルトラ兄さまは初級学校の転入手続きのため、一緒に王都へ行ってしまう。
1人で残されてしまうけれど、私には魔法の練習をするという大事なミッションがある。
誰にも知られず練習するには、今回の留守番はとっても都合がいい。
できるならば屋敷の外に出て、人里離れた場所で中級魔法を試してみたい。
「サンタナリア、明日、隣の領地に買い物に出掛けるわよ。
貴女も王都で生活するんだから、そのみすぼらしい服じゃなくて、もう少し可愛い服が必要でしょう? 買ってあげるわ」
母様たちが出発した翌日、私はオバサンから隣の領地に行くと告げられた。
「はあ?【過去】って何ですの? もしかして一般職ではなくホスディーと同じ専門職なのですか?」
間抜けな私が専門職を授かったと信じたオバサンは、ギリギリと音が鳴るんじゃないかと思う程に奥歯を噛み締める。
「で、ですが【過去】なんて、役に立ちそうな気がしませんが、具体的な仕事内容は何なのですか義父様?」
今度は祈るような視線をお爺様に向け、詳しい仕事内容を質問する。
「シンシア、これ以上訊くでない。サンタナリアが不憫ではないか」
お爺様はそう言うと、ブスッと不機嫌な顔をして私から視線を逸らした。
その途端、悔しそうに歪んでいたオバサンの表情は、明るく希望に満ちたものに変わった。
……お爺様、グッジョブ!
『分かり易いのう。人の不幸をこうもあからさまに喜ぶとは』
『まあ、私が家を出る2年後くらいまで、ぬか喜びさせてあげるわ。さあ、家に帰ったら魔法の練習を本格的に始めるわよサーク爺』
『おうよ、基本はマスターしたから、これからは応用じゃ』
職業選別を受けてから、オバサンの嫌がらせが増えた。
間抜けな子を演じていても、ここは母様の実家で、祖父母は私たちに優しいから、屋敷の花瓶を私が割っただの、従姉のナリスティアの服を破いただのと、言い掛かりをつけては追い出そうとする。
でもお爺様は、証拠がないから私を犯人とは断定できないと庇ってくれる。
このオバサン、自分は専門職の【宝飾】持ちで、母様が中位職なのがずっと気に入らなかったらしく、唯一母様に対抗できる実家の爵位をひけらかして、母様をぎゃふんと言わせることにしたようだ。
「実家は伯爵家でしょう。だからお付き合いも多くて、再婚相手を探している男爵様から誰か紹介して欲しいと父が頼まれたみたいなの。
なんでも昨年、夫人を事故で亡くされたらしいの。
男爵様は43歳と少し年上だけど、再婚なんだから15歳差くらい年齢的には問題ないでしょう? ルクナさんには幸せになって欲しいわ」
夕食後のお茶の時間、祖父母やいとこまでもが揃ったダイニングで、さも母様の将来を心配している風を装い、オバサンは再婚しろと勧めてきた。
……そうきたか・・・なんとしてでも追い出したいのね。
「そうねえ、ルクナに再婚する意思があるなら考えた方がいいでしょうけど、私はこのままファイト家に居てもいいと思っているわ」
お婆様は母様の方を向いて、ナイスなフォローをしてくれる。
「そうだな、前の結婚みたいに金で苦労はさせたくないな」
「あら義父様、それなら義父様の資産から持参金を持たせて差し上げればよろしいではないですか」
……うわー、このオバサン、祖父母がいい顔をしてないのに無視?
……しかも、ファイト子爵家の資産じゃなくて、お爺様の個人資産から持参金を出せって?
「まあ義姉様ったら、そんなに私のことを考えてくださっていたのですね。
ですが私は来年、王立能力学園時代の友人を頼って、王都に出るつもりなんです。まだ確定ではないので、決まったら報告しますわ」
おーっ、母様がしっかり反論しながら、珍しく嫌味を入れてるわ。
オバサンが卒業したのは王立高学園で、母様が卒業したのは王立能力学園。
学校の格は能力学園の方が上で、卒業生の多くは上位貴族や王族が多いのよね。
あらあら、オバサンったらカップを持つ手がわなわなと震えてるわよ。
「そ、そうなの。でも、再婚もせず子供を育てるのは大変よ。
男爵様も少しは待って頂けるでしょうけど、決まったら早く教えてね」
「王都には弟のカーレイルも住んでいるから、仕事を探せば食べていけるわ」
今夜の母様は強気だ。
まだ会ったことはないけど、母様の弟のカーレイル叔父さんは、職業が専門職【武術】で、今は王宮の警備部で働いているみたい。
先月、可愛い女の子が生まれたばかりで、年明けには祖父母がお祝いしに王都へ行くと言っていた。
カーレイル叔父さんの家には、私と1つ違いの2歳の男の子ヒアルくんも居る。
ファイト子爵家には全員で7人の孫がおり、現時点で後継者は決定していない。
因みにオバサンの夫であるアイガー伯父さんも、今は王都で働いている。
その後もオバサンは、母様に再婚話を何度か持ってきた。
どれもこれも15歳以上年上の貴族ばかりで、明らかに嫌がらせだと分かる貧乏な男爵とか、中には55歳の伯爵の側室って話まであった。
『人の幸せなんて、個人個人で違うもんじゃ。あの女は爵位と金がなければ生きていけない人間じゃろうて。
自分の力で生きていこうとする者と、人の力で生きるのが当然だと思う者の価値観は根底から違う。
まあ、自分の力で生きようとする者の方が強く、一般的に前向きじゃ』
『ふ~ん、だったらオバサンは、ファイト子爵家が貧乏になったら不幸のどん底に落ちて、アイガー伯父さんが死んだりしたら生きていけないわね』
そんな会話をサーク爺としていると、あまりにも一生懸命に私たちを追い出そうとするオバサンが、なんだか憐れに思えるようになった。
年が明ける頃には、母様は王都に移り住むと決め、再婚をする気はないとオバサンの提案を突っぱねた。
そして母様は、カーレイル叔父さんちの出産祝いをするためと、王都で生活する下準備をするために、祖父母と一緒に王都へ行くことになった。
バルトラ兄さまは初級学校の転入手続きのため、一緒に王都へ行ってしまう。
1人で残されてしまうけれど、私には魔法の練習をするという大事なミッションがある。
誰にも知られず練習するには、今回の留守番はとっても都合がいい。
できるならば屋敷の外に出て、人里離れた場所で中級魔法を試してみたい。
「サンタナリア、明日、隣の領地に買い物に出掛けるわよ。
貴女も王都で生活するんだから、そのみすぼらしい服じゃなくて、もう少し可愛い服が必要でしょう? 買ってあげるわ」
母様たちが出発した翌日、私はオバサンから隣の領地に行くと告げられた。
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