双葉病院小児病棟

カテーテル治療

愛華side



由来ちゃんと話し出して40分ぐらい経ったかな。



だいぶ由来ちゃんも落ち着いてきた。



由「お姉ちゃんも...イチゴ好きなんだね...^^」



目がとろんとして来た由来ちゃん。



かわいい(笑)



「眠たくなってきちゃったね。
寝ていいよ、私ここいるから。」



由「うん...ずっと居てね...？」



「うん、大丈夫だよ。
おやすみ(^-^)」



胸の辺りをトントンしてあげるとすぐに眠りに落ちた。



疲れてたんだね。



黒「由来寝た？」



私もベッド戻ろうかなって思ってたらまさかの黒崎先生登場。



「うん、寝たよ。」



黒「そうか。
ならそろそろ行こうか。」



「え？どこに？」



黒「処置室。」



あ、そっか。



今日からだったカテーテル治療。



「……やりたくない。」



黒「昨日頑張るって言ってたじゃん。」



言ったよ、確かに言ったけど……



やっぱりやりたくないよ。



「やっぱり頑張らないっていう選択肢は……？」



黒「あるわけないだろ。
ほら、行くぞ。」



ですよね……



黒崎先生に半ば強引に手を引かれて処置室まで連れてこられてしまった。



佐「愛華ちゃん、いらっしゃい(*^^*)」



「え、佐倉先生……？」



いつも話を聞いてくれる佐倉先生。



小さな子のところにいつも入ってるから、私の治療に入ってくれることはほとんど無い。



なんで佐倉先生が……？



佐「そんなに驚かないで(笑)
愛華ちゃんの治療に私も着いてきちゃった。」



黒「愛華良かったな、佐倉先生いるなら安心だな。」



黒崎先生……本当は佐倉先生についてもらえるよう頼んだんでしょ。



バレバレだよ。



でも、佐倉先生ついてくれるの嬉しい。



「佐倉先生……最後までいてくれる...？」



佐「うん、最初から最後まで一緒にいるよ。
治療、頑張ろうね^^」



頑張らなきゃ、でも怖いしやりたくない。



このふたつの気持ちがごちゃごちゃになって、やりたくないが勝ってしまってた。



でも少し頑張らなきゃって気持ちが大きくなってきた気がする。



黒「よし、じゃあ仰向けな。
足の付け根からカテーテル入れるからズボンは脱いでて。」



佐「ちゃんと自分から準備できて偉いじゃん(^-^)
お腹にタオル掛けとこうね。」



言われた通り準備したものの、やっぱり怖いものは怖い。



「ｸﾞｽｯ……怖い……(泣)」



佐「うんうん、怖いね。
でも最初だけ頑張ったらあとは痛くないからね。
愛華ちゃんも知ってるでしょ？」



知ってるよ、何回も検査されたもん。



確かに最初の麻酔以外は痛くは無い。



ただ気持ち悪いだけ。



でも、その麻酔が痛いんだよ先生……(泣)