双葉病院小児病棟

moa

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黒崎先生2

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由来side



なんでまた注射なの?



さっき点滴頑張ったばっかりなのに。



痛いのは嫌だって言ったけど、どうやっても注射する気らしい。



確かに熱下げるために必要かもしれないけど痛いのは…やっぱり嫌じゃん?



腕は分かるけど、なんでお尻なんだ…?



黒「選ばないならお尻にするよ。
うつ伏せになって。
腕より痛み少ないから。」



え、お尻の方が痛くないの?



黒「なるべく痛くない方がいいんでしょ。
なら早くうつ伏せになって。」



「……はい。」



確かに痛くない方がいい。



怖いけど…逆らわない方がいい気がする。



大人しく言われたとおりにうつ伏せになった。



うつ伏せになるとズボンと下着を少し下げられて消毒をされた。



消毒が冷たくて身体がビクッと跳ねた。



黒「ここ病室だから大きな声出したら他の人に聞こえるから。
ちょっと痛いよ。」



そう言いながら私の膝の裏辺りに馬乗りになって黒崎先生は注射器を構えていた。



待って待って、針太いし長くない!?



「え、待っ…ビクッ)んんっ!!(涙)」



待ってって言おうとしたのに言葉を遮られてブスっと針を刺された。



黒「動かない。
今から痛いよ。」



「んんーっ!!(泣)」



液が入り始めると、幅広い範囲にズシンとくる激痛が走った。



あまりの痛みに上半身を起こそうとしたけど、黒崎先生にもう片方の手で背中をグイッと押されてまた戻されてしまった。



黒「声出したら聞こえるよ?」



「っ……ぅぅ……(泣)」



痛いのに黒崎先生に押さえられて動けないし声も出すに出せず、必死に耐えた。



刺す時より薬入れる時の方が痛いとか聞いてないよ(泣)



黒「はい、おしまい。」



その言葉とともに黒崎先生から解放された。



注射したところを揉まれてるのもまた痛いし、涙がポロポロ出てきた。



うわ、ベッドのシーツ涙で濡れちゃった。



それなのにまた視界が滲んで……



あれ…先生……?



気付いたら先生が私の涙を優しく拭いてくれていた。



黒「頑張ったな(撫)」



黒崎先生に褒められて頭優しくポンポンされて……



ほら…優しくするからまた涙出てきちゃったじゃん……(泣)



黒「なんでまた泣くの(笑)
ほら、もう泣かない。
また熱上がるぞ?」



さっきすごい怖かったのに今は優しいし。



ずるい…先生ずるいよ……( ˘•ω•˘ )



「先生って……怖いの?優しいの…?」



黒「さぁどうだろうね(笑)」



うわ、悪い顔(--;)



「黒崎先生のいじわる……」



黒「はいはい(笑)
じゃあ先生戻るから、安静にね。」



あーあ、行っちゃった。



痛かったのに、怖かったのに。



なぜか最後優しく笑っていた黒崎先生の顔が脳裏に焼き付いていた。



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