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黒崎先生
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黒崎side
なんとか湊の痰の吸引を終えた。
はぁ、よくもまあ懲りずに毎回毎回逃げ出すよな。
肺炎でキツいはずなのに逃げ回る湊見てると早く治して元の生活に帰してあげたいって思う。
5歳って言ったら遊びたい盛りだろ?
毎日痛いこと苦しいことされて病院から出られなくて。
……まぁそれは湊だけじゃないけどな。
あ、そういえば……
ー 1時間前 ー
阿「黒崎先生、今日入院してきた橘由来ちゃんのことなんですけど。」
「あぁ、白血病疑いの子か。」
阿「あれ、知ってたんですか?」
「まぁな。
来てすぐに入院患者のカルテ見て全部把握してるから。」
阿「さすがですね…(笑)
さっきマルクしたんですけど、熱がかなり高かったんで下げた方がいいと思って。」
「そうだな、連日熱が高いままなのは良くない。
上がっていいよ、後しとくから。
筋注だろ?」
阿「はい、お願いします。
では、お疲れ様でした。」
橘由来……9歳か。
まぁ1人でいけるだろ。
とりあえず湊の痰の吸引から行くか。
ー そして現在 ー
もう20時か。
そろそろ由来の筋注しに行くか。
確か愛華と同じ201号室だったよな。
病室に入るとカーテンの向こうから話し声が。
まさかまだ話してたのか?
「安静にって言ったよね?」
由「わっ……ご、ごめんなさい…;;」
愛「黒崎先生、優しくしてあげてよ^^;」
「優しくしてやりたいけど、言いつけ守らない子は優しくできないなぁ。」
愛「私の話に由来ちゃん付き合ってくれてただけだから。」
「へぇー。
じゃあ次の俺が心カテするとき厳しくしても文句言えないよな?」
愛「……いいよ。」
「ははっ、冗談だよ(笑)
分かった、由来に優しくしてやるから心配すんな。」
ったく、愛華心カテ大嫌いのくせにすぐ罪被って強がるんだから。
まぁ、今日由来は初めてだし許してやるか。
大人しくベッドへ戻った由来の元へ行き、周りから見えないようにカーテンを閉める。
「初めまして。
黒崎といいます、今日当直俺だからよろしくね。」
由「はっ…はい!
よろしくお願いします……」
「はい、とりあえず熱測って。」
体温計を渡してベッドの隣の椅子へ腰掛けるとビクッと身体を震わせている由来。
さては愛華に俺のことなんか聞いたな。
明らかにビビってるし。
ピピピピ……
「鳴ったね、貸して。」
んー…39.2℃か。
思ったより高いな。
やっぱ筋注した方が良さそう。
「このまま熱高いままは良くないから、熱下げるための注射するよ。
腕とお尻どっちがいい、決めていいよ。」
いつもならすぐうつ伏せにしてお尻に打つけど女の子だし初めてだろうから選ばせてやろうと思って。
子供の腕は大人に比べて筋肉量が少ないからお尻に打った方が痛みは少ない。
由「痛いの嫌……です……(涙)」
「いや、嫌とかそういう話じゃなくて。
注射するのは絶対。
それを腕かお尻か選んでいいって言ってるの。」
涙ぐんで黙って俯いてしまった。
なんとか湊の痰の吸引を終えた。
はぁ、よくもまあ懲りずに毎回毎回逃げ出すよな。
肺炎でキツいはずなのに逃げ回る湊見てると早く治して元の生活に帰してあげたいって思う。
5歳って言ったら遊びたい盛りだろ?
毎日痛いこと苦しいことされて病院から出られなくて。
……まぁそれは湊だけじゃないけどな。
あ、そういえば……
ー 1時間前 ー
阿「黒崎先生、今日入院してきた橘由来ちゃんのことなんですけど。」
「あぁ、白血病疑いの子か。」
阿「あれ、知ってたんですか?」
「まぁな。
来てすぐに入院患者のカルテ見て全部把握してるから。」
阿「さすがですね…(笑)
さっきマルクしたんですけど、熱がかなり高かったんで下げた方がいいと思って。」
「そうだな、連日熱が高いままなのは良くない。
上がっていいよ、後しとくから。
筋注だろ?」
阿「はい、お願いします。
では、お疲れ様でした。」
橘由来……9歳か。
まぁ1人でいけるだろ。
とりあえず湊の痰の吸引から行くか。
ー そして現在 ー
もう20時か。
そろそろ由来の筋注しに行くか。
確か愛華と同じ201号室だったよな。
病室に入るとカーテンの向こうから話し声が。
まさかまだ話してたのか?
「安静にって言ったよね?」
由「わっ……ご、ごめんなさい…;;」
愛「黒崎先生、優しくしてあげてよ^^;」
「優しくしてやりたいけど、言いつけ守らない子は優しくできないなぁ。」
愛「私の話に由来ちゃん付き合ってくれてただけだから。」
「へぇー。
じゃあ次の俺が心カテするとき厳しくしても文句言えないよな?」
愛「……いいよ。」
「ははっ、冗談だよ(笑)
分かった、由来に優しくしてやるから心配すんな。」
ったく、愛華心カテ大嫌いのくせにすぐ罪被って強がるんだから。
まぁ、今日由来は初めてだし許してやるか。
大人しくベッドへ戻った由来の元へ行き、周りから見えないようにカーテンを閉める。
「初めまして。
黒崎といいます、今日当直俺だからよろしくね。」
由「はっ…はい!
よろしくお願いします……」
「はい、とりあえず熱測って。」
体温計を渡してベッドの隣の椅子へ腰掛けるとビクッと身体を震わせている由来。
さては愛華に俺のことなんか聞いたな。
明らかにビビってるし。
ピピピピ……
「鳴ったね、貸して。」
んー…39.2℃か。
思ったより高いな。
やっぱ筋注した方が良さそう。
「このまま熱高いままは良くないから、熱下げるための注射するよ。
腕とお尻どっちがいい、決めていいよ。」
いつもならすぐうつ伏せにしてお尻に打つけど女の子だし初めてだろうから選ばせてやろうと思って。
子供の腕は大人に比べて筋肉量が少ないからお尻に打った方が痛みは少ない。
由「痛いの嫌……です……(涙)」
「いや、嫌とかそういう話じゃなくて。
注射するのは絶対。
それを腕かお尻か選んでいいって言ってるの。」
涙ぐんで黙って俯いてしまった。
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