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第32章 純子の構想
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神としての存在が薄くなることを予知したエロMエッサイ無エッサイムが、神と呼ばれるようになる純子に恐怖し、阻止するためわざわざ純子の前に現れたという訳だ。
「よいか、わたしがお前ごとき人間の前に降臨することなどありえないし、あってはならない。だから、今の記憶は一切消えるが、今のありがたいわたしの助言はお前の心の奥深くに住み着き生き続ける。よいか、慎ましく生きるのだぞ」
ところが、純子の心の奥深くに、全知全能の神から将来、神と呼ばれるようになるというお言葉をいただいたという残像が誤って植め込まれたことを、エロMエッサイ無は思いもしなかった。
*
キッチンで食卓に座る慶子に、植木が頭をかきながら言った。
「慶子さま、改めて、よろしくお願いいたします。これからは公務以外でお会いしたときはわたしのことを植木と読んでいただけますか。わたしはあなたを慶子さまとお呼びします。あなたは純子さまと同じく天のいただきに就く方ですから対等というわけにはいきません」
「えっ? 慶子さまって? そんな……」
慶子は植木係長を役所以外の場所で前にすると、父親と話しているようで男女の関係で仲良くするなどありえないと思った。はたから見ても親子の関係にしか見えないに違いない。
「いえ、駄目です。慶子さま、です。そういう呼び方で、参ります。わたしは純子さまと同じように慶子さまのお手伝いもしていくつもりでおりますので…… もちろん、公務の場所ではいつもどおりの呼び方をしていただいたほうが自然と思います」
植木は慶子の意見は問答無用で却下である。慶子のことを天に就く人だ、と敬うように言う割には植木は慶子に対して主導権を握り偉そうである。慶子は植木をにらんだ。
これから手伝うと言いながら植木は慶子に従うどころか、慶子の肩を抱くようにしてバスルーム前の脱衣スペースへ誘導していく。
「慶子さま、わたくしは純子さまの理想を応援するためにお仕えしております。慶子さまにも同じ気持ちでお仕えいたします。これからその証明をさせていただきますので」
植木と慶子は背中合わせになり、着ていた衣服をすべて自ら脱いでいった。全裸になったことを確認した二人はバスルームのドアを開けて植木が先に入った。慶子が片手を胸に片手を股間に当てて植木のいる前に進み出た。植木が慶子の体を凝視した。
「慶子さま、手を脇にしてくださいませ。全部をお見せいただけますか」
慶子は唇をきつく結びながら腕を少しずつ腰の横に移動させていった。
「慶子さま、お顔をあげて植木を見ていただけますか」
慶子は恥ずかしくて下を向いていた顔を植木に向けた。
「よいか、わたしがお前ごとき人間の前に降臨することなどありえないし、あってはならない。だから、今の記憶は一切消えるが、今のありがたいわたしの助言はお前の心の奥深くに住み着き生き続ける。よいか、慎ましく生きるのだぞ」
ところが、純子の心の奥深くに、全知全能の神から将来、神と呼ばれるようになるというお言葉をいただいたという残像が誤って植め込まれたことを、エロMエッサイ無は思いもしなかった。
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キッチンで食卓に座る慶子に、植木が頭をかきながら言った。
「慶子さま、改めて、よろしくお願いいたします。これからは公務以外でお会いしたときはわたしのことを植木と読んでいただけますか。わたしはあなたを慶子さまとお呼びします。あなたは純子さまと同じく天のいただきに就く方ですから対等というわけにはいきません」
「えっ? 慶子さまって? そんな……」
慶子は植木係長を役所以外の場所で前にすると、父親と話しているようで男女の関係で仲良くするなどありえないと思った。はたから見ても親子の関係にしか見えないに違いない。
「いえ、駄目です。慶子さま、です。そういう呼び方で、参ります。わたしは純子さまと同じように慶子さまのお手伝いもしていくつもりでおりますので…… もちろん、公務の場所ではいつもどおりの呼び方をしていただいたほうが自然と思います」
植木は慶子の意見は問答無用で却下である。慶子のことを天に就く人だ、と敬うように言う割には植木は慶子に対して主導権を握り偉そうである。慶子は植木をにらんだ。
これから手伝うと言いながら植木は慶子に従うどころか、慶子の肩を抱くようにしてバスルーム前の脱衣スペースへ誘導していく。
「慶子さま、わたくしは純子さまの理想を応援するためにお仕えしております。慶子さまにも同じ気持ちでお仕えいたします。これからその証明をさせていただきますので」
植木と慶子は背中合わせになり、着ていた衣服をすべて自ら脱いでいった。全裸になったことを確認した二人はバスルームのドアを開けて植木が先に入った。慶子が片手を胸に片手を股間に当てて植木のいる前に進み出た。植木が慶子の体を凝視した。
「慶子さま、手を脇にしてくださいませ。全部をお見せいただけますか」
慶子は唇をきつく結びながら腕を少しずつ腰の横に移動させていった。
「慶子さま、お顔をあげて植木を見ていただけますか」
慶子は恥ずかしくて下を向いていた顔を植木に向けた。
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