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第32章 純子の構想
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進一は初めて研修会で純子に出会った日のことを思い出していた。彼女の背中の後ろに炎のように燃え盛るオーラを見た。まるで観音菩薩を見るようで進一は思わず両手を合わせていた。隣の研修生に何をしているのかと言われ、慌てて手をおろしたほどだ。
「この人を応援しよう。この人はやがて観音菩薩になる。僕には彼女の未来が見える」
進一は直感し、純子の導くままに、彼氏になり、夫となった。彼女が観音菩薩への道に一日も早く到達できるよう応援してきた。夜の人格・潤子による進一に対する非道な行為は昼の人格・純子の知らない悪行だった。全能の神は存在しないのではないのか、と進一は思う。神も存在するならわずかばかりの悪を有している。全知全能に極めて近い観音菩薩に従うことは進一の本能に従うことであった。つまり、進一は潤子の非道に歓喜することが、崇拝する純子の行為をすべて受け入れているということなのだ。そのため、夜の人格・潤子の度重なる異常な性癖を甘んじて受けた。それが離婚によって進一は夜の人格・潤子の呪縛から解かれる。進一はやっと毎夜犯されてきた非道なレイプから解放されることになった。
進一は慶子と初めて出会ったとき、慶子の背中にオーラを見た。彼女の背中の後ろには真っ赤に燃える炎が見えた。彼女もまた観音菩薩なのだ。進一のすべてを包んでくれる慈愛に満ちた菩薩だ。
「自分は40歳過ぎたおじさんだ。僕は救世主となる観音菩薩を教育するために生まれてきた。慶子は新人類のように振る舞っているが、やがて、彼女は彼女が持つ慈愛を大きくし、多情愛の世界を築いてくれる救世主になるだろう。だから、己の使命を忘れ、慶子に対し、この生意気な小娘と苛立ち、心を動揺させたり、翻弄されたりしてはいけない。未熟な彼女に厳しく優しい指導を与えなければいけない。自分がこの世に生まれてきた使命なのだから……」と進一は思いながら、慶子を見ると純子の若い頃が重なって見えた。
「僕は慶子を育てる使命がある。そのためにはこの身を犠牲にしよう」
毎日、職場の執務室で進一は慶子を見つめる。慶子の後ろの炎が少しずつ大きくなるように見えた。
*
「この人を応援しよう。この人はやがて観音菩薩になる。僕には彼女の未来が見える」
進一は直感し、純子の導くままに、彼氏になり、夫となった。彼女が観音菩薩への道に一日も早く到達できるよう応援してきた。夜の人格・潤子による進一に対する非道な行為は昼の人格・純子の知らない悪行だった。全能の神は存在しないのではないのか、と進一は思う。神も存在するならわずかばかりの悪を有している。全知全能に極めて近い観音菩薩に従うことは進一の本能に従うことであった。つまり、進一は潤子の非道に歓喜することが、崇拝する純子の行為をすべて受け入れているということなのだ。そのため、夜の人格・潤子の度重なる異常な性癖を甘んじて受けた。それが離婚によって進一は夜の人格・潤子の呪縛から解かれる。進一はやっと毎夜犯されてきた非道なレイプから解放されることになった。
進一は慶子と初めて出会ったとき、慶子の背中にオーラを見た。彼女の背中の後ろには真っ赤に燃える炎が見えた。彼女もまた観音菩薩なのだ。進一のすべてを包んでくれる慈愛に満ちた菩薩だ。
「自分は40歳過ぎたおじさんだ。僕は救世主となる観音菩薩を教育するために生まれてきた。慶子は新人類のように振る舞っているが、やがて、彼女は彼女が持つ慈愛を大きくし、多情愛の世界を築いてくれる救世主になるだろう。だから、己の使命を忘れ、慶子に対し、この生意気な小娘と苛立ち、心を動揺させたり、翻弄されたりしてはいけない。未熟な彼女に厳しく優しい指導を与えなければいけない。自分がこの世に生まれてきた使命なのだから……」と進一は思いながら、慶子を見ると純子の若い頃が重なって見えた。
「僕は慶子を育てる使命がある。そのためにはこの身を犠牲にしよう」
毎日、職場の執務室で進一は慶子を見つめる。慶子の後ろの炎が少しずつ大きくなるように見えた。
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