トライアングルパートナー

第27章 大和田純子と高橋源三郎

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　高橋源三郎がk区の人事係長だった頃、純子の採用試験結果を操作し、今田純子をk区に採用されるように合格者名簿の改ざんをした。他の合格者の希望順位を変えK区の希望者を減らした。このとき、高橋は今田純子の秀でた才能を以前から知っていた。高橋は並外れた才能の純子をK区役所に採用し一緒に働きたい願望が押さえられなくなっていた。
　高橋は大学を卒業し、K区役所に採用され勤務するようになった。ｋ区に高校生の大和田純子が居住していた。高橋もまた社会貢献するために情熱を持ってK区役所に勤務し、最初に配属された教育委員会で働き出していた。
　高橋の担当部署はK区の文化、体育、各種学校行事、居住者の生涯教育を支援するため、イベントを企画し実行する部署だった。未来のK区を担ってくれる人材を育てる部署だ。年齢、性別に関係なく教育と体育を通し充実した生活を送りながら地域の文化を高めてもらう。その推進してくれる人材の才能を伸ばす手助けをする仕事だった。イベントの受賞者には区長賞という形で副賞を用意し区長室で授賞式をしてから全戸無料配布の区報で報告した。ここで何度も受賞すれば名前も自然に知られる。そういう常連という逸材がいたことを高橋は初めて知った。
　役所へ採用された最初のイベントの授賞式で高橋が大和田純子という名前の高校1年生を知った。
　高橋が配属3年目のとき、純子は区長室に呼ばれ表彰される。担当だった高橋はその席に同席し式を見守った。区長と純子が向かい合っていた。幾度と受賞している純子でも緊張しているようだった。
「大和田純子殿
　区長賞　あなたはＫ区絵画コンテストで優秀な成績を収められましたのでここに表彰します。区長　大松寿の助」
　高橋は昨年も聞いた名前の大和田純子、絵画の得意な子なのかと思っていた。高校3年生と知っていたが、美人だった。だから、名前ではなく、顔を覚えていたことに納得した。授賞式が終了し、生徒は引き上げていく。高橋は同じ係の先輩･木下に尋ねた。