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第19章 純子の再生

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「そ、そんな、あたしが卒倒してしまうことを夜の潤子さんはしているのですか? それはどんなことでしょうか?」
「へえ、あなたみたいに超真面目な人も興味があるわけね? 卒倒したいのね?」
 純子は仲介役の順子という女が自分をからかっているように感じた。
「ふざけないで、あたし、そんなヤワな人間じゃないわ、教えてぇ」
「あら、そう、そんなに知りたいなら教えてあげる」
 純子は仲介役の順子の声に身構えた。
「あたしも言葉にするの恥ずかしいから潤子のみた記憶を部分的に見せて上げるわ。もちろん、部分的だから分かりにくいけど、そのほうがあなたにはいいと思うわ。だって、あなた…… 卒倒してしまいますことよ…… フフ」
 それから、朝、純子が目をさますと、仲介役である人格・順子の説明を簡単に聞くことが日課になった。言葉で説明が難しい部分は、部分的に夜の人格・潤子のイメージの記憶を見せてくれる。ときには、モザイクが掛かり見ても分からないイメージはあったが。本当に、少しずつ 少しずつ。そして、数年の時間が過ぎて今に至っている。だから、公務を終えた純子は、夜間の時間帯に活動する人格・潤子がやっていることがなんとなく予想できるようになった。
 純子は42歳にもなって妖艶なイメージを想像することができない純真無くな少女のままだった。フツメンの進一は純子の昼と夜のギャップの大きさに驚かされて、いつも、激しく興奮した。
 夜の人格・潤子はフツメンの容姿をした進一が苦しそうにもだえる姿が大好きだった。彼女は進一の苦しいあえぎ声を聞くたびに全身に鳥肌が立った。
「す、すごすぎるわ、進ちゃんの顔……」
 彼女もまた、普通の顔をした進一が異常な苦しみを表現する顔に変化する顔を見ることで興奮した。

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