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第16章 純子の不安
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やがて、今田純子も進一以外の人を愛する女になるだろう。そうなれば、不倫を嫌う日本人の倫理観は、根底から覆させられることになる。純子は住民から崇められ、神様、弁天様、仏様と呼ばれる存在だ。その生き神様が不倫をしていることが公になるのだから、みな、不倫をしようとなるに違いない。
だれもが不倫、二股、三股の愛に目覚めるのだ。そういう社会に変貌したとき、それを目の当たりにしたエロMエッサイ無さまは喜びで歓喜するだろう。
エロMエッサイ無様から御ほうびをいただけることは間違いない。慎之介はそうなったときを思い描くと顔がほころんだ。
*
危機管理センター建設構想は、天災、人災に分類された災害に備え、対策することが急務であると、管理対策室長に就いた今田純子は提唱した。災害という見えない敵、地震、火事、大雪、大雨、熱中症、疫病、感染症、などの厄害を想定し、それを未然に防ぎ、それでも、発生したとき、どう対応したらいいか、を学識者を中心に組織的に対策しようというK区の独創的な構想になった。
萬平部長は予測できない災害の発生に純子を対応させることで、今田純子の能力を封じ込める算段だった。起きない災害に備えて対策をどんだけ準備してもだれも評価することはできない。災害が来てこその部署だ。それが、かえって今田純子の能力を再確認させることになろうとは思わなかったようだ。彼女の下向きな活動はマスコミに取り上げられ、評判になっていく。災害対策はロールモデルとしてマスコミに取り上げられる。純子は地方都市からの行政視察に忙しく対応した。萬平部長の影は薄く霞んでいくと同時、影響力も陰りだした。
危機管理対策室の机に座っていた純子は立ち上がり、個室のドアまで応接セットの脇を通って歩く。ドアを開けると、手前に、管理対策室対策計画係がある。計画係は対策室にある3係を調整する係で、庶務、諸々の雑用を仕切る係だ。他に2係、災害などの危機をサーチする情報収集を担当する危機収集係がある。あと一つ、災害が発生した場合の危機を解決する機動部隊を指示する正常回復係だ。どの係も係長を含め5人の体制だ。ただし、回復係だけは機動部隊が別に待機している。人数が多いためだ。そのいない係員は、総勢20名が任務に対応できるように、日々、精神的、肉体的な訓練をしていた。どの隊員もあらゆる重機の資格を保有した精鋭である。しかし、いつ起こるかわからない災害のために待機することもできないので、街の清掃業務を行っている。いわゆる汚れた街のゴミを処理する任務なのだ。彼らは深夜、だれの目にも止まらず、黙々、粛々と業務を遂行していた。彼らが業務を遂行した後には、吸い殻一つ、髪の毛一本ない完璧な清潔が保持された。
だれもが不倫、二股、三股の愛に目覚めるのだ。そういう社会に変貌したとき、それを目の当たりにしたエロMエッサイ無さまは喜びで歓喜するだろう。
エロMエッサイ無様から御ほうびをいただけることは間違いない。慎之介はそうなったときを思い描くと顔がほころんだ。
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危機管理センター建設構想は、天災、人災に分類された災害に備え、対策することが急務であると、管理対策室長に就いた今田純子は提唱した。災害という見えない敵、地震、火事、大雪、大雨、熱中症、疫病、感染症、などの厄害を想定し、それを未然に防ぎ、それでも、発生したとき、どう対応したらいいか、を学識者を中心に組織的に対策しようというK区の独創的な構想になった。
萬平部長は予測できない災害の発生に純子を対応させることで、今田純子の能力を封じ込める算段だった。起きない災害に備えて対策をどんだけ準備してもだれも評価することはできない。災害が来てこその部署だ。それが、かえって今田純子の能力を再確認させることになろうとは思わなかったようだ。彼女の下向きな活動はマスコミに取り上げられ、評判になっていく。災害対策はロールモデルとしてマスコミに取り上げられる。純子は地方都市からの行政視察に忙しく対応した。萬平部長の影は薄く霞んでいくと同時、影響力も陰りだした。
危機管理対策室の机に座っていた純子は立ち上がり、個室のドアまで応接セットの脇を通って歩く。ドアを開けると、手前に、管理対策室対策計画係がある。計画係は対策室にある3係を調整する係で、庶務、諸々の雑用を仕切る係だ。他に2係、災害などの危機をサーチする情報収集を担当する危機収集係がある。あと一つ、災害が発生した場合の危機を解決する機動部隊を指示する正常回復係だ。どの係も係長を含め5人の体制だ。ただし、回復係だけは機動部隊が別に待機している。人数が多いためだ。そのいない係員は、総勢20名が任務に対応できるように、日々、精神的、肉体的な訓練をしていた。どの隊員もあらゆる重機の資格を保有した精鋭である。しかし、いつ起こるかわからない災害のために待機することもできないので、街の清掃業務を行っている。いわゆる汚れた街のゴミを処理する任務なのだ。彼らは深夜、だれの目にも止まらず、黙々、粛々と業務を遂行していた。彼らが業務を遂行した後には、吸い殻一つ、髪の毛一本ない完璧な清潔が保持された。
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