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第13章 小山内慶子の攻略

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 昼休みの時間になった。進一は、会議室のドアの外には「会議中」の表示を出した。進一の後ろについて歩いてきていた慶子はそれを見て言った。
「係長、すごいです。こんな簡単な方法があったんですね」
 進一はドアの前ではしゃぐ慶子のとびきりの笑顔を見た。慶子は廊下の右左を見た。
「係長、だれもいません、早く」
 慶子は進一の背中を押して会議室に入った。慶子は、進一を3人掛けの机の端の席に座らせると、隣にくっつくように並んで、真ん中の席に座った。弁当を進一の前に置いた。
「どうぞ。一個は奥さま用です」
 そう言って空いている席に置いた。
「えぇっ、あ、それも僕が」
 進一が言い掛けたところで、ドアがノックされた。慶子があわててドアに顔を向けた。大きな声で「どうぞ」と返事をした。その時、ドアが開いた。純子だった。
「お食事にお招きいただいてありがとう。あなたが小山内さんね?」
 慶子は純子の前に歩いていき、深々と頭を下げた。
「お忙しいのにありがとうございます。いつも係長にご指導をいただいております。小山内慶子と申します。奥さまにも、お礼も兼ねて、心ばかりのお食事を用意させていただきました。こちらの席にどうぞ」
 純子は慶子が指し示す席を見た。三人掛けの席を見た。
「あら、その机の配置はいただけないわね」
 純子はそう言うと、部屋の隅に並んでいる三人掛けの机を2台だけ部屋の中央に移動し三角形に配置した。
「どう? 広々と机に一人ずつ、お互いを見ながら食事ができるわ」
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