トライアングルパートナー

第12章 ゲームの対戦相手

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　エロＭエッサイ無の声が小さく消えていった。慶子は、慎之助が突然床にひれ伏しブツブツ独り言を言っている姿に驚いた。
「あんた、具合でも悪いの？　まあ、頭の方だけどね、ねえ、ほんと、大丈夫？　ゲームをやるよりさ、すぐにお医者さんに行ったほうが良くない？」
　慶子は慎之助の肩にそっと手を置いた。
「す、すみません、僕はあなたにうそをついていましたぁーーー　僕は実は人間じゃありませーーん」
　そう言った慎之助が顔をやっと床から離し、慶子を見上げた。慶子は慎之助の顔を見つめた。慶子は慎之助の言葉に絶句し、しばしの間を置いて言った。
「人間じゃないなら、あんた、何もの？」
　慶子は今度はなんだこいつは、という感じで、一応慎之助にきいてみた。
「天使見習い落ちこぼれの堕天使見習いですぅーー　堕天使にもなれない見習いです。僕を軽蔑しますか？」
　慶子は慎之助を何も言わず両手で抱きしめた。
「あんた、ゲーム制作疲れだわ、根を詰めすぎたのね？　もう、分かったから、何？　堕天使見習いって？　あんたの言ってること、良く分からない。ねえぇー　いったん落ち着こうね」
「僕は落ち着いています。分かりました。もう、あなたにはすべてをお話します。僕のすべてをこれからお見せします」
　彼はそう言って慶子を抱きしめ、そのまま、方手を背中に回し、慶子を抱き上げた。
「うわぁー　これって、お姫様抱っこ？」
　うれしさをごまかす慶子は抱かれながら慎之助の顔を見た。かつてない高揚感を慶子は感じた。考え方はついていけないが、体がこの男に触れられると、イケメンに興奮していく高揚感はあがなえない。
「あぁー　あたし、もう、限界かも……　ちょっと喪失するには変な展開だけど、いいんじゃない……」
　慶子は心中で観念したら、改めて、体の芯が熱くなるのを感じた。