トライアングルパートナー

窓野枠

文字の大きさ
上 下
71 / 190
第12章 ゲームの対戦相手

しおりを挟む
 佐々木慎之助と小山内慶子はゴッドゲーム店の店長室のソファーに並んで座っていた。
「ねえ、あんた、これから帰るんでしょ? 家ってどこなの?」
 慶子はすっかりなじんだ慎之助の隣に体を寄せるように座っている。
「もちろん、帰るよ。この上が僕の住まいさ。そろそろ、ラブ・ゲームをしに上に移動しようか? もうすぐ、10時、店を閉める時間だしね。きょうは泊まっていくかい?」
 そう言われて慶子は自分の腕時計を見た。後5分で、10時になろうとしていた。慎之助とはほとんど会話という会話もなく、会って間もないのに、不思議に、すっかり打ち解けていた。慶子は慎之助のそばにいるとすごく落ち着くことに気が付いた。今までにない感覚だった。父や母と一緒にいてもこんな感覚にはなれなかった。慶子は2回目で会った男と初体験するとは思ってもいなかった。
「うん、いいけど…… さっきも聞いた、ラブ・ゲームってどんなことをするの? もしかして…… あれ? セックスも?」
 口に出すことにためらいが慶子にあった。自分がかつてしたことのないセックスという体験を、この慎之助とこれからすることになるのかも、と思うと、慶子の顔が幾分上気すると同時に緊張してきた。ボーイフレンドは多くても、彼女はセックスをするとなると、ためらいがあった。たった一人の大切な人とする、という自分なりのルールを作っていたからだ。会って1カ月、それもきょうで会って2回目の男と肌を合わせる。顔はイケメンではあるが、どんな男か知らない。
「そうだよ、僕らは最高のテブ・ゲームができると思うよ。ただ、プログラムを作るプログラムを開発した僕にも、ヒトメボレがどんなプログラムを作るかはまったく未知数なんだ。ところで、セックスって何なの?」
 慶子は慎之助の言葉に腹が立った。女に泊まれと言って、セックスは何か知らない、なんて悪い冗談だ。こいつのちんぽをひねりつぶしてやろうか、と本気で思った。慶子は冷静さを装った。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

夜の森と小さな勇気

カルラ アンジェリ
大衆娯楽
小6の結衣(ゆい)は林間学校の肝試しで恐怖のあまり失禁してしまう そしてその夜におねしょまでしてしまい……

職場のパートのおばさん

Rollman
恋愛
職場のパートのおばさんと…

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

借金した女(SМ小説です)

浅野浩二
現代文学
ヤミ金融に借金した女のSМ小説です。

研修医と指導医「SМ的恋愛小説」

浅野浩二
恋愛
研修医と指導医「SМ的恋愛小説」

処理中です...