59 / 190
第10章 転落から悟りへ
4
しおりを挟む
やがて、彼は、繰り返される光の融合は、愛の融合と同じではないか、と悟った。人類の繰り返される生と死は愛と同じである。愛という原子が結合と分裂を繰り返す。最小の単位こそが原子である。愛は原子の集合である。肉体、特に脳内に愛という原子が融合する。愛の原子を放つ神器を開発すればいい。彼に新しい神器の素案が生まれた。矢では愛は拡散できないことを感じた。
8ピッドは愛という原子が存在する。このとき、愛を理解することができた。愛という原子は存在する。まだ、発見することができないだけだ。
「愛は何か、目で確認できないから愛なのだ。どうしょうもない力が自分の心に原子という愛が入り込み宿り、根源的な力を与えてくれる。人類は愛で満たされる」
彼は闇の世界から出る決心をした。
*
8ピッドはショーケースをクロスで拭きながら考えている。かつて女神が与えた特命を遂行する時が来た。新たな神器により人間界に降り注ぐ愛は人間界を幸福で満たすだろう。
人間界に、文字が発明されるようになった。人類はいろいろな出来事を記録し、伝承する技術を得た。その中でも、恋愛指南なるものが拡散され、積極的な男女は爆発的につながった。キューピッドの使命は終わったかに思われた。恋のキューピッドは完全な失業に追い込まれた。消滅するキューピッドの精鋭たち。
しかし、ものが発明され、組織が作られ、村が生まれ、国が生まれ、富むものと貧しいものが生まれ、ねたみ、そねみが生まれ、紛争が生まれ、社会構造が複雑になるに伴い、人間界が幾分病んできていることは否めない。徐々に愛の芽を摘み始めている。思想の違い、民族の違い、争いの種がさらなる争いを生む。それは社会全般にまん延し始めた。
隣人を愛さない。右のほおを打たれたら、左のほおを差し出す、などと言ったら、「あんた、そんなっこと言ってると死ぬよ」と一括されてしまうかもしれない時代に突入した。
8ピッドは愛という原子が存在する。このとき、愛を理解することができた。愛という原子は存在する。まだ、発見することができないだけだ。
「愛は何か、目で確認できないから愛なのだ。どうしょうもない力が自分の心に原子という愛が入り込み宿り、根源的な力を与えてくれる。人類は愛で満たされる」
彼は闇の世界から出る決心をした。
*
8ピッドはショーケースをクロスで拭きながら考えている。かつて女神が与えた特命を遂行する時が来た。新たな神器により人間界に降り注ぐ愛は人間界を幸福で満たすだろう。
人間界に、文字が発明されるようになった。人類はいろいろな出来事を記録し、伝承する技術を得た。その中でも、恋愛指南なるものが拡散され、積極的な男女は爆発的につながった。キューピッドの使命は終わったかに思われた。恋のキューピッドは完全な失業に追い込まれた。消滅するキューピッドの精鋭たち。
しかし、ものが発明され、組織が作られ、村が生まれ、国が生まれ、富むものと貧しいものが生まれ、ねたみ、そねみが生まれ、紛争が生まれ、社会構造が複雑になるに伴い、人間界が幾分病んできていることは否めない。徐々に愛の芽を摘み始めている。思想の違い、民族の違い、争いの種がさらなる争いを生む。それは社会全般にまん延し始めた。
隣人を愛さない。右のほおを打たれたら、左のほおを差し出す、などと言ったら、「あんた、そんなっこと言ってると死ぬよ」と一括されてしまうかもしれない時代に突入した。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
アレンジ可シチュボ等のフリー台本集77選
上津英
大衆娯楽
シチュエーションボイス等のフリー台本集です。女性向けで書いていますが、男性向けでの使用も可です。
一人用の短い恋愛系中心。
【利用規約】
・一人称・語尾・方言・男女逆転などのアレンジはご自由に。
・シチュボ以外にもASMR・ボイスドラマ・朗読・配信・声劇にどうぞお使いください。
・個人の使用報告は不要ですが、クレジットの表記はお願い致します。
体育座りでスカートを汚してしまったあの日々
yoshieeesan
現代文学
学生時代にやたらとさせられた体育座りですが、女性からすると服が汚れた嫌な思い出が多いです。そういった短編小説を書いていきます。
とある高校の淫らで背徳的な日常
神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。
クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。
後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。
ノクターンとかにもある
お気に入りをしてくれると喜ぶ。
感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。
してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる