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第9章 小山内家
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慶子は、卒業後、商社に入社すれば国際的な出会いだって多いはず。そう思っていたが、父親の根回しで東京のK区役所に採用された。公務員は採用試験に合格したものが名簿登載順に入るルールだ。超法規的なコネが通らない組織であるが、慶子の居住地であるK区に、父親が3億円寄付した結果なのか、試験を半強制的に受けさせられて採用が決まった。慶子は父親がウラで糸を引いた、と思っていた。しかし、慶子は小山内グループという肩書を背負う身なので、幼少時から英才教育を受けていた。彼女は、もともと、頭脳明せきで優秀なのだが、本人にはその自覚がない。父親の強制的な指示を幼少期から受けてきたので、自発性、積極性がない。何でも親の指図に従う毎日だ。自発的な行動はなかった、と言っても過言ではない。周囲の人々は慶子の能力に気が付かない。本人の能力とか関係なくチヤホヤしていたからに他ならない。実際、慶子は容姿が良くてかわいいのであるが、だれもがお世辞のように、かわいい、を連呼する。今の仕事も同じで、慶子は「コネで入った仕事」と思っている。いまいち、仕事に身が入らない。それでも、東京の役所であるから、官民を問わず、国際的にも交流がある人脈が得られるに違いない。父親はそういう強い人脈を期待して慶子を役所に入れた。そして、顧客が不特定多数の住民である。慶子の人生になんらかの糧になってくれるのではないかと考えた。
しかるに、慶子は、未だ意中の人は見つけられず、彼女の華のOL生活は恋人不在のまま、2年目に突入していた。今頃は、彼氏と二人っきりで充実した生活を送っているはずだった。それが全く外れ、彼氏不在のまま、2年目に突入した。光陰矢の如し、あっという間に時は流れ、来月は師走である。彼女にとっての大イベントのクリスマスがやってくる。
「あーあ もう目の前にクリスマスが迫ってる。ど、どうしよう……」
しかるに、慶子は、未だ意中の人は見つけられず、彼女の華のOL生活は恋人不在のまま、2年目に突入していた。今頃は、彼氏と二人っきりで充実した生活を送っているはずだった。それが全く外れ、彼氏不在のまま、2年目に突入した。光陰矢の如し、あっという間に時は流れ、来月は師走である。彼女にとっての大イベントのクリスマスがやってくる。
「あーあ もう目の前にクリスマスが迫ってる。ど、どうしよう……」
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