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第7章 小山内慶子
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慶子が積極的に進一に近づいてくる。進一は慶子の言うラブゲームに恐怖を感じた。進一にはさっきから出てくるリア・ラブゲームというものが一体、何なのか、相変わらず、全く分からない。
「係長さんのヒトメボレを見せていただけます?」
慶子はそう言って自分のスマホを進一の目の前に差し出した。慶子の息が進一の鼻に掛かる。今にもキスしてしまいそうな距離だ。
「こんなに接近してもらっては困るな、みんながどう思うか気が気じゃないよ」
進一は周囲を伺いながら、慶子から顔を残念そうに離す。
「あー あぶなかった。思わずキスをしそうだったよ」
進一は心中でつぶやいた。慶子から体を離しながら、ジャケットの内ポケットに入っているヒトメボレの存在を右手で確認した。そのスマホを取り出して慶子の差し出した手のひらのスマホの横に並べた。その瞬間、2つのスマホが光り輝いた。
「うぁー まぶしい。すごいこれがリア・ラブゲームの本格稼働なのね?」
進一は白い光に包まれて、周囲のものが何も見えなくなった。ただ、一点見えるものがあった。慶子の裸の全身だった。
「係長、これがあたしたちだけの世界、リア・ラブゲームの世界よ。もう、だれにも邪魔ができないラブゲームの始まりなの。これからこれを使って、仕事中でもラブゲームをできるの」
慶子は長く伸ばし、とがった舌をねっちょりと唇の隙間から出し、妖艶にゆっくり孤を空中に描くように上唇をなめていく。うつろに遠くを見つめた目は幾分潤んでいるように進一には見えた。その唇を間近で見た進一はゴクンと生唾を飲みこみ、近くで見る慶子の白い肌を改めて見つめた。慶子の舌は蛇の舌のように長く、妖艶だった。それを見た彼の体は蛇ににらまれた獲物のように動けなかった。
「僕らには何の障害もないということなのか? これが僕らの世界、リア・ラブゲームか?」
「係長さんのヒトメボレを見せていただけます?」
慶子はそう言って自分のスマホを進一の目の前に差し出した。慶子の息が進一の鼻に掛かる。今にもキスしてしまいそうな距離だ。
「こんなに接近してもらっては困るな、みんながどう思うか気が気じゃないよ」
進一は周囲を伺いながら、慶子から顔を残念そうに離す。
「あー あぶなかった。思わずキスをしそうだったよ」
進一は心中でつぶやいた。慶子から体を離しながら、ジャケットの内ポケットに入っているヒトメボレの存在を右手で確認した。そのスマホを取り出して慶子の差し出した手のひらのスマホの横に並べた。その瞬間、2つのスマホが光り輝いた。
「うぁー まぶしい。すごいこれがリア・ラブゲームの本格稼働なのね?」
進一は白い光に包まれて、周囲のものが何も見えなくなった。ただ、一点見えるものがあった。慶子の裸の全身だった。
「係長、これがあたしたちだけの世界、リア・ラブゲームの世界よ。もう、だれにも邪魔ができないラブゲームの始まりなの。これからこれを使って、仕事中でもラブゲームをできるの」
慶子は長く伸ばし、とがった舌をねっちょりと唇の隙間から出し、妖艶にゆっくり孤を空中に描くように上唇をなめていく。うつろに遠くを見つめた目は幾分潤んでいるように進一には見えた。その唇を間近で見た進一はゴクンと生唾を飲みこみ、近くで見る慶子の白い肌を改めて見つめた。慶子の舌は蛇の舌のように長く、妖艶だった。それを見た彼の体は蛇ににらまれた獲物のように動けなかった。
「僕らには何の障害もないということなのか? これが僕らの世界、リア・ラブゲームか?」
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