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第1章 二人
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「ここはどうかしらぁ?」
彼女は進一の耳たぶを口に含むと、歯で軽くかみしめていく。
「うぅぅぅーー いたいぃーー」
進一は首を上にそらしながらうめく。
「す、すごいぃーよぉー」
彼女に耳から首筋にかぶりつかれて、あごから下へなめられながら進一は苦しく息をはく。彼はやっと息をつく。彼女は部長という重責をこれからも努めていく。未来のリーダーと呼ばれる人だ。自信に満ちた彼女にだって、わずかな不安はあるだろう。陰から彼女の力になろう、セックスは彼女の息抜き。僕は彼女のために生きる。進一はそう心に誓う。
「あーん ストレス発散するのに最高ねぇ、あなたは」
「そうだね 喜んでもらえて嬉しいよ、今度は僕の番だ」
「えっ? ああ、うぅぅんーーー」
悩みの少ない進一はいつだって、純子の希望に答えた。進一は彼女に比べればいつだって悩みなんてない元気そのものだ。純子はそうなるよう進一の将来を綿密に計画していた。すべては今のところ、彼女の思わく通りに進んでいる。人事部に裏から手を回したりしていけないことをしたと、彼女は後ろめたい気もするが、進一が絡むと、進一が好きだからしょうがないじゃない、という自己中心的で支離滅裂な考えになってしまう。全く恋は盲目である。彼女は、大好き進一、囲い込み計画、と名前をつけ、一人悦に入っている。まあ、中心人物は別人格・潤子ではあるが。
しかし、進一には彼女とは違って、将来への不安が見え隠れしていた。彼女の地位は区長から直接指示を細かく受けるようになっていた。すでに区長の右腕という存在に限りなく近い。そのせいで、彼女は帰宅がたびたび遅くなり、彼が一人で夕食を食べることが増えた。彼女は休みの日も会合、イベントなどで出掛けることが増えた。彼女はいつの間にか、進一の顔を見るために帰宅するようになっていた。彼女は仕事が終わり帰宅するなり、寝室のドアをそっと開ける。
彼女は進一の耳たぶを口に含むと、歯で軽くかみしめていく。
「うぅぅぅーー いたいぃーー」
進一は首を上にそらしながらうめく。
「す、すごいぃーよぉー」
彼女に耳から首筋にかぶりつかれて、あごから下へなめられながら進一は苦しく息をはく。彼はやっと息をつく。彼女は部長という重責をこれからも努めていく。未来のリーダーと呼ばれる人だ。自信に満ちた彼女にだって、わずかな不安はあるだろう。陰から彼女の力になろう、セックスは彼女の息抜き。僕は彼女のために生きる。進一はそう心に誓う。
「あーん ストレス発散するのに最高ねぇ、あなたは」
「そうだね 喜んでもらえて嬉しいよ、今度は僕の番だ」
「えっ? ああ、うぅぅんーーー」
悩みの少ない進一はいつだって、純子の希望に答えた。進一は彼女に比べればいつだって悩みなんてない元気そのものだ。純子はそうなるよう進一の将来を綿密に計画していた。すべては今のところ、彼女の思わく通りに進んでいる。人事部に裏から手を回したりしていけないことをしたと、彼女は後ろめたい気もするが、進一が絡むと、進一が好きだからしょうがないじゃない、という自己中心的で支離滅裂な考えになってしまう。全く恋は盲目である。彼女は、大好き進一、囲い込み計画、と名前をつけ、一人悦に入っている。まあ、中心人物は別人格・潤子ではあるが。
しかし、進一には彼女とは違って、将来への不安が見え隠れしていた。彼女の地位は区長から直接指示を細かく受けるようになっていた。すでに区長の右腕という存在に限りなく近い。そのせいで、彼女は帰宅がたびたび遅くなり、彼が一人で夕食を食べることが増えた。彼女は休みの日も会合、イベントなどで出掛けることが増えた。彼女はいつの間にか、進一の顔を見るために帰宅するようになっていた。彼女は仕事が終わり帰宅するなり、寝室のドアをそっと開ける。
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