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第15章 接近する恵美
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「えーー ま、まずい……」
男はうなだれるように声にならない声を発した。彼は己が蒔いた種とは言え、地獄の未来に向かうことに落胆した。周囲を行き交う乗客は美女に引きずられる醜男を見て驚きながら通り過ぎていく。関わりを恐れ無視された痴漢男のなれの果てである。この絶望しきった哀れな男にリーダーは慈愛の目を施す。
「さあ、わたしといっしょに変わるのです…… あなたはこれからわたしたちといっしょに家族として生きる…… あなたのような、社会の役立たずのくずから…… けだもの族唯一無二の選ばれしリーダーになれるのです…… どう? 素敵でしょ? あなたにはわたしたち5人と共同生活するバラ色の人生が待っています」
「えーー けだもの族? 5人と? 共同生活? どういうこと? 全然、意味分からない…… それよりか、いい加減、おれの手を離せよ、腕が伸びちまうじゃないか? 引きずられてズボンはすり切れて穴が開いてるよ」
くず男には己に訪れる絶世の美女5人と暮らすバラ色の共同生活という未来を全く予測できなかった。彼の異常な性癖から痴漢行為をしている毎日である。彼に美女5人と暮らすバラ色の未来など予想できる訳がない。電車内の痴漢行為で己の性欲が満たされればいいのだ。彼は電車内の数分間の痴漢行為を生きる糧としてきた。それ以上、何も望んでいない。いや、望んでいたがそれ以上踏み超えられないだけだ。だから、痴漢をされても拒絶できないか弱い対象物を注意深く見定め、特定するやいなや痴漢をして相手の苦悶の表情を見て楽しんだ。彼は異常性癖の危険人物だ。下衆で、くずな彼は毎日電車の中で可憐な乙女の体をこねくり回しもじもじもだえる姿を見ては異常な興奮を感じた。
彼のそんなささやかな楽しみがきょうは違った。鼻っ柱の強そうな裕福そうなオーエルを見つけ、彼は心から喜んだ。
「きょうはこいつをいたぶってやろう」
くず男は簡単にけだもの族の罠に掛かった。電車内にリーダーの後を追うように乗り込んだ。彼は彼女に近づき隣に立つまでは天国に上る心境だった。彼女の尻を触ると身もだえて恨めしそうな目をくず男に向けてきた。
「いい顔して嫌がってるぜ…… もっと感じさせてやるからな」
くず男がそう思って喜んだ次の瞬間、彼の状況は一転した。
「なんなんだ、こいつのこのばか力は?」
男はうなだれるように声にならない声を発した。彼は己が蒔いた種とは言え、地獄の未来に向かうことに落胆した。周囲を行き交う乗客は美女に引きずられる醜男を見て驚きながら通り過ぎていく。関わりを恐れ無視された痴漢男のなれの果てである。この絶望しきった哀れな男にリーダーは慈愛の目を施す。
「さあ、わたしといっしょに変わるのです…… あなたはこれからわたしたちといっしょに家族として生きる…… あなたのような、社会の役立たずのくずから…… けだもの族唯一無二の選ばれしリーダーになれるのです…… どう? 素敵でしょ? あなたにはわたしたち5人と共同生活するバラ色の人生が待っています」
「えーー けだもの族? 5人と? 共同生活? どういうこと? 全然、意味分からない…… それよりか、いい加減、おれの手を離せよ、腕が伸びちまうじゃないか? 引きずられてズボンはすり切れて穴が開いてるよ」
くず男には己に訪れる絶世の美女5人と暮らすバラ色の共同生活という未来を全く予測できなかった。彼の異常な性癖から痴漢行為をしている毎日である。彼に美女5人と暮らすバラ色の未来など予想できる訳がない。電車内の痴漢行為で己の性欲が満たされればいいのだ。彼は電車内の数分間の痴漢行為を生きる糧としてきた。それ以上、何も望んでいない。いや、望んでいたがそれ以上踏み超えられないだけだ。だから、痴漢をされても拒絶できないか弱い対象物を注意深く見定め、特定するやいなや痴漢をして相手の苦悶の表情を見て楽しんだ。彼は異常性癖の危険人物だ。下衆で、くずな彼は毎日電車の中で可憐な乙女の体をこねくり回しもじもじもだえる姿を見ては異常な興奮を感じた。
彼のそんなささやかな楽しみがきょうは違った。鼻っ柱の強そうな裕福そうなオーエルを見つけ、彼は心から喜んだ。
「きょうはこいつをいたぶってやろう」
くず男は簡単にけだもの族の罠に掛かった。電車内にリーダーの後を追うように乗り込んだ。彼は彼女に近づき隣に立つまでは天国に上る心境だった。彼女の尻を触ると身もだえて恨めしそうな目をくず男に向けてきた。
「いい顔して嫌がってるぜ…… もっと感じさせてやるからな」
くず男がそう思って喜んだ次の瞬間、彼の状況は一転した。
「なんなんだ、こいつのこのばか力は?」
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