幸せな報復

窓野枠

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第15章 接近する恵美

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 具体的には人間社会に向けて、メスのリーダーが体を人間の女に擬態させてその部族に溶け込むように潜入した。時間を掛けて人間と共同生活しながら性活力のある頑強で従順なオス1匹を特定しグループに取り込むという時間の掛かる作業だった。女に擬態したリーダーは外界社会の繁華街に繰り出しオスを物色した。数万年も続くけだもの族の掟に基づく行動だ。
 ところが、あるリーダーが20年前から日本にあって乗客が密集する電車という乗り物の中で不可思議な行動をするオスを目撃した。オスは満員電車内でメスのそばに立つとメスの体を触り始めた。人間界ではそのオスの行為を痴漢と呼んでいた。この行為を常習的に実行するオスがいる。それも周囲に知られないようメスの体を巧みに触りいじくり回す。リーダーは衝撃を受けた。このオスはメスに快感を無料奉仕していたからだ。
 この痴漢するオスを巧みに誘い込めばいい、とリーダーはオスの好みそうな服装をすると満員電車に乗った。リーダーは実験的にそのオスの隣に行ったら直ぐに隣に立って体を触って来るのを待った。オスの誘導が今までと比べようもなく短時間となった。
 けだもの族のメスたちには、人間界でこのオスの行為を「痴漢行為」と呼び、下衆の極みとか、蔑んだりすることが理解できなかった。さらに、この行為をしたオスは最終的に駅員に捕獲され拘束され性犯罪者として賞罰を受けた。それでも、痴漢をしてしまういやらしい最低なオスがいた。まさに人間界では社会のくずと言われているオスだが、けだもの族のメスにはよだれを垂れさせるに足る十分なエロスを備えた申し分のないオスだった。このくずと言われるオスをけだもの族のメスを虜にしてくれるよう性能力を磨き上げ、けだもののメスの心と体を満足させてくれるエロい性奴隷に仕上げる新しい儀式となった。
 けだもの族のメスはそのオスと交尾することを想像し興奮した。人間界では異端な行為をするオスでもけだもの族のメスにとって完全なる調和を図れる貴重なオスだった。
 5匹のメスはオスを釣り上げるため容姿をエロく装飾する服を着用し痴漢をする性質の最低、最悪な男を探すため電車に乗り込んだ。オーエルタイプ、熟女タイプ、女子高生など服を替えることで性質の違うオスを捕縛できた。種付け用性奴隷狩りをする彼女らにとって電車内は入れ食い状態でオスを捕縛できた。
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