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第15章 接近する恵美
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恵美は今までの勘太郎への好きな気持ち、体を隅々まで触れられたい欲求を抑制が決壊したごとく言葉の嵐を大放出した。最後に触ってほしいと言いながら勘太郎の手を自分の乳房へと導いてしまったことは恥ずかしかった。自分の勘太郎への求愛を告白してしまったことが恥ずかしくて恵美は勘太郎を直視できず目をそらした。彼女はそらしはしたが彼の次の行動を期待していた。自分の体に導いたお父さんの手が乳房に手を今もはわせていた。もうすぐだ、1秒後、2秒後か、恵美は息を止めて勘太郎の手が乳房をもみ上げてめくるめく快感を与えてくれるのを待った。
「ああ、きみには浩志がいるのに…… 手を握るだけでも大それたことなのに…… きみの胸に手を触れるなんて、何てことをしているんだ…… ごめんよ……」
勘太郎は恵美に導かれたとはいえ若い女性の乳房に手を置いてしまったことをどう取り繕ったらいいか分からなかった。
「きみは僕をその低俗で最低な獣にどうしてもしたいのだね? 僕はきみの胸に置いたこの手をどうしたらいいのだろうか??」
「決まっているではありませんか。今、直ぐ、隠さず、本性をさらけ出してわたしをあの電車内のときと同じようにいたぶり…… あたしに辱めを与え…… 潔く獣になってしまえば、いいんです…… 理性をなくしていいんです」
思考回路の停止していた勘太郎の脳はこの日恵美の本性を知って困惑した。類は友を呼ぶ。理性で隠された恵美の裏の顔が表に現れ低俗、最低な獣同士が共鳴反応したと言えた。
「わたしも獣か? そうね、お父さんだけ獣な訳ないわ…… とても恥ずかしいけど…… わたしも獣だから理性をぐちょぐちょに壊されたいのかもね」
勘太郎の低俗で最低な本性が恵美の本性を探し当てた。いや、巡り会うべくして巡り会った。同病相憐れむという格言がある。病んだ思考の二人にはむしろこちらの格言がふさわしい。今までの恵美の行動も異常だと言える。勘太郎の獣の嗅覚が恵美から発散する獣臭を嗅ぎ出した。彼は睡眠不足により発熱し理性が遠くに追いやられたとき彼の体の中に獣が復活した。20年前に仁美が殺害されたとき、つまり、仁美の中の獣が消えたとき、勘太郎の獣もまた仲間を失い消えた。
「ああ、きみには浩志がいるのに…… 手を握るだけでも大それたことなのに…… きみの胸に手を触れるなんて、何てことをしているんだ…… ごめんよ……」
勘太郎は恵美に導かれたとはいえ若い女性の乳房に手を置いてしまったことをどう取り繕ったらいいか分からなかった。
「きみは僕をその低俗で最低な獣にどうしてもしたいのだね? 僕はきみの胸に置いたこの手をどうしたらいいのだろうか??」
「決まっているではありませんか。今、直ぐ、隠さず、本性をさらけ出してわたしをあの電車内のときと同じようにいたぶり…… あたしに辱めを与え…… 潔く獣になってしまえば、いいんです…… 理性をなくしていいんです」
思考回路の停止していた勘太郎の脳はこの日恵美の本性を知って困惑した。類は友を呼ぶ。理性で隠された恵美の裏の顔が表に現れ低俗、最低な獣同士が共鳴反応したと言えた。
「わたしも獣か? そうね、お父さんだけ獣な訳ないわ…… とても恥ずかしいけど…… わたしも獣だから理性をぐちょぐちょに壊されたいのかもね」
勘太郎の低俗で最低な本性が恵美の本性を探し当てた。いや、巡り会うべくして巡り会った。同病相憐れむという格言がある。病んだ思考の二人にはむしろこちらの格言がふさわしい。今までの恵美の行動も異常だと言える。勘太郎の獣の嗅覚が恵美から発散する獣臭を嗅ぎ出した。彼は睡眠不足により発熱し理性が遠くに追いやられたとき彼の体の中に獣が復活した。20年前に仁美が殺害されたとき、つまり、仁美の中の獣が消えたとき、勘太郎の獣もまた仲間を失い消えた。
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