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第15章 接近する恵美
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それからと言うもの、9月に入り、恵美の訪問がぱったり途絶えた。まだ、残暑が厳しい季節だ。勘太郎にとって恵美の度々の訪問があれほど憂うつだったのに、来なければ来ないでどうして来なくなったのか気になり彼は恵美のことばかり考えるようになっていた。もしかすると僕のことを思い出したのだろうか。勘太郎に嫌悪して来られなくなった。そんな恵美の行動を考えて眠れなくなっていった。
連夜の睡眠不足がたたったのか、9月中旬、夏バテなどしたこともない勘太郎は、ベッドから起きて立とうとすると体がふらつきめまいを起こし膝から崩れ落ちるように床に座り込んでいた。こんな症状は初めてのことだった。恵美に対する対策を考えないといけない。彼は危機感を覚え遅い夏休みをまとめて1週間ほど取って作戦を練ることにした。思い付くと職場に電話連絡をし数年ぶりに有給休暇を取った。
勘太郎に人に言えない悩みがあるとも知らず、浩志は父の病気を心配して家を出た。勘太郎は浩志に風邪を引いたと嘘をついた。勘太郎は父子で正直に生きてきたのに恵美と出会ってから彼の誠実さが少しずつ消えていった。後ろめたさを感じながらも浩志に嘘をつくことが多くなっていった。彼は浩志の作ってくれていたおかゆを食べ終えると寝室で一眠りすることにした。
ベッドに横になろうとしたらスマホの着信音が鳴った。勘太郎がスマホを手にすると電話番号が表示された。通信ボタンをタッチした。
「田所恵美です。お父さん、これから恵美は救援に向かいます」と元気な声がした。浩志から話を聞いた恵美が心配し電話してきたのだと察しが付いた。「ありがとう、でも、その必要はないから」と言おうとする前に通話を切られてしまった。かけ直して断ろうとスマホを見た。すると、ピンポーン 玄関の呼び出し音が鳴った。勘太郎は寝室から出ると台所のドアホンモニターを見た。モニターに恵美の姿が映し出されていた。瞬時に勘太郎は恵美と二人きりはまずい、と思いながら玄関ドアを開けた。彼が恵美の支援を丁重に断ろうとしたら、恵美が勢いよく玄関の中へ入ってきた。彼は浩志が後ろにいないかと思って見たがやはり一人だった。玄関に入ってきた彼女は手にレジ袋を提げていた。ドアを後ろ手で閉めると恵美は顔を真っ赤にし、額から大粒の汗を流していた。
連夜の睡眠不足がたたったのか、9月中旬、夏バテなどしたこともない勘太郎は、ベッドから起きて立とうとすると体がふらつきめまいを起こし膝から崩れ落ちるように床に座り込んでいた。こんな症状は初めてのことだった。恵美に対する対策を考えないといけない。彼は危機感を覚え遅い夏休みをまとめて1週間ほど取って作戦を練ることにした。思い付くと職場に電話連絡をし数年ぶりに有給休暇を取った。
勘太郎に人に言えない悩みがあるとも知らず、浩志は父の病気を心配して家を出た。勘太郎は浩志に風邪を引いたと嘘をついた。勘太郎は父子で正直に生きてきたのに恵美と出会ってから彼の誠実さが少しずつ消えていった。後ろめたさを感じながらも浩志に嘘をつくことが多くなっていった。彼は浩志の作ってくれていたおかゆを食べ終えると寝室で一眠りすることにした。
ベッドに横になろうとしたらスマホの着信音が鳴った。勘太郎がスマホを手にすると電話番号が表示された。通信ボタンをタッチした。
「田所恵美です。お父さん、これから恵美は救援に向かいます」と元気な声がした。浩志から話を聞いた恵美が心配し電話してきたのだと察しが付いた。「ありがとう、でも、その必要はないから」と言おうとする前に通話を切られてしまった。かけ直して断ろうとスマホを見た。すると、ピンポーン 玄関の呼び出し音が鳴った。勘太郎は寝室から出ると台所のドアホンモニターを見た。モニターに恵美の姿が映し出されていた。瞬時に勘太郎は恵美と二人きりはまずい、と思いながら玄関ドアを開けた。彼が恵美の支援を丁重に断ろうとしたら、恵美が勢いよく玄関の中へ入ってきた。彼は浩志が後ろにいないかと思って見たがやはり一人だった。玄関に入ってきた彼女は手にレジ袋を提げていた。ドアを後ろ手で閉めると恵美は顔を真っ赤にし、額から大粒の汗を流していた。
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