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第13章 訪問
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畑中勘太郎は、浩志のガールフレンド田所恵美と家で会った日、玄関でのやり取りを思い出していた。浩志が恵美を始めて家に連れてくるという日、彼は勤務先のアクシデントの対応で帰宅が遅くなり恵美と会えなかった。浩志には残念そうな振りをしたが、内心は安堵していた。
だから、翌日、恵美が来訪するとは予想していなかった。3カ月前、彼女に痴漢をしてから彼女に会うのは三度目ということになる。あれだけ会いたくないと心は拒否していたが、いざ、目の前に彼女が現れると気が動転し舞い上がり喜びに満たされていた。痴漢という性犯罪をして後悔していたのに恵美を見ると湧き上がる性欲を抑えられなくなった。この期に及んでも雄の本能だから仕方がない、と過去の性犯罪を正当化しようとしている。
彼は玄関で、彼女と二言三言言葉を交わしたような気がするが、はっきりした記憶がない。理性は野生に追いやられ今にも彼女に抱きついてしまいそうな性衝動を抑え込もうと戦っていた。
浩志に「早く中に入れ」と言われたお陰で、噴出しそうな性欲を押しやり理性を取り戻した。浩志がいることをすっかり忘却してしまうほど理性が野生に追いやられていた。
また、電車の時と同じように、今度は玄関で彼女の体を触っていただろう。玄関で、どんなアクシデントの理由を作り、彼女の体に触ろうとしていたのか自分では見当が付かない。あのときも自分の中に巣くう本能が考えたのだ。自分は悪くない、という弁護をする。
理性を取り戻した彼は玄関で靴を脱ぎかまちに上がる。恵美も素早く自分のスニーカーを脱ぐと勘太郎の後に続いた。浩志が台所へ行く。勘太郎も向かおうとしたとき、背中に何か圧迫感と同時温かさを感じた。後ろから「懐かしいですね……」と小さな声が聞こえた。その声は恵美しかあり得ない。恵美が彼の真後ろに立って乳房を勘太郎の背中に押し当てた。そんなことはあり得ない。彼は確認するようにゆっくり体を後ろに回転させようと動かした。その瞬時、恵美の体温と圧力が消えた。彼が完全に振り向くと、恵美は30センチほど離れた位置にいた。そして、顔を勘太郎に向けて見つめている。恵美の顔が徐々に笑顔になっていく。
だから、翌日、恵美が来訪するとは予想していなかった。3カ月前、彼女に痴漢をしてから彼女に会うのは三度目ということになる。あれだけ会いたくないと心は拒否していたが、いざ、目の前に彼女が現れると気が動転し舞い上がり喜びに満たされていた。痴漢という性犯罪をして後悔していたのに恵美を見ると湧き上がる性欲を抑えられなくなった。この期に及んでも雄の本能だから仕方がない、と過去の性犯罪を正当化しようとしている。
彼は玄関で、彼女と二言三言言葉を交わしたような気がするが、はっきりした記憶がない。理性は野生に追いやられ今にも彼女に抱きついてしまいそうな性衝動を抑え込もうと戦っていた。
浩志に「早く中に入れ」と言われたお陰で、噴出しそうな性欲を押しやり理性を取り戻した。浩志がいることをすっかり忘却してしまうほど理性が野生に追いやられていた。
また、電車の時と同じように、今度は玄関で彼女の体を触っていただろう。玄関で、どんなアクシデントの理由を作り、彼女の体に触ろうとしていたのか自分では見当が付かない。あのときも自分の中に巣くう本能が考えたのだ。自分は悪くない、という弁護をする。
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