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第40章 橋本のささやき
2話
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二人が会話している途中で、尚子の脳に橋本が声を掛けてきた。
「おーい、それで行こう、その手がいいぞぉー」
「えぇー おじさん、あたしたちの声が聞こえるの?」
「もちろん、はっきり聞こえているよ、尚子からもらった超能力を使いこなせるように、なってきたみたいだぁ」
「ねえー おじさんって、あたしの体の中にいるの?」
「ああ、いるみたいだなぁー 確信はないけどな」
「えぇー どうしてぇ?ー」
「尚子は俺の心棒から放出された子どもたちを全部飲んでいたろ? 俺の心か体か分からないが、その原子が尚子の体にしみこんだみたいだよ。どこにさまよっているのか、最初、俺も分からなかったけど、尚子の体の中にいることが少しずつ分かってきた。今まで、尚子の中で、復活する方法を考えていたんだけど、その方法を見つけることができた。これから実行することは、櫻子さんが中心になって活躍してもらう必要があるな。だから、これから、そのプラン通りに動いてほしいんだ」
橋本の声を聞いているうち、尚子はワクワクし、心臓の鼓動が速くなった。自分の中に愛するおじさんがずっといてくれていた、と思っただけで感激した。これからおじさんとずっと一緒にいられる。うれしくて尚子の目から涙が流れた。
橋本は尚子に説明したプランの中に、大事な部分を話していなかった。橋本の望みは、三つあって、一つは、田所の邪心を破壊すること、二つ目は、櫻子に元に戻った田所と幸せになってもらうこと、三つ目は、尚子に幸せになってもらうことだった。一度、自分は邪心に葬られた身だ。返り咲こうとは思っていなかった。だいたい、返り咲く体が、すでにない。だからといって、尚子の体の中に、ずっといるわけにはいかない。なんとか、邪心をやっつけ、田所の体に移れたら一番いいのだが、と思っても、その方法は考えつかない。尚子なら探せるかもしれない。
土曜日、午後、櫻子と尚子が二人で性女学園の正門前に立っていた。学園の生徒は午前いっぱいで下校し、午後から誰も残っていない時間である。
「櫻子様、おじさんが、正門を閉めて、田所一人であることを確認してから計画を実行しましょうか、って言ってますけどぉー」
尚子が櫻子に言うと、櫻子はうなずいた。
「ねえ、あんたの好きな橋本さんって、ほんとにあんたの体にいるわけ? なんか、うさんくさいのよねぇー 」
「はい、もちろんです。おじさんをいっぱい愛してあげたので、一心同体になれたのです。もう恋人以上の仲とおじさんも言ってくれてます」
「ふーん、あんたたち、そんなに仲がいいんだぁ、なんか…… うらやましイーねぇ あんた、橋本さんにいっぱい愛してもらったってことぉー?」
「うーん それは微妙かなぁー あたしがほとんど愛していたから…… そのくらいおじさんってすてきなのよぉー 櫻子様もおじさんに会えたら、きっと納得すると思いますよぉー」
「そんなにいい男なの? あんた、体だけじゃないってことなのね? 尚子の好みなんだぁー 橋本さんが復活したら、あたしもしていいかなぁー」
櫻子はまだ尚子としか愛し合ったことがないのでうらやましい。本来、アラビアーナの女は5人で、一人の男を愛し合う。一人が愛し合っている間、4人の女たちは、お互いに愛し合う。男の愛を仲良く共有しながら、平和に穏やかに、生きてきた民族である。
「尚子を愛してたから、橋本さんを愛したことにならないかしら?」
「うーん、それは今までそういう気持ちにならなかったから…… 無理かなぁーとは思いますけど」
「ねぇ、これが片付いたら、橋本さんと試したいな、いいでしょ?」
「でも、櫻子様、体はおじさんですから、同じだと思うんですけどぉー あたしとか、じゃ、満足できないんですか?」
「ううん、そんなことはないよ、あたし、尚子のこと、好きだよ、ただ、いろんな人と愛し合いたいだけなのねぇー もう、モヤモヤしっぱなしなのよ」
「ふーん、あたしだけじゃ、満足ができないってことですね?」
「そんなことを言ってないよ、じゃ、また、帰ったら、尚子をいっぱい愛して、そんなこと、ないって証明してあげる」
それを聞いた尚子は桜子ににっこりほほ笑んだ。
「おーい、それで行こう、その手がいいぞぉー」
「えぇー おじさん、あたしたちの声が聞こえるの?」
「もちろん、はっきり聞こえているよ、尚子からもらった超能力を使いこなせるように、なってきたみたいだぁ」
「ねえー おじさんって、あたしの体の中にいるの?」
「ああ、いるみたいだなぁー 確信はないけどな」
「えぇー どうしてぇ?ー」
「尚子は俺の心棒から放出された子どもたちを全部飲んでいたろ? 俺の心か体か分からないが、その原子が尚子の体にしみこんだみたいだよ。どこにさまよっているのか、最初、俺も分からなかったけど、尚子の体の中にいることが少しずつ分かってきた。今まで、尚子の中で、復活する方法を考えていたんだけど、その方法を見つけることができた。これから実行することは、櫻子さんが中心になって活躍してもらう必要があるな。だから、これから、そのプラン通りに動いてほしいんだ」
橋本の声を聞いているうち、尚子はワクワクし、心臓の鼓動が速くなった。自分の中に愛するおじさんがずっといてくれていた、と思っただけで感激した。これからおじさんとずっと一緒にいられる。うれしくて尚子の目から涙が流れた。
橋本は尚子に説明したプランの中に、大事な部分を話していなかった。橋本の望みは、三つあって、一つは、田所の邪心を破壊すること、二つ目は、櫻子に元に戻った田所と幸せになってもらうこと、三つ目は、尚子に幸せになってもらうことだった。一度、自分は邪心に葬られた身だ。返り咲こうとは思っていなかった。だいたい、返り咲く体が、すでにない。だからといって、尚子の体の中に、ずっといるわけにはいかない。なんとか、邪心をやっつけ、田所の体に移れたら一番いいのだが、と思っても、その方法は考えつかない。尚子なら探せるかもしれない。
土曜日、午後、櫻子と尚子が二人で性女学園の正門前に立っていた。学園の生徒は午前いっぱいで下校し、午後から誰も残っていない時間である。
「櫻子様、おじさんが、正門を閉めて、田所一人であることを確認してから計画を実行しましょうか、って言ってますけどぉー」
尚子が櫻子に言うと、櫻子はうなずいた。
「ねえ、あんたの好きな橋本さんって、ほんとにあんたの体にいるわけ? なんか、うさんくさいのよねぇー 」
「はい、もちろんです。おじさんをいっぱい愛してあげたので、一心同体になれたのです。もう恋人以上の仲とおじさんも言ってくれてます」
「ふーん、あんたたち、そんなに仲がいいんだぁ、なんか…… うらやましイーねぇ あんた、橋本さんにいっぱい愛してもらったってことぉー?」
「うーん それは微妙かなぁー あたしがほとんど愛していたから…… そのくらいおじさんってすてきなのよぉー 櫻子様もおじさんに会えたら、きっと納得すると思いますよぉー」
「そんなにいい男なの? あんた、体だけじゃないってことなのね? 尚子の好みなんだぁー 橋本さんが復活したら、あたしもしていいかなぁー」
櫻子はまだ尚子としか愛し合ったことがないのでうらやましい。本来、アラビアーナの女は5人で、一人の男を愛し合う。一人が愛し合っている間、4人の女たちは、お互いに愛し合う。男の愛を仲良く共有しながら、平和に穏やかに、生きてきた民族である。
「尚子を愛してたから、橋本さんを愛したことにならないかしら?」
「うーん、それは今までそういう気持ちにならなかったから…… 無理かなぁーとは思いますけど」
「ねぇ、これが片付いたら、橋本さんと試したいな、いいでしょ?」
「でも、櫻子様、体はおじさんですから、同じだと思うんですけどぉー あたしとか、じゃ、満足できないんですか?」
「ううん、そんなことはないよ、あたし、尚子のこと、好きだよ、ただ、いろんな人と愛し合いたいだけなのねぇー もう、モヤモヤしっぱなしなのよ」
「ふーん、あたしだけじゃ、満足ができないってことですね?」
「そんなことを言ってないよ、じゃ、また、帰ったら、尚子をいっぱい愛して、そんなこと、ないって証明してあげる」
それを聞いた尚子は桜子ににっこりほほ笑んだ。
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