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第38章 邪心による支配
2話
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「わたしたちは家族です。心が通じれば、もちろん、体も通じています。体が通じていれば、もちろん、心も通じています。毎日、お互いの愛を気持ちよくなりながら確認しましょう。これは日常のどこにでもある行為で、当たり前の風景です。皆様もご一緒に、最低週3回は確認をしましょう。それを助けてくれる家族を紹介いたします。
これは私たちの家族でもあるアダルトドールと言います。アダルドドールはパートナーの肉体のマイナス面をカバーしてくれるAI(人工知能)を搭載したセックス補助システムプログラムが常に家族の愛を増進させてくれることでしょう。
その後、田所、櫻子、ドールが愛まみれているシーンになった。アダルトビデオさながらの3Pの映像が映し出される。ベッドの上で、3人が重なり合い、あえぎながら、アヒィー ウオォー 野獣の遠ぼえを上げた。
「楽しく楽しい、気持ちよいセックスライフは毎日、毎夜、どこまでも続く」の字幕が光り輝く。
冷静に鑑賞すれば、倫理に劣り、公序良俗に触れる、実にみだらな、映像でしかないのであるが、筋肉が隆起した橋本の体、絶世の美女である櫻子の体、人工的に製作されたグッドデザイン大賞を受賞したドールの造形美、三位一体の美形映像がここに生まれた、とテロップが出る。このビデオは、何をテーマにしているのか、不明であり、怪奇と言っていいほどの劣悪な映像である。しかし、現代芸術として高い評価を受けた。訳の分からない著名な芸術家を田所が、学園の女子生徒とアダルトドールを送り込み、取り込んだ。すっかり芸術家、官僚は、田所の共犯者になり下がった。
田所はさらに勢力を広げるため、スポンサーである大企業の取締役を、女子生徒とアダルトドールを使った同じ方法で取り込み、潤沢な資金を元に、テレビの深夜時間帯にこのみだらな映像を、毎夜、放映を繰り返した。この繰り返される映像が人間の性的な思考を鈍磨させ、これが日常の風景になじんでいく。
やがて、性女学園の知名度も高くなり、女子生徒にも性の開放が現れた。
夫婦、同性愛者などにも、ドールによって、画期的で、官能的な刺激が生まれるという口コミが広がり、爆発的にちまたに広がった。ドールは各家庭に1個が常識になりつつあった。単身の若者にもドールの製造が間に合わないくらいに急速に普及していった。
ドールが売れるにつれ、学園の生徒募集のために掲げた広報的な教育理念は、「ドールとともに新セックスライフを楽しめる家族の相互愛を育んでいくための真のまっとうな教育を実践していきます」と変更され、何を言いたいのか意味が不明の教育理念になっていく。田所は邪心に完全に支配され、田所の心は完全に消滅した。
田所は、学園の寮だった敷地に近代工場を建設した。アダルトドールを大量生産した。製造には実習と称して、学園の生徒をどんどん募集し、製造学科を新設し、女子生徒を組み立て実習生として当てた。人件費はゼロ。授業中に完成したドールを使った愛の授受相互訓練として、女子生徒にドールを使わせて、性の喜びを教える性教育を平行して開始した。すべての女子生徒は快楽に溺れていった。
このようにして、すべてが、邪心にむしばまれた田所のたくらみによって、無謀で卑劣な邪心にまみれた教育が推し進められていく。
*
邪心化した田所に葬り去られた橋本は、まだ、闇の中にいた。ときどき、田所の邪心が橋本の本体を通し、行動が届く。
「ごめん、心配を掛けたね、でも、これからは大丈夫 んんぅーー」
田所の声が聞こえる。その声を誰かが遮っている。橋本は闇の中で状況を想像する。田所が櫻子に言った言葉と、言葉の最後が不鮮明になったのは、櫻子にキスをされて口をふさがれたと言う状況が見えてきた。
(くそぉー 田所の思考が伝わってくる。俺は、まだ、完全に葬られてしまったわけではないようだ。だいたい、肉体は俺のだ!)
橋本は夢の中にいるような今の状態に憤慨した。
「田所、今に見ていろ、おまえの邪心を粉砕してやるからな!」
橋本は闇の中で叫んだ。橋本は復活を望みながらも、6年という歳月が流れていた。闇の空間では時間という概念がなかった。
これは私たちの家族でもあるアダルトドールと言います。アダルドドールはパートナーの肉体のマイナス面をカバーしてくれるAI(人工知能)を搭載したセックス補助システムプログラムが常に家族の愛を増進させてくれることでしょう。
その後、田所、櫻子、ドールが愛まみれているシーンになった。アダルトビデオさながらの3Pの映像が映し出される。ベッドの上で、3人が重なり合い、あえぎながら、アヒィー ウオォー 野獣の遠ぼえを上げた。
「楽しく楽しい、気持ちよいセックスライフは毎日、毎夜、どこまでも続く」の字幕が光り輝く。
冷静に鑑賞すれば、倫理に劣り、公序良俗に触れる、実にみだらな、映像でしかないのであるが、筋肉が隆起した橋本の体、絶世の美女である櫻子の体、人工的に製作されたグッドデザイン大賞を受賞したドールの造形美、三位一体の美形映像がここに生まれた、とテロップが出る。このビデオは、何をテーマにしているのか、不明であり、怪奇と言っていいほどの劣悪な映像である。しかし、現代芸術として高い評価を受けた。訳の分からない著名な芸術家を田所が、学園の女子生徒とアダルトドールを送り込み、取り込んだ。すっかり芸術家、官僚は、田所の共犯者になり下がった。
田所はさらに勢力を広げるため、スポンサーである大企業の取締役を、女子生徒とアダルトドールを使った同じ方法で取り込み、潤沢な資金を元に、テレビの深夜時間帯にこのみだらな映像を、毎夜、放映を繰り返した。この繰り返される映像が人間の性的な思考を鈍磨させ、これが日常の風景になじんでいく。
やがて、性女学園の知名度も高くなり、女子生徒にも性の開放が現れた。
夫婦、同性愛者などにも、ドールによって、画期的で、官能的な刺激が生まれるという口コミが広がり、爆発的にちまたに広がった。ドールは各家庭に1個が常識になりつつあった。単身の若者にもドールの製造が間に合わないくらいに急速に普及していった。
ドールが売れるにつれ、学園の生徒募集のために掲げた広報的な教育理念は、「ドールとともに新セックスライフを楽しめる家族の相互愛を育んでいくための真のまっとうな教育を実践していきます」と変更され、何を言いたいのか意味が不明の教育理念になっていく。田所は邪心に完全に支配され、田所の心は完全に消滅した。
田所は、学園の寮だった敷地に近代工場を建設した。アダルトドールを大量生産した。製造には実習と称して、学園の生徒をどんどん募集し、製造学科を新設し、女子生徒を組み立て実習生として当てた。人件費はゼロ。授業中に完成したドールを使った愛の授受相互訓練として、女子生徒にドールを使わせて、性の喜びを教える性教育を平行して開始した。すべての女子生徒は快楽に溺れていった。
このようにして、すべてが、邪心にむしばまれた田所のたくらみによって、無謀で卑劣な邪心にまみれた教育が推し進められていく。
*
邪心化した田所に葬り去られた橋本は、まだ、闇の中にいた。ときどき、田所の邪心が橋本の本体を通し、行動が届く。
「ごめん、心配を掛けたね、でも、これからは大丈夫 んんぅーー」
田所の声が聞こえる。その声を誰かが遮っている。橋本は闇の中で状況を想像する。田所が櫻子に言った言葉と、言葉の最後が不鮮明になったのは、櫻子にキスをされて口をふさがれたと言う状況が見えてきた。
(くそぉー 田所の思考が伝わってくる。俺は、まだ、完全に葬られてしまったわけではないようだ。だいたい、肉体は俺のだ!)
橋本は夢の中にいるような今の状態に憤慨した。
「田所、今に見ていろ、おまえの邪心を粉砕してやるからな!」
橋本は闇の中で叫んだ。橋本は復活を望みながらも、6年という歳月が流れていた。闇の空間では時間という概念がなかった。
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