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第36章 橋本浩一の記憶
4話
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橋本はベッドで寝ていても、頭の中に現れる尚子の笑顔を見るとうれしくなった。尚子の笑顔を見るたび、あのもどかしく、ときめいた、ざわついた心の記憶、会ったばかりの他人といて、あんなに心の安らいだ心地よい感覚は初めてのことだった。
彼女が橋本に何度も言ってくれたように、橋本もいつまでも手を取り合っていられるくらい、そばにいたい、と思った。尚子との関係をもっと深めていきたかった。橋本は、彼女と一緒にいたい、と心から願った。
次の瞬間、彼女の名前が思い出せない。彼女の顔がぼやけてきた。橋本は横たわりながら、彼女の顔を思い描こうとしたが、頭の中がクラクラしてきて、眠りに落ちた。
*
橋本はいい香りの中、心地よく目を覚ました。目を開けると、いつも出てくるかわいい女の子・尚子が、ベッドのすぐ脇で腰掛けていた。今日はあの子の名前をすんなり思い出すことができた。記憶を引き出す鍵のようなものがあるのではないか、と橋本は考えた。それが分かれば、田所の侵略に勝てるかもしれない。そう思った瞬間、頭痛がした。
(侵略? はて、何のことだったか?)
そう思ったとき、何かの記憶がまた消えた。尚子が椅子から立ち上がると、ベッドの脇に移動し、腰をかがめ橋本の顔に接近し小声で言う。
「おじさん、手術後、再生細胞と既存細胞の交換のため、体の生体エネルギーが使われ始めるため、体力と精神力を消耗していくから、なるべく、エネルギーの消耗を防がなければならないの。その対策をこれからするからね、協力してね……」と、うれしそうに言う尚子の説明を橋本は聞いていた。そのとき、橋本はベッドから起き上がれない状態だが、手足、首など、まだ体の周囲には伸ばせる範囲で動かせた。
「そう…… なのか? じゃ、頼むもうかなぁ……」
橋本はそう言って、尚子の顔を見つめた。尚子はいつになく満面の笑みを浮かべた。尚子は田所の記憶が橋本の脳に入る前に、橋本だけの記憶を持った橋本と、心と体のつながりを持ちたくてうそを付いた。この尚子の行為が、田所の記憶を侵略させる時間を加速させることになるとは予想外のことだったが、結果的に尚子の行動が後になって、橋本の再生のために、幸運をもたらすことになった。
ニコニコ顔の尚子は橋本の顔を見つめたまま、後ずさりしながら、ドアまで後ろ向きに下がって行き、鍵を後ろ手で掛けた。直後、尚子はさらに笑みを浮かべた。
(フフフゥー もう、誰にも邪魔されないわ、おじさん、逃げられないよぉー)
心の中がルンルン気分の尚子は橋本の前に戻ると、橋本の顔に顔を近づけた。尚子の顔が橋本の顔10㎝まで近づいた。
「おじさん、この前、あたしと友だちになったよね。いっしょにベッドで寝たよね……でも、あのとき、何も…… なかったよね…… おじさん、会って直ぐエッチするのが嫌な人なんでしょ?」
橋本は黙っていた。今だって、何も起きないよ、と言いたかった。
「こんなに、顔が間近だと、あたしとキスしたくなってるでしょ?」
(こんな美少女の顔を目の前に置かれて、そう思わない健康な男はいるのか?)
尚子に聞かれた橋本は心の中で即座に思った。橋本には、心棒が元気に起立し始めているのが分かった。橋本は尚子が隣にいると、いつだって勃起してしまう。
尚子は「友だちはあいさつ代わりに、みんな、キスをするのよ」と当然のごとく言う。外国の文化が、日本に浸透してきたから、ともっともらしく言う。学園の同級生たちは、ボーイフレンドと自然にキスをしているとも言う。橋本も冷静に考えれば、そんな外国の文化が即座に浸透するわけはない。尚子は言葉としぐさで橋本を翻弄(ほんろう)する。尚子があおり立てる言葉を聞くと、橋本の心棒はさらに怒張していった。学園1年生の尚子から見れば橋本はおじさんだが、32歳の童貞の青二才だった。 | 蜃気楼《しんきろう》の女の血統を持つ尚子に挑発され、尚子の妖艶な魅力が加わり、橋本はすっかり取り込まれていく。アラビアーナ国の隣国の男が、女たちに拉致されたように、橋本は尚子に拉致され、キスを許した。1度、許すと、橋本の性欲に対するたがが完全に崩壊した。その後、尚子は何度も橋本にキスを求めた。そのキスがたまらないほど橋本の全身を気持ちよさで包んだ。尚子の超能力を駆使した性技にとりつかれた橋本は尚子の体中に絡め取られていく。
彼女が橋本に何度も言ってくれたように、橋本もいつまでも手を取り合っていられるくらい、そばにいたい、と思った。尚子との関係をもっと深めていきたかった。橋本は、彼女と一緒にいたい、と心から願った。
次の瞬間、彼女の名前が思い出せない。彼女の顔がぼやけてきた。橋本は横たわりながら、彼女の顔を思い描こうとしたが、頭の中がクラクラしてきて、眠りに落ちた。
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橋本はいい香りの中、心地よく目を覚ました。目を開けると、いつも出てくるかわいい女の子・尚子が、ベッドのすぐ脇で腰掛けていた。今日はあの子の名前をすんなり思い出すことができた。記憶を引き出す鍵のようなものがあるのではないか、と橋本は考えた。それが分かれば、田所の侵略に勝てるかもしれない。そう思った瞬間、頭痛がした。
(侵略? はて、何のことだったか?)
そう思ったとき、何かの記憶がまた消えた。尚子が椅子から立ち上がると、ベッドの脇に移動し、腰をかがめ橋本の顔に接近し小声で言う。
「おじさん、手術後、再生細胞と既存細胞の交換のため、体の生体エネルギーが使われ始めるため、体力と精神力を消耗していくから、なるべく、エネルギーの消耗を防がなければならないの。その対策をこれからするからね、協力してね……」と、うれしそうに言う尚子の説明を橋本は聞いていた。そのとき、橋本はベッドから起き上がれない状態だが、手足、首など、まだ体の周囲には伸ばせる範囲で動かせた。
「そう…… なのか? じゃ、頼むもうかなぁ……」
橋本はそう言って、尚子の顔を見つめた。尚子はいつになく満面の笑みを浮かべた。尚子は田所の記憶が橋本の脳に入る前に、橋本だけの記憶を持った橋本と、心と体のつながりを持ちたくてうそを付いた。この尚子の行為が、田所の記憶を侵略させる時間を加速させることになるとは予想外のことだったが、結果的に尚子の行動が後になって、橋本の再生のために、幸運をもたらすことになった。
ニコニコ顔の尚子は橋本の顔を見つめたまま、後ずさりしながら、ドアまで後ろ向きに下がって行き、鍵を後ろ手で掛けた。直後、尚子はさらに笑みを浮かべた。
(フフフゥー もう、誰にも邪魔されないわ、おじさん、逃げられないよぉー)
心の中がルンルン気分の尚子は橋本の前に戻ると、橋本の顔に顔を近づけた。尚子の顔が橋本の顔10㎝まで近づいた。
「おじさん、この前、あたしと友だちになったよね。いっしょにベッドで寝たよね……でも、あのとき、何も…… なかったよね…… おじさん、会って直ぐエッチするのが嫌な人なんでしょ?」
橋本は黙っていた。今だって、何も起きないよ、と言いたかった。
「こんなに、顔が間近だと、あたしとキスしたくなってるでしょ?」
(こんな美少女の顔を目の前に置かれて、そう思わない健康な男はいるのか?)
尚子に聞かれた橋本は心の中で即座に思った。橋本には、心棒が元気に起立し始めているのが分かった。橋本は尚子が隣にいると、いつだって勃起してしまう。
尚子は「友だちはあいさつ代わりに、みんな、キスをするのよ」と当然のごとく言う。外国の文化が、日本に浸透してきたから、ともっともらしく言う。学園の同級生たちは、ボーイフレンドと自然にキスをしているとも言う。橋本も冷静に考えれば、そんな外国の文化が即座に浸透するわけはない。尚子は言葉としぐさで橋本を翻弄(ほんろう)する。尚子があおり立てる言葉を聞くと、橋本の心棒はさらに怒張していった。学園1年生の尚子から見れば橋本はおじさんだが、32歳の童貞の青二才だった。 | 蜃気楼《しんきろう》の女の血統を持つ尚子に挑発され、尚子の妖艶な魅力が加わり、橋本はすっかり取り込まれていく。アラビアーナ国の隣国の男が、女たちに拉致されたように、橋本は尚子に拉致され、キスを許した。1度、許すと、橋本の性欲に対するたがが完全に崩壊した。その後、尚子は何度も橋本にキスを求めた。そのキスがたまらないほど橋本の全身を気持ちよさで包んだ。尚子の超能力を駆使した性技にとりつかれた橋本は尚子の体中に絡め取られていく。
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