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第35章 現代の安田邸
6話
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ところが、進一の前に、たった今まで、服を脱いでいた尚子はいなかった。裸の人形が作業台の上に横たわっていた。部屋に入ったときと同じ状態のように進一には思えた。
(エエェー どういうことぉーー?)
進一は楽しい妄想が終えんしてしまったことを確信した。目の前に横たわる人形の表面にそっと手のひらを置いてみた。人間のような暖かさは感じないが、肌と同じ感触だ。
「やはり暖かさまではないんだね?」
進一がすぐそばに立っている尚子を見て言う。
「今、電源が入ってないからよ……」
尚子はそう言ってから、人形の前髪の毛を両手で探った。
ブィーンーー
という低い音と同時、突然、人形のまぶたが開いた。
「プログラムを始動します」
人形が声を出した。閉じていた唇の動きを見た進一は、顔の表情にも目を見張った。それは生きているようだ。仰向けに寝ていた人形が、体の脇に置いていた腕を動かしながら、上半身を起こしていく。少しずつ両手を背中の後ろに移動させ、上半身を支えているような姿勢で動きが止まった。そろえていた両膝をわずかに開いていく。M字の形にして止まると、太ももの付け根の心棒が少しずつ角度を上げて起立し始めた。やがて、へその部分まで、それの先端がせり上がって腹の皮に先端が行き場を失って止まった。パンパンに腫れた心棒は、さらに起立しようとするかのように、トクントクンと鼓動にあわせ、腹の皮をノックするように動いていた。進一は姿見の前で、尚子を思ってたけ狂う自分を見ている気がして固唾をのんだ。
「す、すごいリアルだね…… これって、どうして? ここまで正確に作れるの?」
そう言いながら、進一は人形の膨れきった肉棒を見て、市場調査しているアダルドドールのことを思い出した。セックスのできる精巧なドールが若者に人気で買われているという報告を部下から受けていた。進一はそのドールの存在を知ったが、実態は不明となっていた。
「これが…… うわさのアダルト・ドールか?」
進一は、自分に見まがうほど、そっくりに作られた人形の精巧さに驚いた。尚子はこれをどこかから手に入れたに違いない。こんな精巧なものを、自分と同じ体の人形を尚子が作れるはずがない。だいたい、幼かった頃から、いつも後ろから付いてきて離れなかった。進一のそばにいつもいたのだから、人形を作る必要がなかったはずだ。
しかし、中学思春期の女の子と、いつも一緒に遊ぶのも、同級生の手前、はばかれるので、なるべく、会わないよう尚子を避けた。すると、しばらくして、尚子の母親から、週1回だけでいいからと、家庭教師を頼まれた。
だから、尚子と遊ぶことはなくなったが、また、週1回だけ、肩を並べるようになった。週1回、尚子を見ると、さなぎからちょうになるように奇麗になっていくのが目に見えて分かるような美少女になっていった。すると、進一は今までなんとも思っていなかった尚子に対し、みだらな妄想がするようになっていた。健康な思春期の男子であれば当然な成長だった。
しかし、進一の尚子に対する妄想は、みだらさを逸脱するようなみだらさで、自分の異常さを卑下した。だから、尚子の大学合格を機会に、彼女から距離を取った。
(待てよ…… 大学合格後、尚子の前から姿を消したことが原因なのか?)
しばらく、考えても、原因はそれしか思い当たらない。
ここ数カ月間の尚子の進一に対する職場でのエロい挑発行動を見ていた進一は、尚子がこれを手に入れて、毎日のように、抑えきれない性欲のはけ口にするため、ドールを購入したに違いないと確信した。
(エエェー どういうことぉーー?)
進一は楽しい妄想が終えんしてしまったことを確信した。目の前に横たわる人形の表面にそっと手のひらを置いてみた。人間のような暖かさは感じないが、肌と同じ感触だ。
「やはり暖かさまではないんだね?」
進一がすぐそばに立っている尚子を見て言う。
「今、電源が入ってないからよ……」
尚子はそう言ってから、人形の前髪の毛を両手で探った。
ブィーンーー
という低い音と同時、突然、人形のまぶたが開いた。
「プログラムを始動します」
人形が声を出した。閉じていた唇の動きを見た進一は、顔の表情にも目を見張った。それは生きているようだ。仰向けに寝ていた人形が、体の脇に置いていた腕を動かしながら、上半身を起こしていく。少しずつ両手を背中の後ろに移動させ、上半身を支えているような姿勢で動きが止まった。そろえていた両膝をわずかに開いていく。M字の形にして止まると、太ももの付け根の心棒が少しずつ角度を上げて起立し始めた。やがて、へその部分まで、それの先端がせり上がって腹の皮に先端が行き場を失って止まった。パンパンに腫れた心棒は、さらに起立しようとするかのように、トクントクンと鼓動にあわせ、腹の皮をノックするように動いていた。進一は姿見の前で、尚子を思ってたけ狂う自分を見ている気がして固唾をのんだ。
「す、すごいリアルだね…… これって、どうして? ここまで正確に作れるの?」
そう言いながら、進一は人形の膨れきった肉棒を見て、市場調査しているアダルドドールのことを思い出した。セックスのできる精巧なドールが若者に人気で買われているという報告を部下から受けていた。進一はそのドールの存在を知ったが、実態は不明となっていた。
「これが…… うわさのアダルト・ドールか?」
進一は、自分に見まがうほど、そっくりに作られた人形の精巧さに驚いた。尚子はこれをどこかから手に入れたに違いない。こんな精巧なものを、自分と同じ体の人形を尚子が作れるはずがない。だいたい、幼かった頃から、いつも後ろから付いてきて離れなかった。進一のそばにいつもいたのだから、人形を作る必要がなかったはずだ。
しかし、中学思春期の女の子と、いつも一緒に遊ぶのも、同級生の手前、はばかれるので、なるべく、会わないよう尚子を避けた。すると、しばらくして、尚子の母親から、週1回だけでいいからと、家庭教師を頼まれた。
だから、尚子と遊ぶことはなくなったが、また、週1回だけ、肩を並べるようになった。週1回、尚子を見ると、さなぎからちょうになるように奇麗になっていくのが目に見えて分かるような美少女になっていった。すると、進一は今までなんとも思っていなかった尚子に対し、みだらな妄想がするようになっていた。健康な思春期の男子であれば当然な成長だった。
しかし、進一の尚子に対する妄想は、みだらさを逸脱するようなみだらさで、自分の異常さを卑下した。だから、尚子の大学合格を機会に、彼女から距離を取った。
(待てよ…… 大学合格後、尚子の前から姿を消したことが原因なのか?)
しばらく、考えても、原因はそれしか思い当たらない。
ここ数カ月間の尚子の進一に対する職場でのエロい挑発行動を見ていた進一は、尚子がこれを手に入れて、毎日のように、抑えきれない性欲のはけ口にするため、ドールを購入したに違いないと確信した。
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