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第22章 学園長・田所平八郎
2話
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櫻子は、初心を忘れず、学園長の秘書をしながら、学園長の仕事を早く吸収しようと真剣だった。彼女は、学園の授業が終了すると、慣れない仕事で、張り詰めた気持ちが解放された。学園長を平八さん、って呼ぶような関係に打ち解けていた。それほど、櫻子の気持ちを包んでくれた。彼と一緒にいると、ほっとする。虐げられた民族、アラビアーナ人として、女王妃という称号ではあったが、国民そのものがこそこそ隠れて生きてきた。日本は別世界で驚くことばかりだった。とにかく、彼といると、安らぐ、櫻子は平八郎を見つめる。
学園長は、櫻子が学園に来た日、校舎の離れにある学生寮に櫻子を住まわせた。女子寮として建てた木造2階建ての洋館である。今では、共同生活を好まない生徒が増えたため、使われていない。
「櫻子さん、部屋はいっぱいありますから、どこでも好きな部屋を使ってかまいませんよ。わたしもここに住んでます。部屋は一番奥です。食事は食堂です」
櫻子は学園長というポストを日本国の乗っ取り計画の第1段階の目標にしていたが、いつのまにか、その目標のポストは、学園長代行になり、学園長に会ったその晩? あたし、秘書? になり、やがて、あたし、お手伝いさん? になり、さらに夜も更けていくと、夕食を一緒に食べながら、ついに、あたし、ホステス嬢? になったりした。二人で食事をしながら楽しく話す。そんな楽しい時間を共有できる平八郎だから、このまま、深夜には、ものすごく深い関係になるような気がしてきた。そう思ったら興奮し食事が喉を通らない。心臓がドキドキ、そわそわして、いよいよ、処女喪失、この老人が初めての男になる? という根拠のない予感がした。気持ちが高ぶり、今夜、平八郎の女に、なっちゃう? 独身を貫いて教育界にしか力を注がなかった平八郎は、今宵、己のパワーを教育以外に初めて向ける。それが、あたし? 山野櫻子。すごく光栄なことかも? 彼の人間的な魅力は大きく、色仕掛けでたぶらかそうとしていた櫻子の心はすっかり陰を潜めていた。体の関係もいいが、一緒にいて話していると、心が癒やされる。櫻子は平八郎とならこれからやっていける、あたしの心を邪心から救ってくれる? そう思うと気持ちが高ぶった。児玉進一でなくても大丈夫。否、平八郎でなければダメ、とまで思い、平八郎と一緒にいたい、と心から思うようになった。あたしのすべてを愛してもらいたいし、平八郎のしわしわの体をしわに沿って、とことんなめてあげたくなった。彼の生きてきた勲章だから。
深夜、平八郎のメタボ腹が、仰向けに横たわる櫻子の柔肌の上に重なる。そんな姿を想像した。そして、平八郎は寄り添った櫻子の体を優しくぎゅっと圧迫しながら乳房を両手でもみあげる。強くもなく弱くもない、柔らかでマシュマロみたいな捉えどころのない手の動きに、全身で感じた櫻子は、とても幸せな気持ちになって天に昇っていく。そして、ちつの奥深くの壁に、固くなった肉棒の先で突かれる。それでいて、マシュマロのような鬼頭がちつの壁を強く押し当てる、それが心地良くて、歓喜の悲鳴を上げてしまった。
「ぁあぁあー うぅうぅー」
櫻子がそんな展開を想像したら、心臓が苦しくなってきた。たまらず、自分の乳房を両腕できゅっと抱きしめた。この人に抱き寄せられながら、自室に導かれていく。そして、ベッドインするのだ。先を歩く平八郎が立ち止まり、振り返ると櫻子を見つめて言った。
「では、遅いし、明日もあるから寝ましょうか?」
この言葉を聞いた櫻子は、ついに平八郎の部屋に導かれる、と思った。ところが、平八郎は言葉をつないだ。
「あっ、櫻子さんはこちらの部屋がいいと言っていましたよね? 私の部屋は奥ですから、では、きょうはお疲れさまでした。おやすみなさい」
平八郎は櫻子にあいさつの言葉を告げると、きびすを返し先に進んでいった。そして、彼はドアを開けて部屋の中へ消えた。
「えっ? えっ? やっぱり、あたしの体は目的ではなかったの? え? あたしの、何が目的なの?」
櫻子はモヤモヤした気持ちを抱きながら、自分の部屋に入った。しかし、慣れない仕事を一生懸命にこなしていたため、ベッドに飛び込み、横になったらいつの間にか眠った。
学園長は、櫻子が学園に来た日、校舎の離れにある学生寮に櫻子を住まわせた。女子寮として建てた木造2階建ての洋館である。今では、共同生活を好まない生徒が増えたため、使われていない。
「櫻子さん、部屋はいっぱいありますから、どこでも好きな部屋を使ってかまいませんよ。わたしもここに住んでます。部屋は一番奥です。食事は食堂です」
櫻子は学園長というポストを日本国の乗っ取り計画の第1段階の目標にしていたが、いつのまにか、その目標のポストは、学園長代行になり、学園長に会ったその晩? あたし、秘書? になり、やがて、あたし、お手伝いさん? になり、さらに夜も更けていくと、夕食を一緒に食べながら、ついに、あたし、ホステス嬢? になったりした。二人で食事をしながら楽しく話す。そんな楽しい時間を共有できる平八郎だから、このまま、深夜には、ものすごく深い関係になるような気がしてきた。そう思ったら興奮し食事が喉を通らない。心臓がドキドキ、そわそわして、いよいよ、処女喪失、この老人が初めての男になる? という根拠のない予感がした。気持ちが高ぶり、今夜、平八郎の女に、なっちゃう? 独身を貫いて教育界にしか力を注がなかった平八郎は、今宵、己のパワーを教育以外に初めて向ける。それが、あたし? 山野櫻子。すごく光栄なことかも? 彼の人間的な魅力は大きく、色仕掛けでたぶらかそうとしていた櫻子の心はすっかり陰を潜めていた。体の関係もいいが、一緒にいて話していると、心が癒やされる。櫻子は平八郎とならこれからやっていける、あたしの心を邪心から救ってくれる? そう思うと気持ちが高ぶった。児玉進一でなくても大丈夫。否、平八郎でなければダメ、とまで思い、平八郎と一緒にいたい、と心から思うようになった。あたしのすべてを愛してもらいたいし、平八郎のしわしわの体をしわに沿って、とことんなめてあげたくなった。彼の生きてきた勲章だから。
深夜、平八郎のメタボ腹が、仰向けに横たわる櫻子の柔肌の上に重なる。そんな姿を想像した。そして、平八郎は寄り添った櫻子の体を優しくぎゅっと圧迫しながら乳房を両手でもみあげる。強くもなく弱くもない、柔らかでマシュマロみたいな捉えどころのない手の動きに、全身で感じた櫻子は、とても幸せな気持ちになって天に昇っていく。そして、ちつの奥深くの壁に、固くなった肉棒の先で突かれる。それでいて、マシュマロのような鬼頭がちつの壁を強く押し当てる、それが心地良くて、歓喜の悲鳴を上げてしまった。
「ぁあぁあー うぅうぅー」
櫻子がそんな展開を想像したら、心臓が苦しくなってきた。たまらず、自分の乳房を両腕できゅっと抱きしめた。この人に抱き寄せられながら、自室に導かれていく。そして、ベッドインするのだ。先を歩く平八郎が立ち止まり、振り返ると櫻子を見つめて言った。
「では、遅いし、明日もあるから寝ましょうか?」
この言葉を聞いた櫻子は、ついに平八郎の部屋に導かれる、と思った。ところが、平八郎は言葉をつないだ。
「あっ、櫻子さんはこちらの部屋がいいと言っていましたよね? 私の部屋は奥ですから、では、きょうはお疲れさまでした。おやすみなさい」
平八郎は櫻子にあいさつの言葉を告げると、きびすを返し先に進んでいった。そして、彼はドアを開けて部屋の中へ消えた。
「えっ? えっ? やっぱり、あたしの体は目的ではなかったの? え? あたしの、何が目的なの?」
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