蜃気楼の女

窓野枠

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第19章 遺伝子

3話

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 櫻子は叫んだ。その高揚感が大きくなって自分に穴から喚起の清水が湧き出てくる。感じれば感じるほど、自分の魔性力が抑えきれなくなってきた。速く同胞を探し、その同胞とセックスしてエネルギーを放出し、さらなるセックスの連鎖を拡大させ同胞を増やす。猶予はできない。櫻子のおまんこがひくひくとうずく。櫻子は空港のロビーに立つと、うずうずする股間を静めるため、目を閉じ、ゆっくりと呼吸をし、体中の毛穴を、おまんこの穴を周囲に向けた。櫻子のおまんこから放出されたおまんこ波は、同心円状に振動が広がっていった。ビンビンビン。空港の建物が少しずつ振動し始める。カタカタカタ カタカタカタ カタカタカタ やがて空港の建物が揺れ出した。その振動波は少しずつ空港のビルを超え、周囲に広がっていく。  
 その頃、時を同じくして、家庭教師として訪れている児玉進一とともに、高校生2年生の尚子は自室で勉強していた。尚子の隣には進一が座っている。  
「あ、地震かな?」  
 進一がぽつりとつぶやいた。尚子が全身に振動波を感じ始めた。
 「これは? 超能力波?」
 尚子も独り言を言うと、顔をゆがめ、両手で股間を押さえた。ものすごい快感の嵐を股間で感じた。尚子は同化しようとする超能力波から受ける快感の嵐を防ぐように、歓喜の声を押し殺そうとして唇をかみしめ、股間をもじもじさせた。懸命に歯を食いしばり、快感を押さえようとする。そうしないと、進一をいつものように幻想魔性力で犯し、いたぶる前に、自分がいってしまい、失神してしまいそうだった。尚子のおまんこから蜜が溢れ出ていた。溢れ出た蜜が股を伝って白い筋を残しながら床の上に流れ落ちていく。床に恥ずかしい水たまりを作ってしまう。尚子は椅子に座っていることができなくなり、慌てて立ち上がった。バランスを崩し、膝が砕け、ひざまずいて進一の膝にもたれかかった。  
「足がガクガクだわ、力が入らないほど、快感で筋肉が弛緩している。あたしはついに淫乱女になったの? 進一の肉棒をくわえたくてたまらないのに。もう、限界よ。何で、いっちゃうの? 訳分からないわ。こんな恥ずかしい醜態を進一と交わらないで感じてしまうなんて恥ずかしいわ。あたし、壊れたの?」  
 いつも進一の射精をコントロールし、いじめていた自分が、あろうことか、進一の前で、絶頂感に浸って果ててしまう無様な醜態を見せるわけにはいかない。進一は尚子がそんな状態になっているなんて全く知ることはできない。尚子はプライドが許さなかった。進一と交わっていくという目標があった。それが、なんと、経験したことのないあがないきれないほどの快感が、次から次へと、尚子の股間に押し寄せてくる。  
「アアアアアーーー 何なのよ、これ? あたし、壊れたの? もう、いっちゃうーーーー いっちゃうよーーー 進一、許してーーー」  
 小気味よい振動波が股間をちつの中を、尚子の抵抗をものともせずに激しく暴れる。尚子はついに進一の前で果てると失神した。物理的には櫻子と尚子は離れてはいたが、櫻子は魔性力で、進一と尚子の心の一部始終を見つめていた。尚子は自室の床に転がり、胸を大きく上下させながら息をハーハー荒げ、腰を上下に波打たせていた。失神してはいたが、体が自然にさらなる快楽をのぞんで反応していた。条件反射のごとく、腰がうねる。今までに感じたことのない快感が尚子を襲った。
 「尚ちゃん、大丈夫かい? 呼吸ができないの?」
 進一が尚子の背中をゆっくりさする。息を吹き返した尚子は目を開いた。尚子を抱きかかえている進一の顔が目の前にあった。進一の慈悲のまなざしがあった。裸の尚子を抱いた進一は興奮の絶頂だった。進一のいきり立ったジュニアが尚子の腰骨を押しているのを感じた尚子は、懇願するように声を絞り出した。  
「もう、限界、我慢の限界、進ちゃん、それ、入れて! あたしとしたいでしょ? いつも、あたしの写真をおかずにしてるよね? もう、リアルなあたしを抱いて!」  
 尚子のエロさを振動波が増幅し、尚子の理性を破壊してしまった。もう、尚子に怖い物はなかった。彼女は中学生から抱いていた好青年の進一を犯すという目的を、この場で実行する決心を固めた。自分の能力を使わないで、進一の本心から尚子を犯すように仕向ける。そう仕向けないと、彼はオナニーで満足してしまう。  
「進ちゃん、胸が苦しい、胸よーー 」  
# 尚子が潤んだ目を進一の顔に向けて小さな声で苦しそうにうめいた。  
「胸が苦しいんだね? 分かったよ」  
 進一は尚子の背中に当てていた手を尚子の腕の下をくぐらせ、腹部に到達させた。その手を上に少しずつすべらせていく。柔らかい胸の感触を手のひらで感じた。  
「あ、ここでいいのかい?」  
 尚子は体を前屈みにしながら、首を縦に振った。  
「さすって……」  
「こうかい?」  
 進一は後ろから左手を尚子のふくよかな乳房に移した。両手のひらで尚子の体を後ろから包み込むような形で、乳房をゆっくり軽く手のひらをはわせるように上下左右にゆっくりさすった。  
「ああ、進ちゃん、とてもいいわあーーー」  
 尚子の両手は股間を必死に押さえていた。進一の手が動くたび、尚子の腕はさらに股間を強く押さえ付けた。進一から観ると尚子は本当に苦しそうだった。
 「尚ちゃん、救急車を呼ぼうか?」
「ばか! 進ちゃんのバカ! これは病気なんかじゃないの」  
「え? 苦しいんだろ? 辛そうだよ……」  
 進一は心配そうに尚子の乳房をゆっくりさする。しかし、進一は病気ではないことを尚子から聞かされて少し安心し、少女の胸の膨らみをもんでいる自分に恥ずかしさを覚えた。自分は少女になんてことをしているのだ、自責の念が今更ながら湧き上がった。こんな状況、家族に見られたら、どう説明したらいいのだろう? 進一は訳が分からずも、尚子の乳房をもみしだき続けた。もみしだくたびに、前屈みになっていた尚子はだんだんと胸を反らして背後にいる進一に体を預けてきた。進一の肩の上に後頭部を乗せて、苦しそうにしている。進一が尚子の乳房をもむたびに、尚子の体を反らす角度が上がっている。  
「進ちゃん、いいわ、とても気持ちいい……」  
 体を反らして初めて尚子の両手の位置が見えて進一は驚いた。尚子は自分の股間を自らの手のひらでこすっていた。  
「尚ちゃん、それって?」  
 尚子は進一に寄りかかりながら、唇を進一に向けてきた。黙ったまま尚子は進一の顔を凝視していた。進一も見ていると、尚子が口から舌を延ばしている。  
「ねえ、あたしのなめて……」   
 進一の肉棒はすっかり反り返っていた。進一も尚子の胸を触るうちに、理性が跳んだ。進一は尚子の唇から伸び出た舌を目がけて自分の唇で押しつぶすように舌を絡めた。それから、舌を尚子の口の中に押し込むように強引に押し入れると、尚子の舌も進一の舌に従うように従順に絡み合った。二人は無言のまま、お互いの舌の柔らかさを楽しんだ。  
「ああ、甘い…… 甘いわ」  
 尚子は進一に訴えるように声を出すが、進一に口を覆われた尚子が、何を言っているか、分からなかった。しかし、その言葉で伝える以前に、尚子のピンクに紅潮した秘部からはたくさんの泉が、溢れるように湧き出していた。  
「アアアアアアーーーー」  
 尚子はもはや思考が停止し、本能のままに進一を感じた。  
 二人は果てると、床の上で力尽きて横たわっていた。  
 この様子を櫻子は一部始終を空港で感じた。  
「え、進一の好きな子が? 安田尚子か?」  
 櫻子の魔性能力はすさまじい力だった。一瞬のうちに進一と尚子の関係を知ってしまった。  
「尚子、あたしたち、同じ力を持つから、こんなに分かるの?」
  櫻子は白い歯を出して笑った。ソファーから立ち上がると、空港ロビーを歩きだした。
「尚子か? いい女だな、好きなタイプだ、あたしの妹よ…… たっぷり愛してやるよ……」
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