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第4章 安田邸
2話
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進一は部屋の中を見回した。尚子は受験前日に物理的に異次元空間を作り出す能力を獲得した。その方法を使えるようになっていた。脳を支配するだけではなく、物理的な操作も可能になっていた。もう、向かうところ敵なしという恐るべき能力である。進一を操作することなど、赤子の首をひねるほど簡単なことだった。実際尚子は進一の性器をくわえて、あっという間にいかせることなどお茶の子さいさいのはずで、幾度か試すが、完全な操作ができなかった。学生時代は自分の写真を見せつけ、オナニーをさせたりしてもてあそんでいたが、今では、なぜか能力が進一には働かせられないことが分かった。どうしてかいまだ解明できていない。魔性能力を進一には防御する能力が潜在的にあったようなのである。その能力が出現したに違いなかった。
マネキン人形が男女10体ずつ、直立して白いカプセルの中に入れられ、2列に並べられていた。尚子が寝起きしていると思われるベッドが1台、ロボットが整然と並んで置かれ、作業台らしき直径3メートルほどの白色の丸テーブルが置いてある。丸テーブルの脇にワゴンが並び、ワゴンにはサイズの違うドリル、のこぎり、モンキースパナ等の工具が奇麗に並べられていた。初めて見る光景であった。在宅した彼女は日常これをいじっているのだろうか? かなりのヘビーな趣味ではないだろうか。進一は尚子の知らない一面を知り、感動した。確か、東大の理工学部だったな、と今更ながら思い出す。彼女は何を専攻したのか。そういえば、彼女の夢を聞いたこともなかった。進一は大好きな尚子のことを何も知らなかった。何も知らなかったけど、そんなこと関係なしに、尚子が好きだった。どんな尚子でも好きだった。尚子しか好きになれないとも思っていたし、実際、今まで尚子以上、大切に思う人は現れていない。
「尚ちゃん、あれ、何なの、かなりリアルな人形だね、まるで、人間みたいじゃない? リアルすぎて気味悪いな。きみは人形を作る趣味があったんだ、以外だな……」
「進ちゃん、もっと、近くで見るといいよ……」
進一は尚子に手を引かれて、直立した人形の前に立った。進一は髪の長い女の体を見た。適度に膨らんだ形のいい反り返った乳房ととがった乳首と大ぶりの乳輪が生めかしい。腰はくびれ、適度な大きさの骨盤から綺麗な長い足と、もっこり膨らんだVゾーンに生えたふさふさの黒い陰毛を固唾を飲んで見つめていると、尚子が近づいてきた。
「進ちゃんも男の子だものね、どのタイプが好み?」
「こんな人形じゃ、分からないけど、この髪の長い人がいいかな?」
「フーン、進ちゃん、こういう子がタイプなの?」
「いや、選べと言うから選んだだけだよ!」
尚子しか興味のない進一は、尚子の言い方に少しイラッとした。進一は、別の列に並んだ男の人形を見た。なんと、マッチョな体形から痩せたうらなりみたいな眼鏡男、デブのメタボ男などが並んでいる。おまけにしっかりまたの間にはリアルな性器が付いている。
「尚ちゃん、このロボットって、どういうこと? 男の性器まで付いているじゃないの?」
「すごいでしょ? どのタイプも、すごいのよ」
「何? どういうこと、それ? 何がすごいの?! もしかして、セックス?」
そんなことを感情的になって、尚子に言ってしまったことを後悔したが、今までの尚子の言動を推し量ると、尚子が、ドールを使ってセックスをしているかもしれないと思ってしまった。
「ごめん、失言だった、尚ちゃん……」
進一は尚子を見つめた。尚子は考えている素振りを見せた。
「そーねー、どれも、気持ち良かったわ、そうだ、進ちゃんも試すといいわ。髪の長いメグミタイプがいいんだ…… ふーん、」
尚子はショートカットの髪をなでながら伸ばそうかな、と考えていた。そもそも、魔性の女・尚子は基本変態で、超エッチ大好きなのだ。ドールを使ってセックスをすることに何のためらいもないし、淡泊な進一は相手をしてくれないから、仕方なく、開発したのである。もちろん、オナニーグッズの研究は熱心にした。アダルトドールのAIを使った技術も時間を費やしたが、性器も同じようにリアルさはグッズを参考にして開発してきた。もちろん、使い心地はたっぷり試してきた。必要は発明の母、とはよく言ったものである。そうして開発したアダルトドールである。尚子は人間と寸分変わらない感覚を得ることができるアダルトドールを自己の作品の超最高傑作と思っている。もしかすると、人間をも超えるかも知らない、と自負していたが、進一のことを考えると、その自信は崩れる。生身の進一が最高に違いないと思っていたからである。
マネキン人形が男女10体ずつ、直立して白いカプセルの中に入れられ、2列に並べられていた。尚子が寝起きしていると思われるベッドが1台、ロボットが整然と並んで置かれ、作業台らしき直径3メートルほどの白色の丸テーブルが置いてある。丸テーブルの脇にワゴンが並び、ワゴンにはサイズの違うドリル、のこぎり、モンキースパナ等の工具が奇麗に並べられていた。初めて見る光景であった。在宅した彼女は日常これをいじっているのだろうか? かなりのヘビーな趣味ではないだろうか。進一は尚子の知らない一面を知り、感動した。確か、東大の理工学部だったな、と今更ながら思い出す。彼女は何を専攻したのか。そういえば、彼女の夢を聞いたこともなかった。進一は大好きな尚子のことを何も知らなかった。何も知らなかったけど、そんなこと関係なしに、尚子が好きだった。どんな尚子でも好きだった。尚子しか好きになれないとも思っていたし、実際、今まで尚子以上、大切に思う人は現れていない。
「尚ちゃん、あれ、何なの、かなりリアルな人形だね、まるで、人間みたいじゃない? リアルすぎて気味悪いな。きみは人形を作る趣味があったんだ、以外だな……」
「進ちゃん、もっと、近くで見るといいよ……」
進一は尚子に手を引かれて、直立した人形の前に立った。進一は髪の長い女の体を見た。適度に膨らんだ形のいい反り返った乳房ととがった乳首と大ぶりの乳輪が生めかしい。腰はくびれ、適度な大きさの骨盤から綺麗な長い足と、もっこり膨らんだVゾーンに生えたふさふさの黒い陰毛を固唾を飲んで見つめていると、尚子が近づいてきた。
「進ちゃんも男の子だものね、どのタイプが好み?」
「こんな人形じゃ、分からないけど、この髪の長い人がいいかな?」
「フーン、進ちゃん、こういう子がタイプなの?」
「いや、選べと言うから選んだだけだよ!」
尚子しか興味のない進一は、尚子の言い方に少しイラッとした。進一は、別の列に並んだ男の人形を見た。なんと、マッチョな体形から痩せたうらなりみたいな眼鏡男、デブのメタボ男などが並んでいる。おまけにしっかりまたの間にはリアルな性器が付いている。
「尚ちゃん、このロボットって、どういうこと? 男の性器まで付いているじゃないの?」
「すごいでしょ? どのタイプも、すごいのよ」
「何? どういうこと、それ? 何がすごいの?! もしかして、セックス?」
そんなことを感情的になって、尚子に言ってしまったことを後悔したが、今までの尚子の言動を推し量ると、尚子が、ドールを使ってセックスをしているかもしれないと思ってしまった。
「ごめん、失言だった、尚ちゃん……」
進一は尚子を見つめた。尚子は考えている素振りを見せた。
「そーねー、どれも、気持ち良かったわ、そうだ、進ちゃんも試すといいわ。髪の長いメグミタイプがいいんだ…… ふーん、」
尚子はショートカットの髪をなでながら伸ばそうかな、と考えていた。そもそも、魔性の女・尚子は基本変態で、超エッチ大好きなのだ。ドールを使ってセックスをすることに何のためらいもないし、淡泊な進一は相手をしてくれないから、仕方なく、開発したのである。もちろん、オナニーグッズの研究は熱心にした。アダルトドールのAIを使った技術も時間を費やしたが、性器も同じようにリアルさはグッズを参考にして開発してきた。もちろん、使い心地はたっぷり試してきた。必要は発明の母、とはよく言ったものである。そうして開発したアダルトドールである。尚子は人間と寸分変わらない感覚を得ることができるアダルトドールを自己の作品の超最高傑作と思っている。もしかすると、人間をも超えるかも知らない、と自負していたが、進一のことを考えると、その自信は崩れる。生身の進一が最高に違いないと思っていたからである。
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