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第2章 魔性の女・安田尚子
6話
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「先生、午後2時ですよ」
児玉は尚子の声を聴いて、我に返った。目を開けると、尚子がいた。尚子はシャーペンシルを右手で回転させながら、児玉を見ていた。
「進ちゃん、大丈夫?」
尚子はいつもの清楚で、清純な尚子に戻っていた。もう、あの魔性の女・櫻子の姿もなかった。あの忌まわしい幻想は何だったんだろう。これが現実である。児玉は今までの一切合切が幻想だったことを理解した。なぜなら、尚子はいつもどおりの尚子だったからだ。パンティ姿の妖艶な尚子や、全裸の乱れきった尚子は、あの幻想の中の世界だけ存在する魔性の女だ。現実の尚子とは別人である。
だが、児玉は少し寂しく感じた。悪夢のような魔性の世界のほうが、ワクワクしたかもしれない。悪夢の世界に生きたら波瀾万丈の世界にいつも張りを持って生きられた。
でも、この穏やかで静かな世界が自分には相応しい。この世界でしか僕は生きられない。
「ごめんね。僕もさすがに毎日尚ちゃんの勉強を見てきたから疲れが出たのかもしれない。今日で終わりだからね。ちょっと、気が抜けたんだ、きっと……」
そう言った児玉は尚子を見た。もう、この子とも今日を境に会うことはないだろう。こんなかわいい子は他にいないだろう。
「進ちゃん、あたしのお願い聞いてくれる?」
尚子が神妙な顔をして、ミニスカートから出た膝を児玉に向けた。児玉は綺麗な足だな、と思った。その瞬間、尚子は膝を使って児玉の足を押しながら前に接近してきた。真剣さを通り越し怖いくらいだ。
「進ちゃん、あたしを女にしてほしいの!」
その言葉を聞いた児玉は櫻子を探した。櫻子の姿はなかった。
「進ちゃん、どうしたの? あたし、嫌いなの?」
今までの経過があるせいか、尚子の大胆な誘いに、決して、驚くことがなかった。むしろ自然の流れのような気がした。だって、僕は尚子が大好きなんだから、当然、愛し合って当然なんだ。そんな風に、児玉の考え方が、最初にこの部屋に入ったときと比べて、変わっていた。そして、ふと思った。尚子も変わったのではないか? 最初は確かキスをして、と言っていたではないか?
これは現実の世界である。しかし、つい今し方まで悪夢を見続けてきたのである。児玉は自分の左手の甲を右手で強くつねった。痛い、やはり、これは間違いなく現実である。
「尚ちゃん、キスでしょ? 順番でいくと。きみは本当におませで困るな。冗談にもほどがあるぞ…… ふしだらな冗談は可憐な女の子には似合わないぞ」
感受性の強い高校生の女子には良くあることだ。困った願望を人に伝えて人をからかう。
「進ちゃんって、乗りが悪いのね、 あー、つまらない。進ちゃんとならエッチしてもいいかな、って思ったから言ったのよ……」
「バカいうんじゃないぞ! ほんと、怒るぞ!」
児玉が尚子に怒った顔をして言うと、尚子は唇をとがらかせて、児玉の顔に自分の唇を近づけて逆襲してきた。
「分かったわ、エッチ駄目なら、キスして…… それならいいでしょ? デープでね、ファーストはもう3年前にして貰ってるからね。舌と舌を絡ませる奴、もう、あたし、大人の女よ、進ちゃん、して、して……」
尚子は口をすぼめ、タコみたいに唇をとがらして、目を思い切り閉じたと思ったら、うっすら片目を開けて様子を伺っている。児玉はその顔を見て笑った。
「まいったな、尚ちゃんには…… キスする気もなくなるよ、それじゃ、顔がまるでひょっとこ、 蛸のはっちゃんだよ」
尚子は片目を開けて児玉の様子を見ていたが、首を左右にブルブル振った。
「馬鹿にしないでよ! 見くびらないで! あたしって、遊んでいて、すっごい経験豊富なのよ、もう、男遊び、一杯しちゃってるから、ね、お願い……だから、してほしい……」
尚子は豊満な胸を児玉の体に押しつけてきた。
「ねえ、進ちゃん! ねえ! もう、してって!」
尚子はそう言うと、両手を児玉の肩の上に乗せて、顔を児玉の前に出した。
「もう、あたしが進ちゃんの唇を奪っちゃうから……」
そう言うと、尚子は進一の唇に自分の唇を一気に近づけた。進一と尚子は唇を重ねた。
「はい、そこまで、現行犯逮捕です!」
児玉は尚子と唇を重ねた途端、女の声がして驚いた。二人しかこの部屋にはいないはずなのに。
「いけませんねえ、安田尚子17歳、東京都淫行条例により、児玉進一を淫行条例未遂容疑で現行犯逮捕します」
児玉は尚子から唇を外し、声のするほうを見た。その主は、山野櫻子だった。
「あああー また、きみか? きみは現実にいるんだ。もう、僕には何が何だか分からないよ。きょうは悪夢だよー」
そう言った児玉のそばに、部屋の入り口に立っていた櫻子が、不敵な笑いを浮かべ歩み寄ってきた。
「このまま、エッチしたら、あんた、犯罪者だよ、いいのかい? あたしなら18歳とっくに過ぎたし、大丈夫だけどね」
そう言いながら櫻子が近づいてきて児玉のすぐ脇に立った。そして、尚子と抱き合っていたそばを割るように、櫻子が間に腕を入れてくると、その腕を下ろしていって、児玉の股間でいきり立っていた肉棒の先を握った。
「やっぱりこんなになってるね。尚子、危なかったよ! 我慢汁も一杯出てるよ! ヌルヌルだよ。あんた、やられるところだったよ!」
そう言った櫻子は児玉の握っていた肉棒を上下に動かした。
「バカ、櫻子さまのバカ、あたしが頼んで、キスしてから、入れてもらおうと思ってたのに、台無しよ、櫻子さまの大バカ!」
尚子が不服そうに櫻子をにらみ付ける。
「あんた、そんなにこの人のこと、好きなんだ? やるねえ、それなら、これから、あんたを補佐で使ってあげるから、3Pしよっか?」
「おい、きみたち、何をそんなぁー 僕を無視して、そんな馬鹿な相談してるんだ? 僕はきみとはしないぞ!」
「あら、そう? こんなに大きくはち切れそうになっているのに? 我慢できるのかしら? ほらほら、こんなに固くなっててよー」
櫻子は進一の芯棒を指でつまみ、こねくり回した。進一はあまりの気持ちよさに腰が砕けた。
「ああああー、いいいーー」
児玉はこのままこの悪夢の幻想が永遠に続けばいいと思った。
児玉は尚子の声を聴いて、我に返った。目を開けると、尚子がいた。尚子はシャーペンシルを右手で回転させながら、児玉を見ていた。
「進ちゃん、大丈夫?」
尚子はいつもの清楚で、清純な尚子に戻っていた。もう、あの魔性の女・櫻子の姿もなかった。あの忌まわしい幻想は何だったんだろう。これが現実である。児玉は今までの一切合切が幻想だったことを理解した。なぜなら、尚子はいつもどおりの尚子だったからだ。パンティ姿の妖艶な尚子や、全裸の乱れきった尚子は、あの幻想の中の世界だけ存在する魔性の女だ。現実の尚子とは別人である。
だが、児玉は少し寂しく感じた。悪夢のような魔性の世界のほうが、ワクワクしたかもしれない。悪夢の世界に生きたら波瀾万丈の世界にいつも張りを持って生きられた。
でも、この穏やかで静かな世界が自分には相応しい。この世界でしか僕は生きられない。
「ごめんね。僕もさすがに毎日尚ちゃんの勉強を見てきたから疲れが出たのかもしれない。今日で終わりだからね。ちょっと、気が抜けたんだ、きっと……」
そう言った児玉は尚子を見た。もう、この子とも今日を境に会うことはないだろう。こんなかわいい子は他にいないだろう。
「進ちゃん、あたしのお願い聞いてくれる?」
尚子が神妙な顔をして、ミニスカートから出た膝を児玉に向けた。児玉は綺麗な足だな、と思った。その瞬間、尚子は膝を使って児玉の足を押しながら前に接近してきた。真剣さを通り越し怖いくらいだ。
「進ちゃん、あたしを女にしてほしいの!」
その言葉を聞いた児玉は櫻子を探した。櫻子の姿はなかった。
「進ちゃん、どうしたの? あたし、嫌いなの?」
今までの経過があるせいか、尚子の大胆な誘いに、決して、驚くことがなかった。むしろ自然の流れのような気がした。だって、僕は尚子が大好きなんだから、当然、愛し合って当然なんだ。そんな風に、児玉の考え方が、最初にこの部屋に入ったときと比べて、変わっていた。そして、ふと思った。尚子も変わったのではないか? 最初は確かキスをして、と言っていたではないか?
これは現実の世界である。しかし、つい今し方まで悪夢を見続けてきたのである。児玉は自分の左手の甲を右手で強くつねった。痛い、やはり、これは間違いなく現実である。
「尚ちゃん、キスでしょ? 順番でいくと。きみは本当におませで困るな。冗談にもほどがあるぞ…… ふしだらな冗談は可憐な女の子には似合わないぞ」
感受性の強い高校生の女子には良くあることだ。困った願望を人に伝えて人をからかう。
「進ちゃんって、乗りが悪いのね、 あー、つまらない。進ちゃんとならエッチしてもいいかな、って思ったから言ったのよ……」
「バカいうんじゃないぞ! ほんと、怒るぞ!」
児玉が尚子に怒った顔をして言うと、尚子は唇をとがらかせて、児玉の顔に自分の唇を近づけて逆襲してきた。
「分かったわ、エッチ駄目なら、キスして…… それならいいでしょ? デープでね、ファーストはもう3年前にして貰ってるからね。舌と舌を絡ませる奴、もう、あたし、大人の女よ、進ちゃん、して、して……」
尚子は口をすぼめ、タコみたいに唇をとがらして、目を思い切り閉じたと思ったら、うっすら片目を開けて様子を伺っている。児玉はその顔を見て笑った。
「まいったな、尚ちゃんには…… キスする気もなくなるよ、それじゃ、顔がまるでひょっとこ、 蛸のはっちゃんだよ」
尚子は片目を開けて児玉の様子を見ていたが、首を左右にブルブル振った。
「馬鹿にしないでよ! 見くびらないで! あたしって、遊んでいて、すっごい経験豊富なのよ、もう、男遊び、一杯しちゃってるから、ね、お願い……だから、してほしい……」
尚子は豊満な胸を児玉の体に押しつけてきた。
「ねえ、進ちゃん! ねえ! もう、してって!」
尚子はそう言うと、両手を児玉の肩の上に乗せて、顔を児玉の前に出した。
「もう、あたしが進ちゃんの唇を奪っちゃうから……」
そう言うと、尚子は進一の唇に自分の唇を一気に近づけた。進一と尚子は唇を重ねた。
「はい、そこまで、現行犯逮捕です!」
児玉は尚子と唇を重ねた途端、女の声がして驚いた。二人しかこの部屋にはいないはずなのに。
「いけませんねえ、安田尚子17歳、東京都淫行条例により、児玉進一を淫行条例未遂容疑で現行犯逮捕します」
児玉は尚子から唇を外し、声のするほうを見た。その主は、山野櫻子だった。
「あああー また、きみか? きみは現実にいるんだ。もう、僕には何が何だか分からないよ。きょうは悪夢だよー」
そう言った児玉のそばに、部屋の入り口に立っていた櫻子が、不敵な笑いを浮かべ歩み寄ってきた。
「このまま、エッチしたら、あんた、犯罪者だよ、いいのかい? あたしなら18歳とっくに過ぎたし、大丈夫だけどね」
そう言いながら櫻子が近づいてきて児玉のすぐ脇に立った。そして、尚子と抱き合っていたそばを割るように、櫻子が間に腕を入れてくると、その腕を下ろしていって、児玉の股間でいきり立っていた肉棒の先を握った。
「やっぱりこんなになってるね。尚子、危なかったよ! 我慢汁も一杯出てるよ! ヌルヌルだよ。あんた、やられるところだったよ!」
そう言った櫻子は児玉の握っていた肉棒を上下に動かした。
「バカ、櫻子さまのバカ、あたしが頼んで、キスしてから、入れてもらおうと思ってたのに、台無しよ、櫻子さまの大バカ!」
尚子が不服そうに櫻子をにらみ付ける。
「あんた、そんなにこの人のこと、好きなんだ? やるねえ、それなら、これから、あんたを補佐で使ってあげるから、3Pしよっか?」
「おい、きみたち、何をそんなぁー 僕を無視して、そんな馬鹿な相談してるんだ? 僕はきみとはしないぞ!」
「あら、そう? こんなに大きくはち切れそうになっているのに? 我慢できるのかしら? ほらほら、こんなに固くなっててよー」
櫻子は進一の芯棒を指でつまみ、こねくり回した。進一はあまりの気持ちよさに腰が砕けた。
「ああああー、いいいーー」
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