窓野枠 短編傑作集 7

窓野枠

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にらめっこ

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 飼い主の書斎で、彼とその愛犬が対峙たいじしていた。とはいえ、彼はあぐらをかいて、犬は行儀良くお座りをしているだけのいつもの風景だった。
(飼い主)
にらめっこが続いている。
今日はいつもより長いぞ。
もう、そろそろ、顔をそらすぞ。

もうすぐ僕の勝ちだ。
一体何分もうにらみあっているのだろうか。

時計を観たい。
うう、もう限界だ。
「負けた」

(犬)
お父さん、何、あたしのこと、観てるの?
いつも、お手とか、言うのに、
今日に限って、何も言ってくれない。

ひょっとして、違う指示を言うのかしら。
お手、とか、お座り、とか、しか、知らないけど。

それにしても、今日のお父さん、何、動かない。
変?
どうしたのかしら?

え、負けた、って、何するの? 意味、分かんない。
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