58 / 91
第三章 あの日の約束に真実の夢を見る
2 はじめまして
しおりを挟む
仕事の合間にバルコニーに出たセラフィナは、憂いを帯びた瞳を天へと向けた。
幸せな日々は過ぎ去るのが早い。あっという間に年を跨ぎ、冬を越え、いつしかヴェーグラントに来てから二度目の春を迎えていた。こうしてバルコニーに出れば柔らかい日差しが体を包み、小鳥のさえずりが耳に柔らかく、花の芳香が鼻をくすぐる。
こんなに気持ちのいい春の訪れを感じながら、しかしセラフィナの表情は暗かった。それはひとえに母アウラの命日を明日に控えていることにある。
去年はベルケンブルク宮殿の祈りの間で祈っていた。しかしアウラは女神オーフェリアを信じているわけではないし、セラフィナは一応信徒だがそんな彼女に育てられたおかげで信心深いとは言えない。だから今年は教会以外で、と思っていたのだが。
未だ戴冠式での犯人は捕まっておらず、セラフィナは自由に外に出ることができない身の上なのである。
明日は日曜日ではあるものの、ランドルフに頼むのも申し訳なく、セラフィナは結局屋敷で大人しく祈ることにした。ピルニウス山脈を敷地内から望むことはできないが、これも仕方のないことだろう。
母さま、わかってくださいね。心の中で呟き、部屋の中に戻った時であった。力強いノックの音が響き、その先に居る人物に予想がついたセラフィナは、小走りでドアを開けた。
「失礼。今良いか」
「ランドルフ様。はい、もちろんです」
ランドルフは休日らしくシャツにベストというラフな服装で、仕事をしていたのか指先を少し黒くしていた。仕事の指示にきてくれたのだろうか。
「明日の御母堂様の命日だが、どこかピルニウスの見える高台にでも連れて行くということでいいだろうか」
「……どうして、ご存知なのですか?」
セラフィナは目を見張った。母の命日について語ったことがあっただろうか。彼の先程の発言を踏まえると、ベルヒリンゲンの話を聞いた時にピルニウスの方を向いて祈ると言ったことを、覚えていてくれたということになる。
「それくらい当たり前だろう。貴女だって私の母の命日は教会に付き合ってくれたではないか」
「それは当たり前です! ……あ」
セラフィナは自身の台詞の矛盾に気付いて口をつぐむ。ランドルフはそんな妻の様子に、ふと笑みをこぼしたようだった。
「では、私が知っていて、共に祈るのも当たり前というわけだ。明日は昼を食べたら出るぞ。いい場所がある」
「いい場所、ですか?」
「ああ。明日は貴女にジェレマイヤを紹介しよう」
「ジェレマイヤ……?」
ランドルフはやけに楽しそうな笑みを浮かべていた。どこか子供のようなその表情に鼓動を早めつつ、セラフィナは首を傾げるのだった。
大きな青鹿毛の馬を前にして、セラフィナは思わず口を開けてその美しい生き物を見上げた。
今日はアウラの命日である。
ランドルフの提案で高台に行くことにしたのはいいが、問題はその交通手段だった。何でも馬車は乗り入れ不可能らしく、馬ならば近くまで行くことができるらしい。しかし当然セラフィナが馬に乗れるはずもなく、ランドルフの愛馬ジェレマイヤに相乗りさせてもらうことになったのだ。
ジェレマイヤは大人しく聡明そうな瞳が印象的で、青みがかった黒の毛並みをした実に立派な牡馬であった。馬に触るのは初めてなので恐る恐る鼻先を撫でると、彼はもそもそと体を擦り付けてきた。
「かわいい。ジェレマイヤ、初めまして。今日はよろしくお願いしますね」
鼻筋を撫でながら語りかけると、彼は任せておけとばかりに瞬きをしたようだった。大きくて立派で聡明で心優しい、まさしく持ち主のような馬だ。
「よしよし。良い子ですね、ジェレマイヤは」
ジェレマイヤは撫でてくれと言わんばかりに鼻先を差し出してきた。その可愛い仕草にときめきを禁じ得ないセラフィナは、もちろん撫でさすってやり、高揚した気分のままちょんと口付けを落とす。
しかしいつのまにか乗馬鞍の取り付けを終えたランドルフがこちらを見ていることに気付いて、少々はしゃぎ過ぎたかと手を止めた。
彼は見たことがないくらいの無表情で、愛馬の目を注視しているようだった。
「お前はそんな性格だったか? 自分が馬だと思って調子に乗りおって…」
「どうかなさいましたか? ランドルフ様」
「いいや。準備は終わった、行くぞ」
「はい、よろしくお願いします」
ジェレマイヤの背は随分高い位置にあり、どう乗ったらいいのか見当もつかない。しかしセラフィナが戸惑うよりも早くランドルフは馬上の人となっており、その洗練された動きに見惚れていると、大きな手が差し出された。
「掴まれ。次に右足を鐙にかけるんだ」
「はい」
言われるがまま手を取り、鐙に右足をかける。そのまま力を入れて体を持ち上げようとした瞬間、ぐんと繋いだ手を引っ張られた。黒いドレスが翻り、セラフィナは気が付いた時にはジェレマイヤの上に横乗りになっていたのだった。
「わあ……! 高いですね!」
一気に開けた視界に、セラフィナは子供のような歓声を上げた。二階から景色を見るときとも違う、周囲を間近で見渡せる絶妙な高さだ。
「怖くはないか」
「はい、平気です」
ジェレマイヤからかすかな動きが伝わってきて、既に彼へ全幅の信頼を寄せるセラフィナには少しも怖いことなどなかった。それに、ランドルフも腰を支えてくれていたから。
——支え、て?
そこでセラフィナは今の自分たちの体勢に思い至って硬直した。
密着した左半身が熱い。ランドルフはセラフィナを囲むように手を回して手綱を握っている。これは、これはまるで、抱きしめられているかのような。
違う、とセラフィナは脳内で首を振った。これは乗馬。命日の祈りを捧げるため、乗馬をするだけのことなのだ。浮かれていて良いはずがない。
「出発するぞ」
「は、はい。よろしくお願いします」
声が近い。頭のすぐ上から低音が響いて、必死でかき集めた平常心が散らばってしまいそうだった。
やたらと存在を主張する心臓を抱えたまま、ついに高台への短い旅は始まったのである。
幸せな日々は過ぎ去るのが早い。あっという間に年を跨ぎ、冬を越え、いつしかヴェーグラントに来てから二度目の春を迎えていた。こうしてバルコニーに出れば柔らかい日差しが体を包み、小鳥のさえずりが耳に柔らかく、花の芳香が鼻をくすぐる。
こんなに気持ちのいい春の訪れを感じながら、しかしセラフィナの表情は暗かった。それはひとえに母アウラの命日を明日に控えていることにある。
去年はベルケンブルク宮殿の祈りの間で祈っていた。しかしアウラは女神オーフェリアを信じているわけではないし、セラフィナは一応信徒だがそんな彼女に育てられたおかげで信心深いとは言えない。だから今年は教会以外で、と思っていたのだが。
未だ戴冠式での犯人は捕まっておらず、セラフィナは自由に外に出ることができない身の上なのである。
明日は日曜日ではあるものの、ランドルフに頼むのも申し訳なく、セラフィナは結局屋敷で大人しく祈ることにした。ピルニウス山脈を敷地内から望むことはできないが、これも仕方のないことだろう。
母さま、わかってくださいね。心の中で呟き、部屋の中に戻った時であった。力強いノックの音が響き、その先に居る人物に予想がついたセラフィナは、小走りでドアを開けた。
「失礼。今良いか」
「ランドルフ様。はい、もちろんです」
ランドルフは休日らしくシャツにベストというラフな服装で、仕事をしていたのか指先を少し黒くしていた。仕事の指示にきてくれたのだろうか。
「明日の御母堂様の命日だが、どこかピルニウスの見える高台にでも連れて行くということでいいだろうか」
「……どうして、ご存知なのですか?」
セラフィナは目を見張った。母の命日について語ったことがあっただろうか。彼の先程の発言を踏まえると、ベルヒリンゲンの話を聞いた時にピルニウスの方を向いて祈ると言ったことを、覚えていてくれたということになる。
「それくらい当たり前だろう。貴女だって私の母の命日は教会に付き合ってくれたではないか」
「それは当たり前です! ……あ」
セラフィナは自身の台詞の矛盾に気付いて口をつぐむ。ランドルフはそんな妻の様子に、ふと笑みをこぼしたようだった。
「では、私が知っていて、共に祈るのも当たり前というわけだ。明日は昼を食べたら出るぞ。いい場所がある」
「いい場所、ですか?」
「ああ。明日は貴女にジェレマイヤを紹介しよう」
「ジェレマイヤ……?」
ランドルフはやけに楽しそうな笑みを浮かべていた。どこか子供のようなその表情に鼓動を早めつつ、セラフィナは首を傾げるのだった。
大きな青鹿毛の馬を前にして、セラフィナは思わず口を開けてその美しい生き物を見上げた。
今日はアウラの命日である。
ランドルフの提案で高台に行くことにしたのはいいが、問題はその交通手段だった。何でも馬車は乗り入れ不可能らしく、馬ならば近くまで行くことができるらしい。しかし当然セラフィナが馬に乗れるはずもなく、ランドルフの愛馬ジェレマイヤに相乗りさせてもらうことになったのだ。
ジェレマイヤは大人しく聡明そうな瞳が印象的で、青みがかった黒の毛並みをした実に立派な牡馬であった。馬に触るのは初めてなので恐る恐る鼻先を撫でると、彼はもそもそと体を擦り付けてきた。
「かわいい。ジェレマイヤ、初めまして。今日はよろしくお願いしますね」
鼻筋を撫でながら語りかけると、彼は任せておけとばかりに瞬きをしたようだった。大きくて立派で聡明で心優しい、まさしく持ち主のような馬だ。
「よしよし。良い子ですね、ジェレマイヤは」
ジェレマイヤは撫でてくれと言わんばかりに鼻先を差し出してきた。その可愛い仕草にときめきを禁じ得ないセラフィナは、もちろん撫でさすってやり、高揚した気分のままちょんと口付けを落とす。
しかしいつのまにか乗馬鞍の取り付けを終えたランドルフがこちらを見ていることに気付いて、少々はしゃぎ過ぎたかと手を止めた。
彼は見たことがないくらいの無表情で、愛馬の目を注視しているようだった。
「お前はそんな性格だったか? 自分が馬だと思って調子に乗りおって…」
「どうかなさいましたか? ランドルフ様」
「いいや。準備は終わった、行くぞ」
「はい、よろしくお願いします」
ジェレマイヤの背は随分高い位置にあり、どう乗ったらいいのか見当もつかない。しかしセラフィナが戸惑うよりも早くランドルフは馬上の人となっており、その洗練された動きに見惚れていると、大きな手が差し出された。
「掴まれ。次に右足を鐙にかけるんだ」
「はい」
言われるがまま手を取り、鐙に右足をかける。そのまま力を入れて体を持ち上げようとした瞬間、ぐんと繋いだ手を引っ張られた。黒いドレスが翻り、セラフィナは気が付いた時にはジェレマイヤの上に横乗りになっていたのだった。
「わあ……! 高いですね!」
一気に開けた視界に、セラフィナは子供のような歓声を上げた。二階から景色を見るときとも違う、周囲を間近で見渡せる絶妙な高さだ。
「怖くはないか」
「はい、平気です」
ジェレマイヤからかすかな動きが伝わってきて、既に彼へ全幅の信頼を寄せるセラフィナには少しも怖いことなどなかった。それに、ランドルフも腰を支えてくれていたから。
——支え、て?
そこでセラフィナは今の自分たちの体勢に思い至って硬直した。
密着した左半身が熱い。ランドルフはセラフィナを囲むように手を回して手綱を握っている。これは、これはまるで、抱きしめられているかのような。
違う、とセラフィナは脳内で首を振った。これは乗馬。命日の祈りを捧げるため、乗馬をするだけのことなのだ。浮かれていて良いはずがない。
「出発するぞ」
「は、はい。よろしくお願いします」
声が近い。頭のすぐ上から低音が響いて、必死でかき集めた平常心が散らばってしまいそうだった。
やたらと存在を主張する心臓を抱えたまま、ついに高台への短い旅は始まったのである。
0
お気に入りに追加
1,524
あなたにおすすめの小説
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
愛すべきマリア
志波 連
恋愛
幼い頃に婚約し、定期的な交流は続けていたものの、互いにこの結婚の意味をよく理解していたため、つかず離れずの穏やかな関係を築いていた。
学園を卒業し、第一王子妃教育も終えたマリアが留学から戻った兄と一緒に参加した夜会で、令嬢たちに囲まれた。
家柄も美貌も優秀さも全て揃っているマリアに嫉妬したレイラに指示された女たちは、彼女に嫌味の礫を投げつける。
早めに帰ろうという兄が呼んでいると知らせを受けたマリアが発見されたのは、王族の居住区に近い階段の下だった。
頭から血を流し、意識を失っている状態のマリアはすぐさま医務室に運ばれるが、意識が戻ることは無かった。
その日から十日、やっと目を覚ましたマリアは精神年齢が大幅に退行し、言葉遣いも仕草も全て三歳児と同レベルになっていたのだ。
体は16歳で心は3歳となってしまったマリアのためにと、兄が婚約の辞退を申し出た。
しかし、初めから結婚に重きを置いていなかった皇太子が「面倒だからこのまま結婚する」と言いだし、予定通りマリアは婚姻式に臨むことになった。
他サイトでも掲載しています。
表紙は写真ACより転載しました。
人質姫と忘れんぼ王子
雪野 結莉
恋愛
何故か、同じ親から生まれた姉妹のはずなのに、第二王女の私は冷遇され、第一王女のお姉様ばかりが可愛がられる。
やりたいことすらやらせてもらえず、諦めた人生を送っていたが、戦争に負けてお金の為に私は売られることとなった。
お姉様は悠々と今まで通りの生活を送るのに…。
初めて投稿します。
書きたいシーンがあり、そのために書き始めました。
初めての投稿のため、何度も改稿するかもしれませんが、どうぞよろしくお願いします。
小説家になろう様にも掲載しております。
読んでくださった方が、表紙を作ってくださいました。
新○文庫風に作ったそうです。
気に入っています(╹◡╹)
身代わり婚~暴君と呼ばれる辺境伯に拒絶された仮初の花嫁
結城芙由奈@12/27電子書籍配信中
恋愛
【決してご迷惑はお掛けしません。どうか私をここに置いて頂けませんか?】
妾腹の娘として厄介者扱いを受けていたアリアドネは姉の身代わりとして暴君として名高い辺境伯に嫁がされる。結婚すれば幸せになれるかもしれないと淡い期待を抱いていたのも束の間。望まぬ花嫁を押し付けられたとして夫となるべく辺境伯に初対面で冷たい言葉を投げつけらた。さらに城から追い出されそうになるものの、ある人物に救われて下働きとして置いてもらえる事になるのだった―。
【完結】消された第二王女は隣国の王妃に熱望される
風子
恋愛
ブルボマーナ国の第二王女アリアンは絶世の美女だった。
しかし側妃の娘だと嫌われて、正妃とその娘の第一王女から虐げられていた。
そんな時、隣国から王太子がやって来た。
王太子ヴィルドルフは、アリアンの美しさに一目惚れをしてしまう。
すぐに婚約を結び、結婚の準備を進める為に帰国したヴィルドルフに、突然の婚約解消の連絡が入る。
アリアンが王宮を追放され、修道院に送られたと知らされた。
そして、新しい婚約者に第一王女のローズが決まったと聞かされるのである。
アリアンを諦めきれないヴィルドルフは、お忍びでアリアンを探しにブルボマーナに乗り込んだ。
そしてある夜、2人は運命の再会を果たすのである。
まだ20歳の未亡人なので、この後は好きに生きてもいいですか?
せいめ
恋愛
政略結婚で愛することもなかった旦那様が魔物討伐中の事故で亡くなったのが1年前。
喪が明け、子供がいない私はこの家を出て行くことに決めました。
そんな時でした。高額報酬の良い仕事があると声を掛けて頂いたのです。
その仕事内容とは高貴な身分の方の閨指導のようでした。非常に悩みましたが、家を出るのにお金が必要な私は、その仕事を受けることに決めたのです。
閨指導って、そんなに何度も会う必要ないですよね?しかも、指導が必要には見えませんでしたが…。
でも、高額な報酬なので文句は言いませんわ。
家を出る資金を得た私は、今度こそ自由に好きなことをして生きていきたいと考えて旅立つことに決めました。
その後、新しい生活を楽しんでいる私の所に現れたのは……。
まずは亡くなったはずの旦那様との話から。
ご都合主義です。
設定は緩いです。
誤字脱字申し訳ありません。
主人公の名前を途中から間違えていました。
アメリアです。すみません。
もう、愛はいりませんから
さくたろう
恋愛
ローザリア王国公爵令嬢ルクレティア・フォルセティに、ある日突然、未来の記憶が蘇った。
王子リーヴァイの愛する人を殺害しようとした罪により投獄され、兄に差し出された毒を煽り死んだ記憶だ。それが未来の出来事だと確信したルクレティアは、そんな未来に怯えるが、その記憶のおかしさに気がつき、謎を探ることにする。そうしてやがて、ある人のひたむきな愛を知ることになる。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる