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第一章 その結婚、皇帝陛下の勅命につき
22 妖精姫は過去を語る ④
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フランシーヌが即位して以来、セラフィナにとって王宮はさらに居心地の悪い場所となっていた。比較的にあたりの柔らかかったエイドリアン派が一掃され、政治に携わるのはほぼ全員がフランシーヌ派で固められるようになったのだ。
以前にも増して陰口や嫌がらせが陰湿になる中、公務にやりがいを見出す日々が続き、いつしか三年が経過していた。
「なあ、あんたさ。いったいいつまで偽善者ヅラを続けるつもりなんだ?」
エミールに次の護衛の依頼をしたところ、珍しく向こうから語りかけてきたと思ったら痛烈な批判を食らってしまった。セラフィナは彼の瞳をじっと見つめる。罵倒を浴びせてくる貴族たちとは違って、やはり彼の藍色は濁っていないように見えた。
「そうですね。できなくなるまで、でしょうか」
「わかってんだろ、今がそのできなくなる時だ。街の状況を受け止めろ。あんた、そろそろ刺されるぜ」
フランシーヌが即位してから、アルーディアは他国への侵攻を重ねていた。結果として領土は増え、政治は行き届かなくなり、元いた民には重い税金が課せられる。近頃は地区によっては失業者で溢れかえるほど状況は逼迫しており、力の無いものは倒れ始めるであろう段階にまで迫りつつあった。民の中には王族に対して反感を持つものも増えていると聞く。
「あんたがやってることなんて、もう焼け石に水ほどの効果もない。お優しい姫君の訪問だけで腹が膨らむってんなら話は別だけどな」
「エミール様、あなたはやはりお優しい方ですね」
「あんたもしかして頭湧いてんのか?」
きつい言葉にもどこ吹く風のセラフィナに、エミールには苛立ちを隠そうともしなかった。
しかし彼の言うことはまぎれもない正論。何より今まで多くの悪意の中を渡ってきたからこそ、信頼できるかどうかは目を見れば何となくわかる。この人が悪意を持って接してきたことが一度もなかったことも。
「ご心配ありがとうございます。ですが、私はできることを諦めたくはないんです」
「…見かけによらず強情だよな、あんた」
エミールは呆れ顔だったが、最終的には護衛の任務を引き受けてくれた。
それからも幾度か公務を続けた。そしてある日、運命を揺るがす事件が起こる。
病院での傷病兵の慰問を終え、セラフィナとベルティーユは馬車までの短い距離を歩いていた。
「姉上と公務に出るのは久しぶりでしたね。何だか懐かしかったです」
「そうね、私もよ。最近は会議に出席することも増えて、中々以前のようには外に出られないから」
ベルティーユは既に二十歳になっていた。結婚適齢期も終盤という年齢だが、彼女の場合は夫がそのまま国王となるため、選定に時間がかかっているらしい。かくいうセラフィナもまた、そろそろ適当な嫁ぎ先を充てがわれて降嫁する予定だった。
「私は自由にさせていただいて、申し訳ないくらいですね」
「セラフィナは別の意味で大変な思いをしてるじゃない。そんな状況で申し訳ないなんて言えるのあなたくらいよ」
苦笑気味の姉にそんなことはないと返そうとして、その言葉は喉に張り付いたまま出て来なくなった。
病院の植え込みの影から、突如として刃物を持った男が走り出したのに気付いてしまったから。
今日はエミールはおらず、レオナールもまだ気付いていない。セラフィナは意識するよりも早く、ベルティーユと男の間に滑り込んでいた。
瞬間、肩から背にかけて感じたことのない熱が広がった。それを痛みだと認識できたのは、ベルティーユの悲鳴が響き渡った後のこと。
姉が必死に名前を呼びかけてくれるのを感じながら、セラフィナは意識を手放したのだった。
目を覚ますと顔に布状のものが押し付けられていた。しかしそれは押し付けられているのではなく自分がうつ伏せになっているのだということに気付く段階になって、セラフィナはようやく意識を覚醒させた。
そうだ、私は確か、いきなり飛び出してきた男に背中を切られたのだ。心臓を刺されれば死ぬがそれ以外なら命に別状はないので、背中を向けたのは咄嗟の判断としては上出来といえよう。その証拠に、既に背中からは一切の痛みが引いていた。
少し身じろぎをして痛みがないことを確認して、セラフィナは身を反転させた。途端に何者かに抱きつかれて、流石に驚きを持ってその人物を受け止める。
「姉上、ご無事だったのですね……!」
「セラフィナ……セラフィナっ!」
ベルティーユは今まで見たことがないくらいの取り乱しようで、さながらセラフィナの名前を呼ぶだけのインコと化してしまったような有様だった。凄まじい泣きっぷりに面食らいつつ周囲を見回せば、どうやらここは見慣れた自分の部屋であった。そして、ベッドの脇で涙を溢れさせるレオナールの存在に気付く。
「せ、せらふぃなさま、もうじわげありまぜんでしだあああ! 僕が、付いていながら、こんな目に……!」
「レオナールも落ち着いてください。平気ですよ、私は。知っているでしょう?」
ハイルング人なのですから。その言葉を言外に匂わせて微笑んだが、彼らが泣き止むことには効果を発揮してくれなかった。
「そんなことは関係ないんです! セラフィナ様にお怪我を負わせてしまうなんて……! 本来なら僕がベルティーユ様をお守りしなければいけなかったところを、こんな」
「セラフィナ、ごめんね。痕が残るって聞いて、私……!」
「大丈夫ですよ、姉上。今更傷跡くらい気になりませんから。それよりご無事でよかった」
セラフィナはますます号泣する二人をなだめながら、しばしの時間を過ごすこととなった。
一足先に正気を取り戻したレオナールによれば、あの男は近頃流行病で娘を失い、なんの支援もしてくれない王族を恨むようになったらしい。男はその場でお縄となったが、問題はその後だった。
セラフィナを医者に見せたいが、既に血が止まりかけていたのだ。セラフィナがハイルング人だと露顕すれば確実に大問題となる。結果として騒ぎを聞いて駆けつけてくれた医師がいつも懇意にさせてもらっていた人物だったため、固く口止めして治療してもらうことになった。医師によれば傷は順調に治っているが痕は残るとのことで、二人は秘密裏に事件の処理をし、セラフィナを王宮へと運んでくれたのだった。
考えうる限りの完璧な対応に、セラフィナは頭を下げて礼を述べた。
二人は恐縮していたが、ハイルング人と知られて困るのはセラフィナ自身なのだ。身勝手な行動の結果招いた事態だったのに、大変なことにならないよう手を尽くしてくれた二人には感謝の念しかない。
怪我のことは気にしないで欲しいと述べて宥めすかし、ようやく二人が退室していったのはつい先程のことだった。
ふと背中に触れてみる。怪我を負ったのは既に一日前のことで、傷は完全に塞がっていた。しかし指先に盛り上がった感触がある。
大怪我を負うのは初めてのことだったが、やはりすぐに治ってしまうのか。
セラフィナは今更ながら自身の体質について思い知らされたような気がした。母の出自について恥じるつもりはないが、この世界ではハイルング人がよく思われておらず、現実としてハイルングの落とし子たちが迫害されているのも事実。今回は二人が助けてくれたが、そんな中で果たしてこれからも生きていけるのだろうか。
深淵なる孤独を感じて、せめて膝を抱えて丸くなろうとした時だった。ドアをノックする音がして、セラフィナは慌ててベッドから飛び降りた。専属侍女などは付いていないので、全て自分で応対しなければならないのだ。
しかし、ドアを開けた先にいたのは予想だにしない人物だった。
「あら本当にもういいのですか。つくづく化け物ですね、あなたも」
燕脂のドレスをまとい紅を引いた唇をニヤリと釣り上げたのは、この国の絶対権力、女王フランシーヌであった。
以前にも増して陰口や嫌がらせが陰湿になる中、公務にやりがいを見出す日々が続き、いつしか三年が経過していた。
「なあ、あんたさ。いったいいつまで偽善者ヅラを続けるつもりなんだ?」
エミールに次の護衛の依頼をしたところ、珍しく向こうから語りかけてきたと思ったら痛烈な批判を食らってしまった。セラフィナは彼の瞳をじっと見つめる。罵倒を浴びせてくる貴族たちとは違って、やはり彼の藍色は濁っていないように見えた。
「そうですね。できなくなるまで、でしょうか」
「わかってんだろ、今がそのできなくなる時だ。街の状況を受け止めろ。あんた、そろそろ刺されるぜ」
フランシーヌが即位してから、アルーディアは他国への侵攻を重ねていた。結果として領土は増え、政治は行き届かなくなり、元いた民には重い税金が課せられる。近頃は地区によっては失業者で溢れかえるほど状況は逼迫しており、力の無いものは倒れ始めるであろう段階にまで迫りつつあった。民の中には王族に対して反感を持つものも増えていると聞く。
「あんたがやってることなんて、もう焼け石に水ほどの効果もない。お優しい姫君の訪問だけで腹が膨らむってんなら話は別だけどな」
「エミール様、あなたはやはりお優しい方ですね」
「あんたもしかして頭湧いてんのか?」
きつい言葉にもどこ吹く風のセラフィナに、エミールには苛立ちを隠そうともしなかった。
しかし彼の言うことはまぎれもない正論。何より今まで多くの悪意の中を渡ってきたからこそ、信頼できるかどうかは目を見れば何となくわかる。この人が悪意を持って接してきたことが一度もなかったことも。
「ご心配ありがとうございます。ですが、私はできることを諦めたくはないんです」
「…見かけによらず強情だよな、あんた」
エミールは呆れ顔だったが、最終的には護衛の任務を引き受けてくれた。
それからも幾度か公務を続けた。そしてある日、運命を揺るがす事件が起こる。
病院での傷病兵の慰問を終え、セラフィナとベルティーユは馬車までの短い距離を歩いていた。
「姉上と公務に出るのは久しぶりでしたね。何だか懐かしかったです」
「そうね、私もよ。最近は会議に出席することも増えて、中々以前のようには外に出られないから」
ベルティーユは既に二十歳になっていた。結婚適齢期も終盤という年齢だが、彼女の場合は夫がそのまま国王となるため、選定に時間がかかっているらしい。かくいうセラフィナもまた、そろそろ適当な嫁ぎ先を充てがわれて降嫁する予定だった。
「私は自由にさせていただいて、申し訳ないくらいですね」
「セラフィナは別の意味で大変な思いをしてるじゃない。そんな状況で申し訳ないなんて言えるのあなたくらいよ」
苦笑気味の姉にそんなことはないと返そうとして、その言葉は喉に張り付いたまま出て来なくなった。
病院の植え込みの影から、突如として刃物を持った男が走り出したのに気付いてしまったから。
今日はエミールはおらず、レオナールもまだ気付いていない。セラフィナは意識するよりも早く、ベルティーユと男の間に滑り込んでいた。
瞬間、肩から背にかけて感じたことのない熱が広がった。それを痛みだと認識できたのは、ベルティーユの悲鳴が響き渡った後のこと。
姉が必死に名前を呼びかけてくれるのを感じながら、セラフィナは意識を手放したのだった。
目を覚ますと顔に布状のものが押し付けられていた。しかしそれは押し付けられているのではなく自分がうつ伏せになっているのだということに気付く段階になって、セラフィナはようやく意識を覚醒させた。
そうだ、私は確か、いきなり飛び出してきた男に背中を切られたのだ。心臓を刺されれば死ぬがそれ以外なら命に別状はないので、背中を向けたのは咄嗟の判断としては上出来といえよう。その証拠に、既に背中からは一切の痛みが引いていた。
少し身じろぎをして痛みがないことを確認して、セラフィナは身を反転させた。途端に何者かに抱きつかれて、流石に驚きを持ってその人物を受け止める。
「姉上、ご無事だったのですね……!」
「セラフィナ……セラフィナっ!」
ベルティーユは今まで見たことがないくらいの取り乱しようで、さながらセラフィナの名前を呼ぶだけのインコと化してしまったような有様だった。凄まじい泣きっぷりに面食らいつつ周囲を見回せば、どうやらここは見慣れた自分の部屋であった。そして、ベッドの脇で涙を溢れさせるレオナールの存在に気付く。
「せ、せらふぃなさま、もうじわげありまぜんでしだあああ! 僕が、付いていながら、こんな目に……!」
「レオナールも落ち着いてください。平気ですよ、私は。知っているでしょう?」
ハイルング人なのですから。その言葉を言外に匂わせて微笑んだが、彼らが泣き止むことには効果を発揮してくれなかった。
「そんなことは関係ないんです! セラフィナ様にお怪我を負わせてしまうなんて……! 本来なら僕がベルティーユ様をお守りしなければいけなかったところを、こんな」
「セラフィナ、ごめんね。痕が残るって聞いて、私……!」
「大丈夫ですよ、姉上。今更傷跡くらい気になりませんから。それよりご無事でよかった」
セラフィナはますます号泣する二人をなだめながら、しばしの時間を過ごすこととなった。
一足先に正気を取り戻したレオナールによれば、あの男は近頃流行病で娘を失い、なんの支援もしてくれない王族を恨むようになったらしい。男はその場でお縄となったが、問題はその後だった。
セラフィナを医者に見せたいが、既に血が止まりかけていたのだ。セラフィナがハイルング人だと露顕すれば確実に大問題となる。結果として騒ぎを聞いて駆けつけてくれた医師がいつも懇意にさせてもらっていた人物だったため、固く口止めして治療してもらうことになった。医師によれば傷は順調に治っているが痕は残るとのことで、二人は秘密裏に事件の処理をし、セラフィナを王宮へと運んでくれたのだった。
考えうる限りの完璧な対応に、セラフィナは頭を下げて礼を述べた。
二人は恐縮していたが、ハイルング人と知られて困るのはセラフィナ自身なのだ。身勝手な行動の結果招いた事態だったのに、大変なことにならないよう手を尽くしてくれた二人には感謝の念しかない。
怪我のことは気にしないで欲しいと述べて宥めすかし、ようやく二人が退室していったのはつい先程のことだった。
ふと背中に触れてみる。怪我を負ったのは既に一日前のことで、傷は完全に塞がっていた。しかし指先に盛り上がった感触がある。
大怪我を負うのは初めてのことだったが、やはりすぐに治ってしまうのか。
セラフィナは今更ながら自身の体質について思い知らされたような気がした。母の出自について恥じるつもりはないが、この世界ではハイルング人がよく思われておらず、現実としてハイルングの落とし子たちが迫害されているのも事実。今回は二人が助けてくれたが、そんな中で果たしてこれからも生きていけるのだろうか。
深淵なる孤独を感じて、せめて膝を抱えて丸くなろうとした時だった。ドアをノックする音がして、セラフィナは慌ててベッドから飛び降りた。専属侍女などは付いていないので、全て自分で応対しなければならないのだ。
しかし、ドアを開けた先にいたのは予想だにしない人物だった。
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