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第一章 その結婚、皇帝陛下の勅命につき
20 妖精姫は過去を語る ②
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「ああ、姫様! そんなことはなさらなくとも、後は私たちがやりますから!」
セラフィナは片付けの為に地面にしゃがみこんでいたのだが、エマが血相を変えて走って来たので作業の手を止めた。
セラフィナ主催の合同バザーは、今回も成功に終わった。協会の敷地を借りる合意を得たことから一年前に試験的に始めたのだが、最近では近隣の孤児院の出店だけでなく商店も名乗りを上げてくれるようになり、ちょっとしたお祭りの様相を呈している。
「エマさん、そうはいってもこれは私が始めたことですから」
きちんと最後までやらないと。そう言って有無を言わさず片付けを再開してしまったセラフィナに、始めは取りすがっていたエマも、やがて諦めて手伝いを始めた。
「まったく。姫様は、変わっておいでです」
エマは呆れ顔だったがその声は労わるように優しい。字面だけ見れば鋭く見える言葉も、エマが言うと全く恐れが湧いてこないから不思議だ。
「ふふ、ごめんなさい。ところで、今日の売り上げはどうでしたか?」
「上々ですよ。姫様のおっしゃる通り、食べ物に絞った方が良いみたいですね」
「やはりそうなのですね……」
少しでも孤児院の運営を楽にする為に始めたバザーだったが、こうしてみると街の様子がよくわかる。
雑貨が売れなくなってきたのは前回のことだった。だから今回は子供達手製のパンを販売してみたのだが、こちらは無事売り切れたらしい。つまり、民は善意から雑貨を買う余裕を既に失い、生活に必要なものしか手に出来なくなっているということになる。
政治の中心に関わることのないセラフィナには、何を思って税を上げるのかは推し量ることしかできない。しかし王宮に漂う雰囲気はあまり良いものとは言えず、近頃はベルティーユも忙しそうで、何か只ならぬ事が起きているのではと思えてならなかった。
「姫様、そんな顔をなさらないでください。税金が上がったのは何も姫様のせいではありませんよ」
「エマさん……私は、これくらいのことしかできなくて」
「十分ですよ。あなたが来てくれるだけで、子供達が笑顔になるんです。それだけでも有難いのに、いろいろなことを考えてくださって」
「セラフィナさまー! ゴミ拾い、おわったよー!」
「いっぱい集めた! ぼくがいちばんだよ!」
「違うよ、私が一番拾ったもん!」
突如として大勢の子供達が駆け寄って来て、瞬く間に囲まれてしまった。誰もが本日の自分の働きぶりを自慢する為に大声で叫んでおり、その賑やかな様子に思わず笑みを零す。
「ね? ほら、嬉しそうでしょう?」
エマもまた彼らの頑張り様に苦笑気味だ。セラフィナはそれに頷いて返しつつ、一人一人の頭を撫でて回った。
教会を出て馬車の待つ広場へと歩きながら予定を書いた手帳を眺める。次は陸軍病院を訪問する事になっていた。傷病兵が多く収容されているので慰問をするようにと正式に賜った仕事だ。
「セラフィナ様ではありませんか。お元気ですか?」
「よお姫様、今日はどこ行って来たんだい!」
「姫様、綺麗なお花が入ったんです。ぜひ持って行って下さいな」
道中幾度か声をかけられ、その度に立ち止まって少し話をする。
この三年でいつの間にか街の人々に顔を覚えてもらうに至っていた。あの王宮だけの生活が続いていたら、それこそどうなっていたかわからない。今はこんなに優しく受け入れてもらえるようになり、その度に元気付けられる自分がいる。
馴染みの花屋の店主から花を分けてもらい、病院に贈るための花束を手に馬車への道を急ぐ。いつの間にか時間ギリギリだ。
案の定馬車に一人の男が腕を組んでもたれかかっているのが見えて、セラフィナは青ざめつつもより一層歩調を早めた。
「遅い」
「も、申し訳ありませんっ、エミール様! お待たせしてしまい」
「早く乗れ、遅れる」
彼はじろりと睨み付けると、さっさと自分だけ馬車に乗り込んでしまった。これ以上煩わせるわけにもいかないので、セラフィナも慌てて後へ続く。
エミール・ペルグランはペルグラン伯爵家の次男坊で十九歳と若く、アッシュグレーの髪と藍色の瞳を持った線の細い美男子である。初めて会った時は一瞬女性かと思ったくらいだ。
自分のような存在にまさか護衛の騎士が付くとは驚きだったが、案の定彼は大いにセラフィナのことを嫌っていた。
目を合わせるのも嫌なようで徹底的に視線は外されるし、エスコートをする気は無いようだし、会話も全くといっていいほど弾まず、不機嫌そうな無表情が崩れるのを見たことがない。
ただ彼は侮蔑の目を向けてくることは一切無く、暴言を吐く事もしなかった。エスコートをされることに慣れていないセラフィナにとっては、むしろやりやすい相手とすら言える。
そうして無言で馬車に揺られることしばらく、馬の嗎とともに急な減速が始まり、セラフィナは体をおもいきり背もたれに押し付けられる羽目になった。エミールは只ならぬ気配を感じたのか、扉を少しだけ開けて周囲を警戒したのち、滑るように外へと飛び出して行く。
一体何があったというのだろう。不安を感じつつもおとなしく座って待っていると、彼は想像より早く戻ってきた。無表情はいつもと変わりが無かったが、その口から放たれた言葉はセラフィナに凄まじい衝撃をもたらすこととなった。
「早馬だ。陛下が倒れた。あんたを呼んでいるらしい」
離宮を訪ねてきたあの日以来国王には一度も会ったことがなく、その状況にむしろセラフィナは安堵すら感じていた。
母が死んだあの日、感情のままにフェルナンを責めてしまった。だが時が経つにつれてあの時辛そうな表情ばかりが思い出され、どうしようもなく胸を苛む。そうして日々を過ごすうちに、いつしかどんな顔をして会えばいいのかわからなくなっていたのだ。
エミールと玄関ホールで別れたセラフィナは、焦燥に駆られるまま足を動かしていた。そこで仮にも自分の父親である存在が、どこで病床に伏しているか検討すらつかないことに気付いて、唐突に動きを止める。
私はもしかするとあの人のことを避けていたのかもしれない。邪険にされているのはこちらだと思っていたけれど、寝室の場所すら知らない自分は、何一つ理解しようとしないまま三年間逃げ続けていたということではないのか。
セラフィナの胸の内で、後悔や悲しみ、そして憤りが渦を巻く。その重みに後ずさりをしかけた、その時。
「セラフィナ! 良かった、ここにいたのね……!」
ベルティーユが息を切らせて駆け寄ってきて、セラフィナはようやく意識を引き戻すことができた。彼女は必死の様子で妹の手を取ると、普段なら絶対に見咎められるような速度で猛然と走り出した。
「もう事態はわかっているのでしょう!? 早く来て!」
「あ、姉上、速いです」
「頑張って! 急がないと!」
ベルティーユはとにかく足が速い。彼女に手を引かれることによって自身の最高速度を突破したセラフィナは、痛む胸を我慢してとにかく走り続けた。そうしてたどり着いたのは、今まで見た中で最も重厚な扉の前であった。
「ここよ。この部屋で陛下はお休みになっているわ」
酸欠に霞む視界も、その扉の向こうに待つ状況を想像してしまえば気になるものでもなかった。急な緊張に見舞われたセラフィナは、走って来たにもかかわらず顔を青くし、震える視線をベルティーユに向けた。
「姉上、ついて来てくださいますか……?」
思えば、甘えるようなことを口に出したのは、母が死んで以来初めてのことだったかもしれない。ベルティーユもそれに気付いたのだろう、一瞬瞳を揺らしたが、すぐに何かを堪えるようにして首を横に振った。
「ごめんなさい。二人で話をしたいと仰せなのよ」
「そう、ですか。申し訳ありません、無理を申しました」
「ここで待っているわ。何かあったら呼んで頂戴」
ベルティーユは安心させようと微笑んでくれたが、強張った顔をどうすることもできないまま、セラフィナは震える手で扉を押した。
セラフィナは片付けの為に地面にしゃがみこんでいたのだが、エマが血相を変えて走って来たので作業の手を止めた。
セラフィナ主催の合同バザーは、今回も成功に終わった。協会の敷地を借りる合意を得たことから一年前に試験的に始めたのだが、最近では近隣の孤児院の出店だけでなく商店も名乗りを上げてくれるようになり、ちょっとしたお祭りの様相を呈している。
「エマさん、そうはいってもこれは私が始めたことですから」
きちんと最後までやらないと。そう言って有無を言わさず片付けを再開してしまったセラフィナに、始めは取りすがっていたエマも、やがて諦めて手伝いを始めた。
「まったく。姫様は、変わっておいでです」
エマは呆れ顔だったがその声は労わるように優しい。字面だけ見れば鋭く見える言葉も、エマが言うと全く恐れが湧いてこないから不思議だ。
「ふふ、ごめんなさい。ところで、今日の売り上げはどうでしたか?」
「上々ですよ。姫様のおっしゃる通り、食べ物に絞った方が良いみたいですね」
「やはりそうなのですね……」
少しでも孤児院の運営を楽にする為に始めたバザーだったが、こうしてみると街の様子がよくわかる。
雑貨が売れなくなってきたのは前回のことだった。だから今回は子供達手製のパンを販売してみたのだが、こちらは無事売り切れたらしい。つまり、民は善意から雑貨を買う余裕を既に失い、生活に必要なものしか手に出来なくなっているということになる。
政治の中心に関わることのないセラフィナには、何を思って税を上げるのかは推し量ることしかできない。しかし王宮に漂う雰囲気はあまり良いものとは言えず、近頃はベルティーユも忙しそうで、何か只ならぬ事が起きているのではと思えてならなかった。
「姫様、そんな顔をなさらないでください。税金が上がったのは何も姫様のせいではありませんよ」
「エマさん……私は、これくらいのことしかできなくて」
「十分ですよ。あなたが来てくれるだけで、子供達が笑顔になるんです。それだけでも有難いのに、いろいろなことを考えてくださって」
「セラフィナさまー! ゴミ拾い、おわったよー!」
「いっぱい集めた! ぼくがいちばんだよ!」
「違うよ、私が一番拾ったもん!」
突如として大勢の子供達が駆け寄って来て、瞬く間に囲まれてしまった。誰もが本日の自分の働きぶりを自慢する為に大声で叫んでおり、その賑やかな様子に思わず笑みを零す。
「ね? ほら、嬉しそうでしょう?」
エマもまた彼らの頑張り様に苦笑気味だ。セラフィナはそれに頷いて返しつつ、一人一人の頭を撫でて回った。
教会を出て馬車の待つ広場へと歩きながら予定を書いた手帳を眺める。次は陸軍病院を訪問する事になっていた。傷病兵が多く収容されているので慰問をするようにと正式に賜った仕事だ。
「セラフィナ様ではありませんか。お元気ですか?」
「よお姫様、今日はどこ行って来たんだい!」
「姫様、綺麗なお花が入ったんです。ぜひ持って行って下さいな」
道中幾度か声をかけられ、その度に立ち止まって少し話をする。
この三年でいつの間にか街の人々に顔を覚えてもらうに至っていた。あの王宮だけの生活が続いていたら、それこそどうなっていたかわからない。今はこんなに優しく受け入れてもらえるようになり、その度に元気付けられる自分がいる。
馴染みの花屋の店主から花を分けてもらい、病院に贈るための花束を手に馬車への道を急ぐ。いつの間にか時間ギリギリだ。
案の定馬車に一人の男が腕を組んでもたれかかっているのが見えて、セラフィナは青ざめつつもより一層歩調を早めた。
「遅い」
「も、申し訳ありませんっ、エミール様! お待たせしてしまい」
「早く乗れ、遅れる」
彼はじろりと睨み付けると、さっさと自分だけ馬車に乗り込んでしまった。これ以上煩わせるわけにもいかないので、セラフィナも慌てて後へ続く。
エミール・ペルグランはペルグラン伯爵家の次男坊で十九歳と若く、アッシュグレーの髪と藍色の瞳を持った線の細い美男子である。初めて会った時は一瞬女性かと思ったくらいだ。
自分のような存在にまさか護衛の騎士が付くとは驚きだったが、案の定彼は大いにセラフィナのことを嫌っていた。
目を合わせるのも嫌なようで徹底的に視線は外されるし、エスコートをする気は無いようだし、会話も全くといっていいほど弾まず、不機嫌そうな無表情が崩れるのを見たことがない。
ただ彼は侮蔑の目を向けてくることは一切無く、暴言を吐く事もしなかった。エスコートをされることに慣れていないセラフィナにとっては、むしろやりやすい相手とすら言える。
そうして無言で馬車に揺られることしばらく、馬の嗎とともに急な減速が始まり、セラフィナは体をおもいきり背もたれに押し付けられる羽目になった。エミールは只ならぬ気配を感じたのか、扉を少しだけ開けて周囲を警戒したのち、滑るように外へと飛び出して行く。
一体何があったというのだろう。不安を感じつつもおとなしく座って待っていると、彼は想像より早く戻ってきた。無表情はいつもと変わりが無かったが、その口から放たれた言葉はセラフィナに凄まじい衝撃をもたらすこととなった。
「早馬だ。陛下が倒れた。あんたを呼んでいるらしい」
離宮を訪ねてきたあの日以来国王には一度も会ったことがなく、その状況にむしろセラフィナは安堵すら感じていた。
母が死んだあの日、感情のままにフェルナンを責めてしまった。だが時が経つにつれてあの時辛そうな表情ばかりが思い出され、どうしようもなく胸を苛む。そうして日々を過ごすうちに、いつしかどんな顔をして会えばいいのかわからなくなっていたのだ。
エミールと玄関ホールで別れたセラフィナは、焦燥に駆られるまま足を動かしていた。そこで仮にも自分の父親である存在が、どこで病床に伏しているか検討すらつかないことに気付いて、唐突に動きを止める。
私はもしかするとあの人のことを避けていたのかもしれない。邪険にされているのはこちらだと思っていたけれど、寝室の場所すら知らない自分は、何一つ理解しようとしないまま三年間逃げ続けていたということではないのか。
セラフィナの胸の内で、後悔や悲しみ、そして憤りが渦を巻く。その重みに後ずさりをしかけた、その時。
「セラフィナ! 良かった、ここにいたのね……!」
ベルティーユが息を切らせて駆け寄ってきて、セラフィナはようやく意識を引き戻すことができた。彼女は必死の様子で妹の手を取ると、普段なら絶対に見咎められるような速度で猛然と走り出した。
「もう事態はわかっているのでしょう!? 早く来て!」
「あ、姉上、速いです」
「頑張って! 急がないと!」
ベルティーユはとにかく足が速い。彼女に手を引かれることによって自身の最高速度を突破したセラフィナは、痛む胸を我慢してとにかく走り続けた。そうしてたどり着いたのは、今まで見た中で最も重厚な扉の前であった。
「ここよ。この部屋で陛下はお休みになっているわ」
酸欠に霞む視界も、その扉の向こうに待つ状況を想像してしまえば気になるものでもなかった。急な緊張に見舞われたセラフィナは、走って来たにもかかわらず顔を青くし、震える視線をベルティーユに向けた。
「姉上、ついて来てくださいますか……?」
思えば、甘えるようなことを口に出したのは、母が死んで以来初めてのことだったかもしれない。ベルティーユもそれに気付いたのだろう、一瞬瞳を揺らしたが、すぐに何かを堪えるようにして首を横に振った。
「ごめんなさい。二人で話をしたいと仰せなのよ」
「そう、ですか。申し訳ありません、無理を申しました」
「ここで待っているわ。何かあったら呼んで頂戴」
ベルティーユは安心させようと微笑んでくれたが、強張った顔をどうすることもできないまま、セラフィナは震える手で扉を押した。
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