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魔王城 前編

321.見つけた地図

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「地図を探さないとな。ここが何回あるのか、それが一番知りたいな」

 構造はどこかの屋敷の廊下よりも広いが、歩いていた分かる。ここはどこかのダンジョンの迷宮にでも探検してるみたいだ。
 ツインソードを解除してから、辺りを見渡す。

「よく、こんな城を建てられたものだ」

 勇者が乗り込んで来る事を考えてこういう地形にしたと考えるのが妥当だろう。
 だけど、これだけ広いとどこかの部屋に地図があるかもしれない。この階層で探してみるか。
 階段付近にいたのもあるが、下から鎧の音が聞こえてくる。ここも危ないと考え、移動を開始した。

「付近の部屋から捜索してみるか」

 先程見つけた部屋へと避難するように中へと入り、扉を閉める。その部屋には色々と木箱や物が置かれていた。

「掃除は行き届いてるな」

 木箱を指で触ったが、埃の跡がない。
 部屋は無数にあるのに、掃除だけはきちんとこなしているか。
 これなら、欲しい物が見つかるかもしれない。
 早速地図がないか、捜索をする。机の引き出しや棚の引き出しなども確認していく。
 だが、一向にそれらしき物が見つからない。

「この部屋はハズレか・・・」

 そう呟きながらも最後の棚の引き出しを開ける。そこに巻物が2つ入っていた。
 出入り口を見ながら、テーブルの物を静かに移動させてから、巻物を広げる。

「当たりだな。城内の地図で間違いない」

 城内の地図で間違いないはずだが・・・前見た城内の地図とは比べ物にならない程の複雑に書かれていた。
 相当なマップ構成である。城内が相当広いのが、よく分かる感じだ。
 ただ、この2つの巻物は6階までしか書かれてない。
 多分、7階以降の地図は別の所で入手になりそうだ。

「この部屋は用済みだな。この地図を記憶したし、そろそろこの部屋から出るか」

 外では兵士達が捜索している可能性が高い。その為、外の様子を知る必要がある。
 大抵は何者かがいるなど、すぐに分かる。
 俺はドアを普通に開け、外へと出る。その後に周りを見るが、誰もいない。遠くから走る音が聞こえてくるが、こっちに来る様子はない。
 よし、今の内に地図で覚えた場所まで向かうか。
 今の現在地も大体把握している。階段近くだったお陰で楽に見つけられた。
 階段は複数箇所あり、ここから近い位置にある階段へと向かっている。
 聖剣を片手に俺は走り続けた。
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