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休息と影で動く存在

155.最後の休日の夜

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 迷宮を脱出し、千夜の家へと戻っている最中だ。迷宮の魔物は無視して通り抜けていったため、10分程で地上へと抜けた。
 観測者と名乗る人物は空間に消えていった。黒龍の死体回収が目的だった。俺の出来る範囲で調べるべきだったか。
 それに加え、彼女はこうも言っていた。「この世界では合うことはない」って言っていた。あの文の続きがどのように書いていたかは分からないが、観測者の存在の事も書かれていただろう。

「今は何も考えずにさきのことを考えるか」

 今はそのことを考えず、先のことだけ考えよう。今その事を考えても何も分からない。道中で魔物から回収したアイテムなども必要ないものは全て売った。と言ってもほぼ知っているアイテムだったから価値も大体分かっていた。
 それにしても、相変わらず賑やかだな。というよりも、このセリフほとんどの街でも同じこと呟いてたっけ。

「いい素材、ありがとよ」

 鍛冶屋などに回収したアイテムを売った後に、その金で消費した矢やそれに装着していた結晶を買うために武器屋と魔法店による。
 以外にも金はかかるのもだ。おかげで儲けは0だ。

「まあ、魔物全く相手してなかったからしょうがないかな」

 その場を後にしながら、千夜の家へと向かった。


「遅いぞ。どこほっつき歩いてたの」
「ちょっとした冒険だ」

 夜遅くに千夜の家へと到着した。荷物を全て外した後に用意されていた食事へを食べ始める。
 ここにいられるのも今日までか・・・。なんか長かったようで短ったなあ。

「明日にはここを出て、王都へと引き返すのか」
「長かったようで短ったですね」

 思ったこと口に出している人が一名いるが、今はあまり言わずに飯だけを食べ続ける。実際には喋れるほどの体力はあまり残ってないのが現実だ。

「滞在期間は大体14日間ぐらいですかね」

 ベラニア、すまん。実際は俺が言うはずなんだが、冒険で疲れてしまっている。その後女性陣は会話を続けていたが、俺はすぐさまに食べ終わり、布をかぶり横へとなった。


「・・・」

 夜空の星々を見ながら千夜の家の屋上で寝転がっているノーゼムの姿があった。
 これも警備の一環だ。主の命令通りに俺は動いている。今日は警備出来たかは知らんが、平和だった。
 明日以降の警備は別の人物になるらしいが、なぜいきなり変わるんだ。この世界を変えてくれる存在って言っていたけど、どこまで真実かは分からない。

「俺は汚れ仕事をするだけの傭兵だ。こんな茶番早く終わればいいのだが」

 しかし、終わりたくても既に一生暮らせる程の金、100金貨を受け取っている。さすが勇者様だと関心したんだが、これにより俺は魔王討伐までの兵士となってしまった。
 忠実に従う癖があるせいで、俺は離反することも出来ない。

「魔王討伐までの辛抱だ。と言ってもいつになるやら」

 目をつぶりながら考え事をしていくうちに俺は静かに眠っていった。
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