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さらなる成長を求めて

16.友人の少女

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「もう安心じゃ。それよりも、そなた達が例の子でいいのじゃな?」

 突然と現れてはゴブリンを殲滅した。さすがに逃げ出したゴブリンの相手まではしてないが、数分だけで20体以上のゴブリンを仕留めている。
 この子がリーネの言っていた親友なのだろう。

「安心するとよい。ここに儂がいれば、魔物は襲ってこん」

 江戸時代みたいな喋り方をするこの少女、先程の見る限りでは、実力は高い。
 針状の投げ武器だけで、一瞬だ。
 
「ここにいても、つまらん。儂の家に案内するぞ」
「この先でいいのか?」
「無論じゃ。儂はこの先の家に住んどる」

 そう言いながら、座ってる彼女の腕を持ち上げ、肩へと乗せた。そして、連れて行くように奥へと歩き出す。
 俺は咄嗟に置いていた荷物を取り、少女を追いかけた。

「儂の名は伊達美希。そなた達で言うと、先輩勇者って所かの」
「勇者・・・、ここに勇者は大体何人召喚されたんだ」
「今儂が知っている限りでは、約50人近くかの」

 人数も不安定、毎年のように召喚を行う。まるで、恒例行事のようだな。

「まあ、儂らが召喚される理由は分かる通り、魔王軍の討伐じゃ。今は攻防の繰り返しじゃろう」

 彼女は歩きながら、奥へと進んでいく。周りから草が揺れる音が聞こえてくるが、何かに脅えるように、その音は遠くなっていく。
 状況を理解してないからこそ、分からないのかもしれない。だけど、その事は今後触れていくだろうし、今は強くなる事を考えるべきだ。

「そなたには修行させて欲しいとお願いもされてるんじゃ。生温い修行と考えない方がいいぞ」
「どんな事をさせるつもりだよ」

 まあ、修行させるつもりで、ここに送られているものだ。生温い修行では死を感じる事は出来ない。
 己を鍛えないと、何もかも無意味になってしまう。

「修行よりも先に、この子のケアが先じゃ。そなたの修行は一時お預けじゃ」

 このままの状態で修行するつもりもない。彼女の状態を1秒でも早く回復させておきたい。
 この少女には、何かやる事でもあるのだろうな。

「着いたぞ。ここが儂の住居じゃ」

 少女はそう言いながら、光り輝く先へと進んでいった。
 俺は目を腕で隠しながらも、少女が進んだ先へと入った。
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