「私は○○です」？！

揺れる世界

壊れる未来、残った異物 4

（この声、きっとそうだ。）

「フェン？　フェンだよね？」

「ｸﾞﾙﾙ…」

「フェン…っ」

そう言って飛び出そうとした私を、やっちゃんが腕を咄嗟につかんだ。

「やっちゃん…？」

ーフルフルッ

「サキ、何かがおかしいから、待ってみよう。」

「……っ！」

そして、私達は、そのまま静かに様子を見てみることにした。

何かあった時、本当にフェンだったら考えたくもないが、いつでも迎撃できる準備をしながら、だったが。